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Shakespeare's R&J 備忘録

遅くなってしまいましたが、Shakespeare' R&J 大千穐楽おめでとうございます!

少し前に少年忍者の北川拓実くんのオタクになりまして、拓実くんの主演舞台Shakespeare' R&Jを観劇したのですが、本当に素敵な舞台で、これは記録に残さないと…と思って約1年ぶりにnoteを書いています。

個人的に考えたことなどを備忘録として書いているので、間違っているところとかいろいろあると思いますが、こんなもんか~という感じで読んでいただけると嬉しいです…!

ストーリーについて

超おおまかなストーリーとしては、厳格なカソリックの全寮制男子校で暮らす4人の生徒が、夜中にこっそり読むことを禁じられているシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を読むというもの。

学生はそれぞれ1人で何役も演じるのですが、主に学生1がロミオ、学生2がジュリエット、学生3が修道士ロレンスとマキューシオ、学生4が乳母とティボルトを演じます。

冒頭~舞踏会:ロミジュリの世界に入り込んでいく学生たち

冒頭は、学生4人が学校の授業を受け、寮で眠りに就いた後、こっそりベッドを抜け出してロミオとジュリエットを読み始める、というもの。抑圧された環境で、してはいけないことをしている学生4人の高揚感が伝わってきます。本当に最初は、4人がキャッキャッしながらロミジュリを回し読みしていて、ロミジュリに意外と下世話な言い回しが多いのもあって、男子校の学生がこっそりエロ本読んでるみたいな感じで(笑) 

こんな感じで、最初は学生たちがロミオとジュリエットを「演じている」のが明らかなんですけど、段々と舞台に立っているのが学生4人なのか、ロミオとジュリエットそのものなのかがわからなくなっていくんですよね……。 学生1と学生2がロミジュリの世界に没入していくのが、ロミオとジュリエットがキャピュレット家の舞踏会で出会うシーンかなあと。

ロミオとジュリエットが初めて出会ってお互い一目惚れするシーンなんですけど、ここでの学生1と学生2の表情が完全に恋に落ちた2人の表情しててすごかった…… 学生2演じる木戸さん、初めて恋を知った初心な女の子の顔してた(実年齢26歳なのシンジラレナイ)。あと、学生1こと拓実くんが学生2の腕をつかんで引き寄せて腰に腕を回す仕草が最高に好きで……初見は声出そうになったし、回を追うごとに慣れていってる気がしてしんどかった(最高)

その後、ロミオがジュリエットの手の甲にキスしたり、2人がはじめて実際にキスするシーンがあるんですけど、そのときの2人が「キスしちゃった…」みたいな反応するんですけど、男同士で学校の同級生という関係にある2人が、ロミオとジュリエットを演じているとはいえ、実際にキスしてしまったことへの戸惑いみたいなものを感じました。このときの反応は、ロミオとジュリエットとしての演技というよりは、学生1と学生2の素の反応なのかな〜!と。この時点では、ロミジュリの世界に入り込んではいるけど、まぎれもなくロミジュリを演じる「学生たち」なんだけど、段々と、舞台に立っているのが「学生たち」なのか「ロミオとジュリエットの登場人物」なのかわからなくなっていくんだよなあ…

どんどん距離が近づく学生1と学生2

最初のキスの後、もう1回ロミオとジュリエットがキスするシーンがロミジュリ原作にはあるんですが、本作での2回目のキスは学生4により阻止されます。というのも、1回目のキスあたりから、学生3が後ろのほうでつまらなさそ~~に学生1と学生2を見ているんですよ。それを見かねた学生4が、2人の2回目のキスを阻む、みたいな感じ。学生1と学生2に嫉妬する学生3、どうにかしようと頑張る学生4という、ただの同級生ではない4人の複雑な関係性が見えてきます。学生4に2回目のキス阻止された後、学生1と学生2が焦ってあまんあまんあます!!って唱えるんだけど、これ冒頭の授業のシーンでも唱えてて、これR&J公式ツイさんによるとラテン語「amo(愛する)」の人称変化らしい!学生たちにとって、抑圧された現実世界へ戻るための呪文みたいなものなのかな~

この後、バルコニーでロミオとジュリエットが再会するシーンがあって(かの有名な「あなたはどうしてロミオなの?」ってところ)、豊橋公演でそのシーンの拓実くんの表情を双眼鏡でガン見してたんですけど、ジュリエットの独白をロミオがこっそり聞いているときの、声をかけたいけどかけられない……っていう学生1の表情がよすぎて(泣)(泣) 結局ロミオ、ジュリエットに声かけちゃうけどね!!

バルコニーで、もう学生1と学生2はノリノリ(?)になっちゃって、ロミオとジュリエットとして、お互いに愛の言葉を言い合って、学生3と学生4が邪魔しようとしてもやめない。このあたりから、学生1と学生2の心の距離が、学生3と学生4が入り込めないぐらいに近づきすぎて、4人のバランスが崩れていく感じがした。

振り返ってみると、冒頭のシーンでマキューシオ演じる学生3がロミオ演じる学生1に(ロミジュリ原作にはない)キスをしたり、舞踏会後にマキューシオがロミオを探すシーンで「いいなぁ、お前の恋人…」的な台詞(原作にはない)を言ったり、マキューシオではない「学生3」の自我が出ちゃってるんだよなあ…

この後、なんか急に学生1と学生2がお祈りはじめて4人は眠りにつくんです。ロミジュリに没入してる学生1と学生2が強制的に現実に引き戻されたのか…?と思ったんだけど、学生3と学生4が眠る中、学生1と学生2は起き上がって2人だけで物語を進めてしまうの…… この前のシーンで、学生3が学生1と学生2を懐中電灯で照らして眠っていることを確認しているのがなんとも…… 学生3の思いもむなしく、学生1と学生2はどんどんロミオとジュリエットに没入して心を通わせあってしまう。

ロミオとジュリエットの結婚式:嫉妬に狂う学生3

ロミオとジュリエットの結婚式のシーンで事件は起きます。
ロミオとジュリエットが誓いの言葉を述べようとすると、学生3と学生4は本を奪って邪魔をしようとするんだけど、学生1と学生2はやめようとしない。とうとう耐えきれなくなった学生3は、誓いの言葉が書かれたロミジュリの本のページを破いてしまうんですが、学生1と学生2は誓いの言葉の代わりにシェイクスピアのソネット集18番を諳んじます(余談ですが、ソネット集18番を読む学生1こと北川拓実くんが美しすぎて忘れられなくて、初回観劇後本屋さんを回ってソネット集買いました)。

学生3、学生1と学生2を邪魔しようとしていたはずなのに、結果的に2人の愛を深めてしまっていてなんかもう……絶望しかないんよ。2人がソネット集18番を読んでるときの頭抱えて絶望している学生3が好きすぎて。マジで青木くんを学生3にキャスティングした人、めちゃくちゃ出世してほしい。天才なので。

結婚式のシーンのラストでチャイムが鳴って、4人は現実世界に戻って授業を受けようとするんだけど、学生1がやめちゃってベストとか脱ぎだして、他の3人も脱いで教科書とかも棺?箱?みたいなやつに投げ入れだして、4人は嵐の中外に飛び出して叫びだす。このシーン結局よくわかんないんですが、チャイム=4人を現実に引き戻すきっかけみたいなものだったけど、ついに現実に戻れなくなってしまった…みたいなことなのかな。

ロミオ追放→ロミオとジュリエットの別れ

ロミオはティボルトを殺めてしまい追放となり、ジュリエットはパリスとの結婚を親から薦められるも拒否。ここで、学生1と3と4が3人でキャピュレットを演じて、学生2を罵倒し、学生2の腕を布で拘束して、ズボンを脱がせて、箒でたたいたり、急にイジメ????みたいなことになります。

このシーン個人的に1番よくわかんなくて…… 嫉妬に狂った学生3の行動がエスカレートして、4人をどうにかしようとしていたけどうまくいかなくて学生4もそれに同調…とかならわかりやすいけど、学生2と心を通わせていたはずの学生1も加わっているのがよくわからない、難しい……

学生3が椅子で学生2を殴りかけたところで学生1が手に持ってた何か(忘れた)を落として、3人は我に返って学生2に寄り添う。このシーンで、4人がロミオとジュリエットの世界と現実世界との区別がつかなくなっていたんだなってことがわかりました。

この後、ロミオがジュリエットに会いに行くシーンなんですけど、ここはもう北川担全員大好きなの間違いない。膝枕で頭なでなで、おでこコツン、バックハグ、キス×3、「大好きだよ」(イケボ)が一気に見れます(死)。ハッピーセットすぎる。最後のキスのとき、木戸さんが拓実くんより背が高いので、拓実くんがちょっと背伸びしてちゅーしてるのが良すぎました。あと、全体的に難解な台詞が多い中、「大好きだよ」っていう台詞は等身大の男の子な感じがあってとてもよかったなあ…(急に偏差値3の感想)。
このシーン、ろうそくで照らされる演出だったんだけど、ろうそくの火が消された後、本当の煙っぽい匂いがしたのが素敵な演出だったな。

ロミオとジュリエットの死→ラスト

ロミジュリはラストでロミオとジュリエットが悲劇的な死を迎えるんだけど、最後ジュリエットがナイフで自分を刺すシーン、学生2があまりにジュリエットに憑依しすぎて、初見のとき本当に学生2死ぬんでは……?そんな鬱エンドなん……?って思った。学生2死にませんでしたよかった。

ロミオとジュリエットが死んで、ロミオとジュリエットの物語は終わり、R&Jの世界ではチャイムが鳴って、学生2,3,4はブレザーを着て現実の学生生活に戻るんだけど、学生1だけは戻ることができなくて、3人に「夜の世界の幕開けだ」って語りかける。学生3と学生4は気まずそうに無視するんだけど、学生2は「今宵の出来事は一夜限りの幻」的なこと(うろ覚え)を学生1に返す。ここも難しいんですが…… ロミジュリを読んだことで学生1への思いに気づいてしまった学生2が「この夜起こったことは夢みたいなもんだよ」って無理やりにでも思うことで自分を保とうとしているのかな~とか思ったり。厳格なカソリックの全寮制の学校で、ましてや同性愛だから、「夢ってことにしといたほうが幸せだよ」って学生1を諭しつつ、自分にもそう言い聞かせてるのかな~…

最後、学生1がロミオとジュリエットの本を握りしめて、「ゆうべ夢を見た。夢を見た。夢を見た。」って言って終わるんですが、学生1もこの夜の出来事は夢だと思おうとしてるってことなんですかね。

ちょっと思ったのが、ロミオとジュリエットって敵対する家同士で恋に落ちてはいけない2人が禁忌を破って2人でいることを選んだ結果、あのような悲劇が起こってしまったわけじゃないですか。ロミオとジュリエットも、学生4人も、抑圧された環境にいるってことが共通しているなと思って。ロミオとジュリエットみたいに抑圧された環境に反発して愛を貫いても悲劇的な結末になるだけだと思った学生2が、前と変わらずカソリックの全寮制学校という抑圧された環境にとどまることを選んだのかな?とか。学生1が他3人に囲まれて「数ある悲恋の中でもロミオとジュリエットの物語ほど痛ましいものはない。」って言うシーンが最後の方にあるんだけど、大千穐楽でその台詞を言う拓実くんが本当に切なくて泣きそうな表情をしていて…なんとなくこんな考え方もあるのかなー?と思いました。

全体的な感想

雑誌や島動画であおきたが苦戦している様子は伝わってきたので、難しい舞台なんだろうな…って思ってたんですが、難解な言い回しの多いロミジュリを4人だけでやるということで台詞量がはんぱなくて…… 初見の感想は「みんな、どうやってこの台詞覚えてるん…?」でした。ほんとに凄すぎた。

私は計5回見に行って、初観劇が2日目の6/3で最後が大千穐楽だったんですけど、見るたびにクオリティが上がってた!表情もめちゃくちゃ素晴らしかったし、わちゃわちゃシーンでのアドリブとかも増えていた気がして何度見ても面白かった!6月ほぼ毎週関西から遠征してしんどかったけど、初観劇の後、「これは3回じゃ足りない」と思って6/17の昼夜のチケット押さえた自分英断だった……

大千穐楽のラストシーンの拓実くんの「夢を見た」って台詞が、今までの公演と全然違っていて、泣きそうになりながら絞り出している感じで鳥肌でした。ラストの台詞を言う前の拓実くんの表情を見て、会場の空気も張りつめていた気がする。拓実くん泣いちゃうんじゃ……?って思ったけど、会場明るくなったらそこにはにこにこお辞儀する拓実くんがいて、切り替えエグ……となった。恐ろしい子すぎる……

あとは衣装とか小道具とか演出も素敵だったな~!個人的に4人が右手薬指に指輪してるのが性癖に刺さりました…… 

拓実くんが好きなので感想偏りまくってるけど、他のお三方もめちゃくちゃ素敵で!!!
木戸さんはまず顔がかわいすぎるし、ジュリエットを演じてるときの表情とか仕草が可憐な少女そのもので…!Twitterで北川担みんな木戸さんにハマってる気がする(笑) 早くFirst Love初恋見ます!!!
青木くんは嫉妬に狂う役が似合いすぎる。マキューシオ、ロレンス修道士、キャピュレット夫人という全くキャラクターの違う3人を演じ分けるのほんとに難しかったと思うんだけど、声色とか発声の仕方を変えてて全然混乱しなかったし本当にすごかった!!あと赤髪かわいい♡
中田さんはスタイルが良くてかっこよすぎるのと、声がめちゃくちゃ通ってた!あと学生4の乳母が好きすぎる。わりと鬱ストーリーだけど乳母のおかげで重たくなりすぎずに楽しめたといっても過言ではないです。

拓実くん、木戸さん、青木くん、中田さん 本当にお疲れ様でした!

お恥ずかしながら、この舞台を見に行くことになるまで、ロミジュリのストーリーさえちゃんと知らなかったんですが、初回の観劇までに翻訳版を読み、観劇後も読み返したり、パンフレットを読み込んだり、シェイクスピアのソネット集を買ってみたり、ロミジュリやシェイクスピアの世界にどっぷり浸かった6月でした!自分の知らなかった世界を知ることができてうれしかったな。

本当に、北川拓実くんを好きになって、こんなに素敵な舞台を見ることができてよかったです!今年の6月は、忘れられない6月になると思います。


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