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野良犬はどこにいる

ナギさん役作りで大いに悩んでると思うので援護。

野良犬というタイトルは初演の嵯峨ふみかの風貌が野良犬ぽかったからつけたので内容と直接の関係はないです。

役よりも役者が野良犬ぽいことを言ってるわけですが、ナギさんは野良犬ぽい役者というわけでもないので、演じるか没頭するかで自分を(役を、ではなく)寄せてく感じですかね。

黒澤の野良犬は、野良犬みたいなチンピラにピストル奪われた刑事(三船)が追いかけ追いつめて行くうちに自分も野良犬みたいな気がしてきて、最後ふたりぬかるみでくんずほぐれつの乱闘をする、という文学的に正しい構成になってる。

本作の場合、詰まるところ「高良恋(というか実在の少女A)はなんで大根盗んで轢かせたのか」に答えが出るかどうかというハナシなので、とにかく大根と暮らしてほしい。一緒に学校行って一緒に風呂入って一緒に寝てほしいw 自分が大根なのか大根が自分なのかという感覚は可能なはずで、自分が轢かれる大根ならこのハナシはどう見えるのかみたいなことを分厚く経験してそのまま身体化してみてほしい。

大根から見える世界。美術も政治も。細やかさも。

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