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2024/03/24『へんてこな呪文で泣いてしまった話』

さみしい気持ちで「ちびまる子ちゃん」を見るのは何度目だろう。
ドラえもんだってサザエさんだってルパン三世だって作者が亡くなったり声優さんが変わったりした瞬間を知っているのに、こんなにさみしい気持ちにはならなかった。

「ちびまる子ちゃん」を初めて知ったのはりぼんで連載が始まったときだ。
当時、私は中学生。
私がなかよしを買い、友達がりぼんを買い、毎月交換して読んでいた。りぼんは「お父さんは心配症」という少女マンガ史に残るギャグ漫画の名作が連載中で、それに対してなかよしは「わんころべえ」以外はキラキラしたラブストーリーが中心だった記憶。そんな時りぼんで始まった「ちびまる子ちゃん」。少し世代は上の設定ではあるけれど、昭和の地続き感で十分物語の時代もリアリティをもって読める。ほんの少し前までまる子の年齢だったくせに「子どもの時はそうだったよねぇ」なんてしみじみ思ったりして。仲の良かった小柄な友達が「私、本当にちびまる子だから」と笑っていたのを思い出す。
その友達も昨年天国へ旅立ってしまった。

高校生になりアニメが始まり、「おどるポンポコリン」が大ヒットする。その頃だと思うが、NHKの「YOU」にさくらももこさんが出演された時のことをよく覚えている。大江千里さんが司会をされていて、その前にさくらももこさんが座ってインタビューを受けるのだが放送中ずっと背後から、あるいは首から下のショットばかりで一切顔を映さなかった。それまでは、漫画家の先生や作家の方もテレビに出る人が多くて人気者は顔を出したいものだろうと思っていたのでとても印象に残っている。出回っている画像でさくらももこさんのお顔は知っているけど、それ以降もご本人は積極的に顔を出すことはなかったので、エッセイに書き添えられたイラストが私の中のさくらももこさんだ。実際のももこさんは健康に気を使ってとてもスリムだったと聞く。wikiによると身長159センチらしいので、チビでもなければ丸くもない。

だがエッセイを読む限り、まる子の面影を随所に残したまま大人になっているのはわかる。読むたびに、あぁ、まる子だ!と思うエピソードだらけだ。
あの小さなまる子が大人になって奮闘する、あーあ、まる子またヤッてるよ…とニヤニヤ笑いながらエッセイを読む。新しいエッセイが読めなくなってもう5年以上経つ。

まる子の分身とも言える人が天国に旅立った。
でもまる子の日常は続いて、今もふざけてお母さんに怒られていると信じたい。
その願い、叶うかな。
アララ カタブラツルリンコ


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