岡村隆史氏の発言を餌に利益を得ようとする偽善者を許すな

「ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン」の岡村隆史氏の発言が炎上している。

発言の内容についてここで触れることはしないが、貧困に苦しむ方への配慮のに発言と捉えられる可能性のある発言を行った岡村氏に問題がないとは言わない。
ただ、この問題を餌に自分の主義主張をアピールしようとする自称有識者や
あとからこの問題を聞きつけて「問題発言だー！謝罪を要求する！降板しろ！」と炎上させて個人叩きを行う一部のネット市民。

こういった人物の方が遥かに問題だと感じるのは私だけだろうか？

それぞれの立場の人物の問題点を述べる。

１．藤田孝典氏

Yahooニュースにこの件を投稿し問題を拡散した張本人である藤田氏の問題点を述べる。

まず彼が挙げた記事「岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」異常な発言で撤回すべきではないか」について、タイトルからしておかしい。岡村氏はこのような発言は一言も行っていない。
もちろん前述したとおり「貧困に苦しむ方への配慮のに発言」自体はそう感じる方もいることから事実ではある。ただ、楽しみにしているなんてことは一言も言っていないのだ。

これを指摘すると「文脈を理解していない。国語の授業を受けたら」との批判が来る。的外れもいいことだ。

ラジオをよく聞けばわかるかと思うが、この一連の発言はリスナーからのネタはがきに対する返答であり彼なりの笑いを含めたエールをとして語られている。
岡村氏自身が待ち望んでいる・楽しみにしているとの類いの発言は一切行っていない。それをあたかも岡村氏自身が発言したかのように歪曲して理解している人間が多いのは、前後の文脈やトークの流れ・感情やニュアンスを無視した全文書き起こしなる活字や、恣意的に切り取られた言葉だけを切り取った記事をうのみにしてる人が大半だからだ。

藤田氏は記事の後半では本件を恣意的に拡大し社会問題とつなげることで、自身の主義主張をアピールするのに利用している。例えば「児童福祉関連の制度やシステムを改善、拡充して手厚くする方向性ではなく、性産業に従事するような構造が作り上げられてしまっている」など社会構造の問題点が太字で記載されている。この件と岡村氏の発言がどう関連するのだろうか？
彼なりのエールとして話された言葉を歪曲し拡大解釈し自説のアピールに使う手法は断じて下劣である。

以上、藤田氏の問題点はこの「別媒体で発信されたものを文章化したことによる情報の欠落と解釈の齟齬」を全く意識しせず（むしろそれを利用して）、情報の拡散と自身の主義主張を紐づけて行っている点である。

２．勝部元気氏

勝部氏はこの件を「女性蔑視、性的搾取、職業差別」といった女性の権利に関しての自身の主義主張を紐づけて批判している。

だか、そもそも勝部氏は岡村氏がどのような人物なのかをまるで理解していない。恣意的にゆがめられた切り抜きを読んで「女性への差別主義者」と認定して批判を繰り返している。

勝部氏に指摘しよう。岡村氏はあなたよりはるかに風俗業従事者と接している。そして風俗業従事者に敬意を表している。

それはこの件をラジオでリアルタイムで聞いていたリスナーのTweetからも読み取れる。普段聞いているリスナーはこの発言を「性搾取、女性蔑視、女性差別」などと誰も思っていない。なぜなら岡村氏はこれまで、風俗業従事者への敬意を公言し風俗業従事者への尊大な態度をとった芸能人に対して激怒したエピソードを知っているからだ。また実際に岡村氏にサービスを行った従事者のエピソードからも読み取れる。このバックボーンを理解しているからこそ「女性に対する暴言」と認識しているリスナーがいないのだ。

にも関わらず、勝部氏のような後から読んだ方はそのバックボーンや背景を知らず、自身の見える範囲の事象を深読みし拡大解釈し批判の言葉を浴びせている。

こんな異常な行為が許されるのだろうか？

自身の主義主張は大事であろう。藤田氏・勝部氏ともに自身の主義主張を発信し問題の解決のために日々努力しているのは推察できる。
ただ、その実現のために"個人"を犠牲・踏み台にするような行為は許されるべきでない。正義の名の下であればすべての行動が正当化されるわけでないのだ。

また、両名ともにこれらを指摘する多くの反論の声に一切の耳を貸さず、
自身の賛同意見に対してのみ共感の声を上げている。これが問題を拡散した人物としてのあり方なのだろうか？
これは両名が普段から批判している社会構造や権力者と全く同じやり方である。

自分が間違っている部分は素直に認めるべきだ。そして、これら行動によって岡村氏という個人が虐げられている事実から目をそらしてはいけない。
社会とはあくまで"個”の集合体であり、どちらか主でどちが従であるかは自明の理であろう。

またこれに便乗して多くの政治家や評論家が自身のアピールにこの件を利用している。岡村氏はあなたのアピールのための材料でもなければ糧でもない。ラジオも聞かずに回ってきた情報で「叩ける話題がきた。乗っかってアピールしよう」というあさましい深層心理のもとに、この問題を取り上げている人物は猛省すべきである。

３．その他のネット市民

今、この問題を炎上させている大多数の人間はラジオをリアルタイムで聞いていない。前後の文脈やトークの流れ・感情やニュアンスを無視した全文書き起こしなる活字や、恣意的に切り取られた言葉だけを切り取った記事を読み、正義を自称して行動を開始している。

そう、直接被害にあっていないにもかかわらず「問題発言だー！謝罪を要求する！降板しろ！」と、自ら当たりにいっているのだ。
そして大多数の人間は元のラジオすら確認するつもりもなければ、その背景すら理解するつもりがない。自分たちの叩く材料として都合がいい部分だけを鵜呑みにして個人叩きを正当化させているのだ。

この現象は本当に恐ろしい。
限りなく「存在しない被害者を作り出しそれを盾に存在する個人を攻撃する」行為に近いのである。

岡村氏はあなたがたの不満の捌け口でも楽しむためのおもちゃでもない。
間違った正義感を傘に振りかざす暴力などありえないのである。

以上、この問題の異常さに少しでも多くの方が気付き、
そして自身の行いを顧みることを願うに切である。