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技術士事務所の仕事部屋(第14回)

2月28日に鹿児島ロケット5号機の打ち上げ実験が行われるので、私も現場支援に行ってきました。現場支援といっても打上げそのものの作業は大学生が中心です。私と他の多くのボランティアで構成される支援者は主に交通警備を担当しました。

今回は交通警備のお話では無く、ロケット打ち上げ前日から打上げ翌日までのお話を撮ったスナップ写真とともにお伝えします。

打上げ場所

鹿児島県肝付町辺塚海岸
大隅海峡に面している東側が開けた海岸。JAXAの内之浦ロケット発射場から10キロほど南に位置します。

打ち上げ前日の27日は低気圧の影響が出始めており海上は徐々にうねりが出始めていました。海岸は波からしぶきが飛んで、遠目にはモヤっとしている状態が見えました。

発射ランチャー。その周りがモヤっとしているのは潮のしぶきが飛んでいる

発射ランチャーの設置と調整作業


大学生が主体で設置作業を淡々とこなしているところ。風は強いものの風速5m前後。打ち上げ予定が28日ではなく29日以降に延期になると天気予報では新たに低気圧が発生して、その影響で強風と雨が強くなり打上げには全く適さない天候になるとのこと。(29日は強風と大雨、3月1日は強風の予報)

なので、どうしても28日に打ち上げてさっさと片付けて撤収したいのである。

調整作業中

準備は着々と進んで、あとは打上げ当日にロケット本体を発射ランチャーにセットするだけのところまで完了。

手作りの追跡用アンテナ

打上げ

打上げ当日の天候は晴れ。風速は5.5mと許容範囲内。打上げ当日は交通警備の為、準備作業は見るチャンスがありません。

打上げ時刻になり、カウントダウンが行われて、点火と発射。打上げ自体は成功したようです。

発射直後。オレンジの光がロケット

打上げライブ配信(Youtube )

地元テレビ局の19時のニュース


打上げ後の機体回収

打ち上げはうまくいき、雲の中へロケットは進んで行きました。目視でもライブ中継でも雲に入ったあとはロケットの軌跡を追いかけることはできませんでした。

着水予想地点へ回収船が向かいましたが、着水位置をわかりやすくするバスクリンみたいな着水剤が広がっていなかったようです。
周囲を捜索したところ、2段パラシュートのうちの一つと機体を海面に浮かせるための用の浮き輪だけが回収できたとのことでした。

回収されたパラシュートと浮き輪

回収物とともに報道各社の取材が行われた後に、支援者と大学生を含めた参加している人に、打上げ実験の結果の報告と今の時点の見解の説明がありました。打ち上げ実験は機体回収を断念せざるを得なかったので満点ではないものの、当初の目的の75%程度は実現と確認ができたのでほぼ成功との結論でした。

翌日の清掃作業

翌日の29日は早朝から大雨。風も強くカッパを着ていても足からずぶ濡れになる状況。海岸の清掃作業を朝から始めましたが、時間が過ぎるにつれて風雨が強くなってきたので10時過ぎには作業を中止。

その後、中央司令所として利用していた集会所(公民館)の機材撤収と清掃を行って一連の打ち上げ実験は終了。

調査解析

得られたデータと回収物の調査解析結果は4月ごろ報告の予定で進行中。
2024年度の活動については調査解析結果に基づいて行われるでしょう。

前方監視所の背面に報道対応時の背景壁紙、ここでインタビューを何人かが受けていました、

それでは、

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