【岡村隆史氏炎上問題】個人をスケープゴートにして得た結果に何の意味があるのか？

岡村隆史氏の発言を発端とした一連の騒動がさらに悪化の一途をたどっている。

本記事は前回のような岡村隆史氏の擁護の記事ではなく、いち個人をスケープゴートにして自説を展開する行動に対し警鐘を鳴らすための記事である。

１．岡村隆史氏のNHK降板を求める署名運動について

4月29日に突如始まったこの運動。現在でも評論家や政治家・活動家の一部を中心に賛同と拡散の動きが行われている。とうとう岡村氏への攻撃は口撃を超え、その職を奪おうという動きにまで達した。

これまでの岡村氏個人への誹謗中傷も許さるものではなかったと思うが、
個人の職をも奪おうとするこの署名はその域を遥かに超えている。

はっきりと明言する。

これに署名を行った人間でラジオをリアルタイムで聞いていた人間は0.1%にも満たない。またあとから聞いた人間も5%にも満たない。ようは事実関係の確認もなく個人の職を奪おうという人間が95%もいるのだ。

もちろんこれは正式にアンケートを取ったわけでもなく推察に過ぎない。
あくまで推察であり実際は50％かもしれない。ただラジオも聞かずにこの署名を行った人は肝に銘じてほしい。自身の行動には責任が生じることを。
他者からもたらされた情報の事実確認も行わず、個人の仕事まで奪おうとする行為の愚かさを。そして「署名するのも自由でしょ」と自身を正当化する人に言いたい。自由の名のもとに振るわれる暴力などありえないのだと。

２．石川優実氏・くぼゆうすけ氏のラジオの発言について

29日の深夜。両名によるネットラジオが配信された。
「#8【緊急放送】ナイナイ岡村隆史さん謝罪と降板署名について」

前提として私自身フェミニストと呼ばれる方々への偏見は一切ない。
また両名が岡村氏に対しての憎悪や嫌悪がもとからあったとも全く思っていない。今まで両名が女性の権利や差別問題を是正すべく活動してきたことも推察する。それ自体は高尚なことであり何ら否定されるものではないと思う。
ただ、今回の岡村氏の発言はそれらと切り離しては考えられないのか？
もちろんこれまでの歴史や社会構造が岡村氏の発言に繋がっているという両名の考えも、自身は納得できかねるが一意見として理解はできる。

ただ、くぼ氏が普段リスナーだったというなら、この発言が岡村氏が「女性差別・性搾取・職業差別」を根底としたものでないことが、理解できるはずなのだ。

これに対して、「違いますよ。本人に悪意がなくてもあの発言は歴史や社会構造があるからこその発言なのですよ」と反論されるのかもしれないが、だとすればそれは、岡村氏自身に悪意がない以上、叩くべきは岡村氏個人ではなく社会そのものではないのか？
もちろん悪意のない差別・ハラスメントは許されるべきだなどとは思っていない。ただ今回の岡村氏への個人攻撃を行っている人間や、両名を含むNHK降板署名運動への参加者の行動は、悪意のない人間に対する仕打ちの限度をはるかに超えている。

ラジオの中で石川氏はは「これまでもこういう上辺だけの謝罪が繰り返されてきた。だから怒っている」と「なんにも教訓、反省が生きていない」に類する発言をされてた。これは岡村氏にぶつけることなのか？
岡村氏がこれまで女性蔑視に類する発言を繰り返し・上辺だけの謝罪を繰り返してきたのか？
両名はこの問題をこれまで多数の人間によって繰り返されてきた女性蔑視への怒りを岡村氏にぶつけ、そして利用しようとしているのである。

特にNHK降板署名のPRについては「本当はやりたくないけど」と枕詞をつけたとしても、やっていることは正当化できるものではない。

主義主張は大事だなことだ。ただそれは誰からも後ろ指を刺されることなく
胸を張り正々堂々と自説を持って主張されるべきだ。
岡村氏個人をスケープゴートにするようなやり方は間違っている。

このようなやり方は共感を得られないばかりかフェミニストの方々へのイメージの悪化にすら繋がることが、なぜ理解できないのだろうか？

なお、本記事の情報をそのままにに石川優実氏・くぼゆうすけ氏への抗議・批判を行うのはやめていただきたい。
配信されているラジオを聴いた上で発言してほしい。