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ヒトシ式逆噴射ライナーノーツ後編~2019:パルポカリプス・ナウ~

よく来、あっ……
(すいません噛んだのでもう1回やり直していいですか)

よく来たな!
俺はヒトシだ。毎日もの凄い数のプロットが脳裏に浮かんでいるが出力してるのは多分その1割未満しかない。それとまぁヘタレなのでこういうライナーノーツ企画も実はちょっと恥ずかしかったりする。拙筆どうかお許しいただきたい。だがそれはそれとしてCORONAは欲しい。そういうわけで参加している次第だ。
さて、前回に引き続きライナーノーツ企画です(ここからは正気)。前回は完璧にテンション高めの邦画ノリな1発や開拓系SF(自己解釈)、それに麻婆豆腐の話をしていましたね。

それでは行ってみましょうライナーノーツ後半戦!
纏うはパルプ!無限の荒野!

【4品目】

【登場人物】
日下あきら……22歳(享年)。かつて陽光装姫ソルバトーラとして世界を守った伝説のヒロイン。その後起きた《反エクセル(ヒーロー/ヴィランズを含め既存人類から逸脱した力を持つ人類の総称)運動》にもめげず人々を守っていたが……?
大月朔夜……16歳。反エクセル運動にかつて参加していた少年。ある理由から考えを改め、あきらのソルバトーラシステムを受け継ぎ自力で改造。表向き『日下あきら=ソルバトーラが生きている』ことにしながら、ある目的のため戦う道を選んだ。
柳瀬晃希……21歳。鎧鬼衆創設メンバーの一人であり、「咬鬼」として活動している。父もヴィランであったがソルバトーラに倒され、ヴィランを引退した。あきらとは高校の同級生だったが父の「司法や行政に守られない人々を救う」という夢を継ぐ為に中退した。今回投稿部分の主役。
【世界観】
・パワードスーツの着用、先天性の異常などで『人智を超えた能力』を出せる人類が「エクセル」として括られている。あきらは先天性(光エネルギーを収束/放出できる)でありながらパワードスーツを装着して戦っているが朔夜はそうした能力を持たない為スーツを加工し光エネルギー収束/放出機能を追加した。
・ヒーローかヴィランかは「司法に協力するかどうか」で分かれる。この為「司法に協力し汚職に関与するヒーロー」も「司法とは協力しないが市民に危害を及ぼす別のヴィランと戦うヴィラン」もいる。
・反エクセル運動は最終的に運動を影で支援しつつ人類とエクセルの対立を促し「エクセル至上主義」をエクセル側に浸透させんとしたヴィラン『エニグマ』をソルバトーラが倒し、警察に連行して終結したとされている。

遂に手を出した「特撮/変身ヒーロー系」です。劇中でも書いてますがちゃんと(?)フルフェイス式マスクです。朔夜くんのモチーフはかなりセイジ(ニンジャスレイヤー第3部)が入ってます。イラストとしてちゃんと書くことは決してないですがスーツデザインとしては『魔弾戦記リュウケンドー(2006年)』のリュウケンドーに近いものを想定してます(特に頭部)。ヒーローの力を継いだ2代目、という展開は一時期メタルヒーローシリーズでやったりしてましたが割と数少ないような気もしますね。ちなみに個人的イメージとしては「テレビシリーズ(全25話+番外編1話)」「劇場版(反エクセル運動事件)」からの「新章・動乱篇」「新章・救済篇」(劇場版新作前後編)というイメージです。なので『ソルバトーラの物語』としては途中からですが『朔夜の物語』としてはここからです。
折角なので「動乱篇」の予告編……っぽいやつを。

「この街の仮面も、エクセルの仮面も……私が全て引き剥がす」
反エクセル運動から2年。ソルバトーラが……帰ってきた。
「今すぐに変身を解除しろ!」
「ねぇ、あきらちゃんが今どこにいるか知ってる?」
「誰にも救えなかった人間、か……」
「助けてくれ!なぁ、あんたヒーローなんだろ!?」
「僕が、僕こそがソルバトーラだ、今だけは、違う、『今から』は……!」
不殺の日輪は赤く染まり、やがて壊れた陽光は歪な世界を焦がす。
直視せよ。世界を、その真実を。
陽光装姫ソルバトーラ・新章 動乱篇
2020年公開!
ソルバトーラ・ローゼ、陽甲<シャインアップ>!


【最後の一品】

【登場人物】
シモン・ラトック……29歳。旧姓ネルード。クレザ1の老舗雑貨店に婿入りし、傾いていた経営をそこそこ立て直した。朝はシリアル派。妻のリズには頭が上がらない。
リーチェ・コミンズ……31歳。記者。中央の新聞社からキガーヴァ騒動の取材に来た。クレザは小学校の遠足で昔来た程度。コーヒーに必要以上の砂糖を入れる癖がある。
コンラ・ウェン……84歳。「クレザの魔女」と呼ばれ親しまれる老婆。東洋の生まれであり一族に伝わる卜占等を用いて予言をしていた。ちなみに卜占に使う甲羅は海外産。
ルクバス……37歳。地元の名士たるディニーテ家の息子。働かずとも将来を約束された結果クレザの鼻つまみ者と化した。不用意に水揚げされたキガーヴァ(小)に近づき、左腕を噛みちぎられた。
タルゼ・ローガ……79歳。クレザ最年長の漁師。さすがに船の操舵は息子に任せているものの、今でも週に5日出航し、週に6日墓参しては亡き妻と語らい、週に7日は浴びるように呑む。

最後は「ちょっと予算の足りないパニック系洋画」というコンセプトで締めることにしました。最初は全文インタビュー形式で行くつもりだったのですが途中から外れていき、結果的にいい感じの構成になりました。めちゃくちゃそれっぽい洋画感が出せたのでは、と思います(自賛)。
クレザは「ヨーロッパのどこかにあるかつての避暑地」というイメージです。人口の4割以上が高齢者になっており、漁業と牧畜で何とかしている街だとお考えください(多少は観光客も来ますがそもそもかなり山深いため、来る時点でなかなかの物好きです)。
何となく書きながら「老人と海」が浮かんだりはしてましたがそれ以外のモチーフもあったりします。1.5倍の字数を貰ったら確実に入れてました。ハードボイルド海の男にしてしまうと本当に老人と海になるので、ちょっとジャパニーズ酔っ払いご老体要素を混ぜておきました。
町興しを企む町長、迷信に囚われた狂信者たち、押しかけるよそ者、人生最後の大物に挑む老漁師、さらに大きな陰謀を引っさげた政府の官僚、そして彼らの間で揺れ動く地元住民。人間の卑小な思惑を無視するかの如く、「主」は水面下から動き出す……!


というわけで今年の投稿作品とその解説が何とか書けました。800字という新たなフォーマット特有の苦しみと強みに振り回されながら、なんとかかんとか他の参加者の皆さんと張り合える5発は撃てたのではないか、と踏んでいます。5発しか撃てないからこそ「自分の中のパルプ概念」に従って書けたのもある一方で、1発くらい遊ぶ程の豪胆さが欲しかったな……というのもちょっとあります、が過ぎたものは仕方ありません。一次選考発表のその時まで、慌てたり慌てなかったりしながら過ごそうと思います。

それでは皆様、アスタ・ラ・ビスタ!

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