謎解きのストーリーとか設定とかなんとか

 なんとなくもやもやっとしたものを書き連ねつつ。特に結論はなく脳みその中身を垂れ流しただけのものなので、なんかこれを見た人のシナプスがつながってなんか面白いことがおこればいいなあと思って書きます。順番とか考えてないので話が飛びます。ご了承ください。

そんなに長く書く気がないので前提条件をすっとばすので、
下記を御覧頂いてから読んでください。自分は飛ばし飛ばし読んだ。
https://note.mu/march36rabbit/n/n5732ad282186

 たぶん物語がーなんとかーというのは、そのつくりがとてもご都合主義というか、表面的で、そこに蠢く人間の思いとか、キャラとか、そういうものが伝わってこないというところなのかなと。つまり、そこに存在するキャラクターは既にできあがっているストーリーを構成するための「操り人形」なわけです。ストーリーのためだけにキャラクターを設定した場合、それはとても薄っぺらいものになってしまいます。なぜなら表に出るストーリーはとても短く、キャラを活かすまでの情報を落とし込めないからです。特に謎解き系ではそれは顕著です。ストーリーに割ける時間のは20分ぐらいしかないから。

 ここまで書いて思ったのは、「忘れられた実験室」は、キャラが設定されていないというか、空っぽのキャラが横に置かれていることで、プレイヤーが勝手にキャラを想像できる/つくれるというところが良かったのかなあと思います。逆に「カジノ・ロワイヤルからの脱出」はディーラーという存在はありますが、そこのキャラクターがわからない。人間として動いているのに感情がないというか、完全に決められたことをこなす「ぶきやぼうぐはそうびしないとこうかがないよ!」っていうだけのキャラクターに思えたのであれだったのかなと思いましたという思いつき。

 つくりとしてストーリーにキャラクターを合わせてしまった場合、それ以外の雑味というか、枠外が設定されていないのでキャラクターに命が宿ってないというのが根本のところなのかなとおもいます。これとまったく逆のつくりかたは「キャラが勝手に動く」状態です。この作り方はだいたいのストーリーを作ったあとにキャラの設定が行われ、「このキャラはこんなこと言わない」とか「こう思うだろうからこう行動するだろう」というシミュレーションが行われ、随時ストーリー自体が書き換えられ、変質していきます。そうすると予め設定されたストーリーに矛盾が発生するので、そこでさらにキャラクターの設定が変更されます。するとまたキャラクターの動きが変化して、ストーリーがさらに変化して・・・という作業を繰り返します。つらい。これはつらい。

 たとえば「寒獄山荘」というゲームには役者が3人〜4人いるのですが、そのうちの松永というキャラクターは、なんやかんや調整した結果「新人の写真家。取材のついでに山に来たが、遭難してしまう。山には慣れていないのでこの状況に震えているし余り準備をしてないので比較的薄着。予測不可能な状況が重なっているため些細な事でもテンパッてしまう」みたいな設定があって、そのあたりはまったく表には出てこないのですが「こいつならそういう事情でこの場にいるからこういう感じで話すだろう」「こいつは外にはでないだろう」とか、そういうところで「それっぽさ」というのを演出していたりしました。

・理由付けの話
 たとえばストーリーを構成する要素として「謎」というものが出現する時、どんな謎であってもだれかが何かの意図を持って作っているわけであって、そこには何らかの想いや意図が込められているはずです。なぜ爆弾を解除するのに謎を解かなければいけないのか?とか、なぜ爆弾が解除できるように作られているのか(解除不可能な爆弾を作ればいいじゃないか、誤って起動した時のため、って言うなら回避は合言葉で済ませればいいじゃん)とか。物事にはすべて理由があるので、そのあたりをちゃんと設定してあげると、その世界が輝き始めることは間違いないです。

 ただし思いつかないこともあると思います。そういうことで困ったときには「そういう世界だから」という理由付けでも構わないと思っています。「バトル・ロワイアル」とかはそういう設定の付け方をしています。ただ「どういう世界か」というのを設定しないと、ただのぶん投げの薄っぺらい話になってしまいます。「バトル・ロワイアル」だと、日本(帝国だっけ?)が世界的にどういう位置づけでどういう結果この法律が制定されたのか、という設定があったりするので、世界そのものの設定を作らなきゃいけなくなったりして逆に大変です。「ぼくらの」「イキガミ」「死役所」「市場クロガネは稼ぎたい」とかはそうですね。その設定が「大謎」として機能しているのが「今際の国のアリス」とか「神様の言うとおり」とかです。

 一つ設定を付けると、どんどん雪だるま式に決めなくてはいけないことが増えていきます。例えば、先ほどの「謎」の設定をつけると「『ストーリー上の謎の制作者』が知らない事実は、その謎の中に含まれない」という縛りが増えます。あとはその「制作者」の思いですね。その制作者はなぜ爆弾を解除できる謎を作ったのか?そして何を思ってつくったのか?そんな風に設定することがどんどん増えていきます。ただ、それがまたギミックとして面白い結果を生んだりしますので、設定できるなら設定してしまったほうが面白くなるんじゃないかなあと。

 特に、謎解きゲームでストーリーを提供したいという場合、「謎」じたいがストーリーを進める上で必然性のないものだという衝撃の事実がありますので、「その世界のモノ」になるようなお化粧を施し、なじませてあげるという作業があると、そのゲームはより一層輝くのではないかと。

 というわけでとりとめもないし同じことを繰り返すのでアレなのですが、個人的なところで言うとストーリーというのは人の思いや行動、思い違いが重なりあった結果にかたちづくられるものなので、主役はキャラクターだと思っています。そういったところの作りこみというのがまだまだ業界的に浅いし、意識して作れていないんだろうなあ自分も含めてという感想です。

 あと余計な事にはなるのですが、実際そういうのを感じられる感度の高い人はとてもとてもごく一部で声が大きい人たちなので、一般化を考える際にはそのバランス感覚が必要なんだろうなあと思ったりします。

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