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選んでもらった服を着たらRockになった話

私は飲食店で接客しながら料理を作っている。
ついでに自転車で通勤してる。
それなので必然的に、動きやすく汚れにくい、とか、汚れても目立たない、なんていう視点で服を選んでしまうことが多い。

ある日、白いセーターを着て出勤したのに着替えを忘れたことに気がついた。
唐揚げを揚げたり、炒め物したり、服を汚す気しかしない。

UNIQLOにダッシュしようか。
でも、あいにくその日は仕込みが多くて買いに行くタイミングは…ない。
諦めて白いセーターのまま仕事しようかなぁ。
その時ふと思いたって、一緒に働いているスタッフにお願いして買ってきてもらうことにした。

こんな時自分で買いに行くと、無難な黒のセーターとかTシャツを選びがちなんだよね。
実は前にも同じように着替えを忘れて、黒のVネックのセーターと、紺色のカーディガンを買ったばかりだ。

彼女にお金を預け、『普段私が選ばなそうな服を買ってきて』と頼んでみた。

もう6年も一緒に働いている彼女は、私の好みやワードローブの9割がたは知っている。
仕込みしながら待つ間、どんな服を選んでくるのかなーと少しワクワクした。

しばらくして、ZARAの袋を抱えて帰ってきた。
ドキドキ。買ってきてくれた買い物袋を開ける。

ちょっと透ける素材のペイズリー柄のブラウス。
肩のあたりは黒のベロアにスタッズ。
絶対に自分では選ばないテイスト。
イエモンの吉井さんとか着ていたら似合いそう!

なんだかRock!!

着替えて鏡に映った自分の姿が、見慣れなくてなんだか気恥ずかしかった。
でも、同時に自分の中に新たな風を感じて、楽しい気持ちにもなってくる。

お客様達からも『なんだか新鮮!』と嬉しい反応。
自分の立ち居振る舞いも、カッコよくなくちゃ、とスイッチが変わる不思議。
服を変えると、その雰囲気に合うような行動をしたくなるものなんだなぁ。きっと気持ちも整うんだね。
またそのうち誰かに服を選んでもらおう。

後日、母にこのブラウスを見せたら、『あら!私の方が似合うんじゃない?』
私には若干大きかったサイズも、母にぴったり。
結局取られました。
そんな母、70over…。

(タイトル写真は「みんなのフォトギャラリー」よりお借りしました)

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