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野原工芸 前哨戦惨敗

来店予約は取れたが、本店での購入でも制限が設けられている。入場は1組5人まで、シャーペンは1人1本、購入は1組最大で10 本とされ、樹種も1樹種1本とされている。
わが家は5人家族なので、全員で行けばシャーペンは5本買えることになるが、大学生のおねえちゃんは、大学の試験勉強のため行けないという。
張本人の息子はシャーペンは1本では飽き足らないだろうから、父のシャーペンの権利を譲るとして、さらにボールペン1本の権利も主張するのか?
大学生のおねえちゃんは、シャーペンはいらないだろうが、ボールペン2本を主張するのか?
中学生の妹と母は、それぞれ、シャーペンとボールペン各1本の2本を主張するだろう。
そうすると、そもそもシャーペンが1本足りないし、父の分が1本になりかねない。また、1樹種1本だとすると10種選ぶ必要が出て来るが、そうなると欲しい樹種がかち合ってくる恐れがある。

このように逡巡していたころ、2023年下半期分のオンライン販売が5月上旬(8日以降)にあるとアナウンスがあった。そうだ、先にオンライン販売でシャーペンを買ってしまえばいいんだ。

そこで、オンライン販売で買う樹種選びを始める。もともとは特上花梨瘤杢が気になっていたが、個体差のある樹種を現物を確認できないオンライン販売で買うのは怖い。そこで、個体差が余りなさそうなものから選ぶことにするが、こんなとき、見た目だけでなく、能書きにまで拘ってしまうのが男子の性だ。幸せの木・槐も捨て難かったが、王にふさわしい木・キングウッドが見た目・能書きとも気に入り、これにしようと思った。しかし、野原工芸のブログで神代木の記事を見て、神代木の渋さ・能書きを知り、気持ちが変わった。結果、神代欅、キングウッド、ブラックウォールナット(見た目から)の順で候補とすることにした。

さて、アナウンスでは、受付開始は5月8日以降の5月上旬とされているだけで、正確な日時は知らされておらず、どうやらゲリラ的に始まるようだ。そこで、オンライン販売のアカウント登録をするとともに、野原工芸のTwitterの通知をオンにして、受付開始に備える。

5月8日は仕事だがデスクワークなので、スマホを横において待機する。すると、12時半頃、オンライン販売ページの商品の記載が「売り切れ」から「準備中」に変化した。いよいよ始まると待ち続けるが一向に始まらない。夕方から夜の開始の可能性もあるのかと思い始めた17時過ぎ頃、Twitterで受付は9時から17時の間というアナウンスがあり、8日はないことが確定。

この流れから、9日もないような予感がなんとなくしていたが、待機しないという訳にはいかない。しかし、予感は的中した。

こうして予約開始は10日と確定したが、時間は分からない。そこで、午前中と踏んで、昼まで自宅で待機することにした。
12時半過ぎころ、それは突然始まった。Twitterの通知かオンラインストアのページを再読込したかで受付開始に気がついた。
すぐに神代欅のシャーペンをカートに入れて、購入確定に進もうとするが、それ以上進めない。カートに2つ入っている! カートに入れるところからやり直すが、購入確定をクリックすると既に売り切れ(カートに入れただけでは確保されない)。
急いで、キングウッドをカートに入れるが、これも購入確定をクリックした時点で売り切れ。
さらに、ウォールナットをカートに入れるが同様に売り切れ。この時点でシャーペンは完売。受付開始から5分くらいしか経ってない。
この時点で、ボールペンは樹種によっては購入可能だったが、ボールペン用の樹種は考えていなかったし、近々本店で好きなものを選べるのに、取り立てて欲しいと思っているわけでもないもの(しかも届くのは大分先)にお金を使うのは無駄遣いだと考え、参戦するのはやめた。ちなみに、ボールペンも20分くらいで完売になったようだ。

こうして、初めてのオンライン販売参戦は惨敗に終わった。3日間待機させられた挙げ句、買えなかったことによる徒労感は半端なかった。

それにしても、こんなにすぐに売り切れになるのは、オンライン販売では1品につき何本販売しているのだろうか? 
オンライン販売では、旧型シャーペンを除いて103点販売しているから、1品5本なら半期で500本、10本なら1000本となる。売り切れるスピードからすれば、せいぜいこれくらいではないか?(本店に行ったとき聞こうと思っていたが聞くのを忘れた)
他方、来店販売は、1日3組、週3日、年50週とし、少なく見積もって1組平均5本購入とすると、年間2250本。
それ以外にも委託製造もあるようだ。
そうすると、年間で5000本以上生産する必要がある。
週5日、1年50週の稼働だとすると、1日で20本。1日8時間労働だとして、1時間で2〜3本生産する必要があることになる。
動画で見ていると、木を削る作業自体はそこまでは時間がかからないようだが、下準備も必要であるし、トータルではこんなところではないか? また、ペン以外の製品の生産や雑務にも時間が取られることからすれば、実際の稼働時間はもう少し少ないと思われる一方、職人が複数いるらしいことからすれば、生産性はもう少し高そうだが、オンラインで販売される商品数の推測としては、いい線行っているのではないか。








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