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2024/06/09「そっとしておいてくれないか」

月に一度、自分の立ち居振る舞いの正解について悩みながら過ごす2時間。
美容院での時間はコミュ障の自分を一番感じる場所だ。

いつも担当してくれる美容師Mさん。
Mさんはとても社交的に私に接してくれる。

М「GW終わっちゃいましたね〜。どこか行ったの?ご実家?」
私「特に遠出はしてなくてこの辺りをウロウロと。帰省もしてないんです」

どこに行ったか、誰と会ったか、何をしたか、
話はいくらでも広げられる。
でも、平日に少ない社交性を使い果たした土日の私はおしゃべりが億劫なのだ。
でも人と接する以上相手に不愉快な思いをさせる訳にはいかない。
たぶんMさんは楽しく施術を受けてもらおうと話しかけてくれているのだ。
特に共通の話題も無いのにお天気だったり季節のことだったり話題を探して話しかけてくれる。
私も楽しく返してМさんに「今日は楽しく仕事が出来たわ」と思ってもらいたい。
Мさんにとっていいお客さんであること、少なくとも変に気を使わなくてもいいめんどくさくないお客さんでいることは私にとって義務のようなものだ。

ひとつ置いた席では美容師さんとお客さんの会話が途切れることなく盛り上がっている。
旦那さまと沖縄旅行をしたこと、大谷ファンで来年はメジャーリーグを見に行くこと、沖縄旅行で行った美味しいレストランやホテルのサービス、子どもがいないから犬を飼ったこと、旦那さまが在宅勤務メインだということ…聞き耳を立てているわけじゃないのに見ず知らずのたまたま居合わせたお客さんのプライベート情報がどんどん耳に入ってくる。
ここまでプライベートなことを話さなければいけないものなのか?聞かれて困ることじゃないけど、いや、でも…

月に一度会うMさんのことが私は好きだ。
それが仕事だといえばそれまでだけど、いろいろ気にかけて施術をしてくれる。
ただ、ただ、そっとしておいてほしいのだ

そう、このそっとしておいてほしい、私がいちばん人に対して思うことなのだ。
一人だから、話す相手がいないから、可哀想だと思って近づいてきてくれる優しい人たち。
私は大丈夫だから、そっとしておいて。



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