見出し画像

天音かなた1stアルバム収録曲『おらくる』の個人的な解釈

 かなたその1stソロアルバム『Unknown DIVA』が3月13日にリリースされましたね!
今回は、アルバム収録曲のひとつ「おらくる」が個人的にめちゃくちゃ刺さったので先日公開されたMVと歌詞の両方から私の個人的な解釈を書かせていただきます!解釈違いなどがあるかもしれませんが、その点はご了承ください…!

※見出しやスクショはアルバムXFD、MVから引用させていただきました。


曲中での登場人物、あらすじについて

登場人物

 この曲での登場人物は2人です。
・天使(MV序盤で出てくる通常衣装のかなたそ)
天界から降り立ち、ビルの屋上に座っているかなたそです。おそらくは一人前の天使となるための修行のために下界に降り立っているのでしょう。
なにやら右手にリンゴを持っているようですが、一口齧ってすぐに握りつぶしてしまいます。このリンゴの意味については後ほど解説させていただきます。

「天使」として登場するかなたそ
右手に持っているリンゴを一口齧っている。

・あなた(地面に仰向けに倒れている地雷衣装のかなたそ)
こっちのかなたそは地雷衣装なので別人で間違いないでしょう。そして、歌詞からも読み取れるように天使は自分の声が聞こえる人間と接触しているのです。ではなぜ一般人の姿ではなく「別衣装のかなたそ」として描写されているのか、これは最後に解説させていただきます。

地面に仰向けに倒れている「あなた」
周囲のリンゴの中身が飛び散っているが、なぜ同じ色の液体が地面に…?

あらすじ

 ある日、天界から立派な天使になるための修行に来ていた一人の天使がいた。暗い雰囲気の街中、自ら命を終わらせる瞬間などをその目で見たが、天使として未熟ゆえに特に何を感じるわけでもなかった。
そんな中、苦しそうにしている一人の人間(あなた)を見つけ、聞こえるわけがないのに「窶れてないですか?」となんとなく声をかけてみる。すると、どうやらこちらの姿が見えていたらしかったので、面白くなってきたので本心を吐かせてみた。その姿があまりに愛おしく、自身の寵愛の対象とすることにした。
上位存在に魅入られ、寵愛を賜ることになったあなたに待ち受ける結末とは…

各場面ごとの解説

イントロ

 開幕からノイズのような音とともに扉が開くような音が聞こえますが、これはおそらく「天界と下界を繋ぐ扉が開く音」でしょう。
そのあとは祭囃子のようなメロディが続き、どこか賑やかな雰囲気を感じさせます。初めての下界に心躍っている天使の心境を表しているのでしょうか。


 MVでは、冒頭に映る「ΓΝΩΘΙ ΣΑΥΤΟΝ」の文字とともに3人の天使が登場しています。
この「ΓΝΩΘΙ ΣΑΥΤΟΝ」とは、『デルフィの神託』で有名な「汝、自身を知れ」のことです。意味合いとしてはざっくり言うと、「自分の生活習慣とか感情のキャパとかちゃんと把握しなよ」って感じですかね。詳しい説明は割愛させていただきますので、気になる方はぜひ調べてみてください。
その後に登場する3人の天使ですが、『神や仏は見る人によって姿形が異なる』という伝承をなぞった表現であり、これはすべて同一人物とみて間違いないでしょう。また、背景にある黒い空間ですが、これこそが「」ではないでしょうか。

『汝、自身を知れ』という言葉。
アニメなどでありがちな「天の声」のような背景だが…?

1番Aメロ

 ここからは歌詞ごとに区切ってお話していきます。

人、人、人で埋まった
 シャッター街 賑わってた
 不安、不安 不安ばっか
 また追い込んじゃったんだ?

人、人、人で埋まった シャッター街 賑わってた』

 下界に降り立ち、とあるシャッター街を眺めていた天使。歌詞では「賑わっていた」と書いていますが、シャッター街という言葉から想像できるように、街並みは閑散としているはず。なので活気溢れる街というわけではなく、単純に帰宅途中の人間で溢れかえっているだけだと思います。

不安、不安 不安ばっか また追い込んじゃったんだ?』 
 
さて、そんな重苦しい空気が漂う街並みを見た天使ですが、「また、追い込んじゃったんだ?」と口にします。それもそのはずですよね。帰宅途中の人間で溢れたシャッター街なんて、とてもじゃないですが居心地のいい場所とはいえないでしょうし、そこにいる人はみんな「明日への不安」を抱えているはずです。そんな場所にいれば、自然とこんな言葉が出てきても不思議じゃないですね。


 MVではビルの屋上に座って退屈そうに下を見ている「天使」が登場します。せっかく下界に来たのはいいものの、あまり面白い光景が見れなくて退屈しているのでしょうか。
 また、冒頭でもお話ししましたが、右手にはリンゴを持っており、一齧りしたのちに握り潰し、地面へと捨ててしまいます。

一口だけ齧ったリンゴを握り潰す天使。
リンゴが落ちた先にあるものとは…?

 そして腕章の「生徒会」の文字はひらがな表記になっています。これは天使としてまだ半人前であることを示しているのでしょうか。半人前なのであれば、こんなに暇そうに人間観察をしていることも納得できますね。
上位存在である天使にとって人間の営みを理解することは大切なことでしょうから、実際に下界に降りて人間を観察するというのは欠かせないのでしょう。

退屈そうに下界を眺める天使。
天使として半人前だからなのか、腕章はひらがな表記になっています。

チカチカって
 真っ赤な電灯 血相変えた
 誰か
 ブランブラン
 運んでった
 いなくなっちゃったった
 (あ~あ)

ここの歌詞が本気でやばいです。
より細かく分けて解説します。
チカチカって 真っ赤な電灯
 これはおそらく「踏切の警告灯」を指しているのでしょう。少し後にはなりますが、実際にMVで踏切が登場してますからね。でも本当にやばいのはこの後に続く歌詞なんです。

血相変えた誰か
 これは本当に個人的な解釈になるんですが、おそらく「生きることに疲れて放心状態の人間」のことを指してるのだと思っています。そんな人間が踏切の前で何をしているのか、それは次の歌詞で明らかになります。

ブランブラン 運んでった
 これ、割とマジで「踏切の中に飛び込んだ」んだと思ってます。飛び込んで轢かれたから運ばれたように見えたんじゃないでしょうか。こんな歌詞を書いちゃうじんさん怖い。流石カゲプロの産みの親…

いなくなっちゃったった(あ~あ)』
 上記の一連の流れを見た天使の口から出てきた一言が「いなくなっちゃった」です。一人の人間の命が終わる瞬間に立ち会ったにもかかわらず、このくらいの感想しか出てこないのはやはり『天使として未熟』だからなのでしょうか。未熟だからまだ『命の価値』を理解しきれておらず、観察対象がいなくなったことに落胆してため息をついているんでしょうね。


 ここで初めてMVに「あなた」が登場します。ですが、なぜか地面に仰向けで倒れており、その背中には周囲のリンゴと同様に「中身」が飛び散っています。
…これ、「屋上から飛び降りた」んじゃないですかね?実際に歌詞の中でも踏切の中に飛び込んでるわけですし、同じような描写があっても違和感ないと思います。顔がアップで映された時も目が虚ですからね…

地面に仰向けに倒れている「あなた」
その背中には「中身」のようなモノが飛び散っており…?

 その後、映像は間奏へとつながりますが、その際にあなたの顔を覆い隠すように映像が切り替わるんです。これもさっきの描写を踏まえて考えると「遺体を布で覆い隠している」ように見えませんか…?その後に続く場面も解剖室(手術室)のような場所ですし、おかしくないと思うんですよね…

青い映像に覆われる「あなた」
ただ映像が切り替わっただけに見えるが果たして…

間奏(MVのみ)

 ここはMVのみ解説します。といっても画像1枚だけですが。
「あ~あ」とため息をつく天使を背景に『なにか』を運んでいます。
運んでいるのも同じ天使で間違いないのですが、問題は『なにか』のほうです。これだけなぜか実写なんですよね…
 これ、「さっきの場面で飛び降りたあなた」じゃないですか?
布の下にいるのが「あなた」であることを分かりやすくするためにあえて実写にしているのかなと思いました。そう、「天使の寵愛」を賜るのがあなたであることを明確にするために…ね。

笑顔で『なにか』を運ぶ天使。
なぜか運んでいるものだけが実写になっている。

1番Bメロ

カン、カランと
 缶空鳴った 赤信号が歌ってた
 ガラッガラの
 終点駅 また突っ立っちゃってんだ?

 
カン、カランと 缶空鳴った 赤信号が歌ってた
 ここは踏切の警告灯の音が「カン、カン」と聞こえることと、「缶空」をかけて、規則的に鳴り響く踏切の音が歌のように聞こえることを表しているんでしょうか。

ガラッガラの 終点駅 また突っ立っちゃってんだ?』
 
終電もなくなり、人気のない駅のホームに一人で突っ立っているあなたを見つけた天使。歌詞ではここで初めて2人目の登場人物である『あなた』が登場します。


 MVでは電灯に示された「ΓΝΩΘΙ ΣΑΥΤΟΝ(汝、自身を知れ)」の文字とともに解剖室(手術室)のような場所へと場面が映り、2人の天使が目を輝かせて覗き込むようにこちらを見ています。命を終えようとした人間が最後に何を想うのか、それを楽しみにしていたのでしょうか。
ここでも2人となっていますが同一人物でしょうね。
 なぜ解剖室へと運び込んだのかですが、「一人前の天使となるためには、死に瀕した人間を救済し、その後の人生を善い方向へと導いて、最終的に天国へといけるようにしてあげなくてはならない」からではないでしょうか。もちろん、天使と聞いて思い浮かべるイメージとは異なると思います。
あれ、天使って死後に天国に連れてってくれる存在じゃないの?」と。

ですが、キリスト教には『守護天使』という概念が存在し、その役割は
守護対象の人間に悪影響が出ない程度に干渉し、善を勧め悪を退ける」というものです。
つまり、この天使は『守護天使』なのではないでしょうか。それならば自ら命を投げたあなたを救済したことも納得できます。

上から覗き込むようにこちらを見る天使。
とても楽しみそうに目を輝かせている。

 その後映像は「あなた」へと切り替わります。
手術台に横たわる「あなた」、右の翼が完全に千切れています。
これはおそらくですが「天使によって翼を切除された」のだと思います。
 何故そのようなことをする必要があるのかについてですが、そもそも天使の翼とは「上昇」や「飛躍」といった意味合いが込められたものであり、それはつまり「生きる希望、活力」と言い換えてもおかしくないのではないでしょうか。
 つまり、「せっかく希望を抱いて生きてても飛び降りちゃうなら、そんな希望いらなくない?」って感じですね。半端な希望に縋るくらいなら一度全部切り離してまっさらな状態にしようって魂胆だと思います。それこそ、最初にお話しした「汝、自身を知れ」って言葉ともつながってくると思うんですよね。

手術台に横たわる「あなた」
右の翼は完全に千切れている。

 そして最後に、病院服(?)で突っ立っているあなたが映りますが、これはおそらくあなたの精神世界、内面を描写したものでしょう。その左手には包帯が巻かれていますが、これもリストカットして命を絶とうとしていたことを表しているんでしょうか。内面を描写していますし、相当思い詰めていたんでしょうね。また、首にも包帯が巻かれていますが、これは「首を絞めている=声が出ない=自分を押し殺している」ことを表しているんだと思います。

暗い雰囲気の空間に突っ立っている「あなた」
病院服(?)を着ており、左手と首には包帯が巻かれています。

フラフラっと
 真っ青 面相
 窶れてないですか? 
 …あれ、あれ、聞こえますか?
 それ、吐き出しちゃいますか?
 どうぞ。

フラフラっと 真っ青 面相 窶れてないですか?
 フラついているあなたを見て、気になって顔を覗き込んでみる、今にも倒れそうなほど顔色が悪いうえに窶れており、少し心配になり声をかけます。しかし、天使は人間には見えるはずがないため、この声が届くはずはありません。そう、届くはずがないんです。

…あれ、あれ、聞こえますか?それ、吐き出しちゃいますか?どうぞ。
 届くはずのない声がなぜかあなたには聞こえており、しかも自分の存在を認知しているようでした。あまりに衝撃的すぎて思わず「…あれ?」と声を漏らしますが、こんな面白いチャンスは滅多にないだろうと思い、「それ(内に秘めているネガティブな感情)吐き出しちゃいますか?」と問いかけます。もちろんあなたの返答はYESです。


 MVでは羽根が散っている様子が最初に映りますが、これはもう満足に飛べなくなってしまったことを示唆しているんだと思います。飛び降りを図るくらいですし、もう生きることに希望を見いだせなくなってしまった、疲れてしまったんでしょうか。

「あなた」が大きく映されるが、その背後では羽根が散っている。

 その後、警告灯が点滅する踏切が映され、天使の「それ、吐き出しちゃいますか?」という言葉に身を委ねて吐瀉物(内側に抱えていた感情)を吐き出すあなた。よほど思い詰めていたのか、一気に吐き出してしまいます。
 ここで初めてMVに踏切が登場しますが、これは歌詞にも出てきたように「飛び込み」を図ろうとしていたとみて間違いないと思います。先ほどもお話しましたが、この場面はあなたの内面を描写していること、左手、首には包帯が巻かれていてそれぞれリスカ、声も出せないくらい苦しいことを示唆しており、そんな精神状態であれば飛び込みを図ろうとしていても不思議ではありませんし、天使の問いかけに縋りたくなる気持ちも理解できます。

警告灯が点滅する踏切。
もうすぐ列車という名の「救済」がやってくる。
思い詰めていたあなたに優しく「どうぞ!」と声をかける天使。
全てをさらけ出した先にあるのは救済か、それとも…

セリフパート

『欠陥品と嘲笑して
 ろくでなしと見下して
 あの日貶した怪物は
 自分の方でした

 天使の問いかけに対し、心の内に隠していた感情を露わにするあなた。普段から「あいつは欠陥品だ」「あいつはろくでもない人間だ」と他者を嘲笑い、見下しながら生活していました。しかし、それらは結局自分自身の欠点、向き合いたくない一面から目を逸らすためにやっていたに過ぎず、あの日貶していた『怪物』は嘲笑っていた他者ではなく、『そんなことをしないと心を満たすことができない自分自身』でした。


 MVでは、下へ向かって螺旋状に綴られた文字と「赤い糸」を辿り、糸の先、心の奥深くで待っていたのはあなた(本心、脆弱な部分)でした。
この赤い糸はおそらくは「蜘蛛の糸」のような役割だと思います。ここまで触れてきませんでしたが、MV冒頭でも天使が赤い糸を咥えている描写、そしてMV終盤でも再び赤い糸が登場するんですよね。また、キリスト教においてもイエスが流した血の色から連想して「赤は救済、贖いの象徴」として書かれています。
つまり、この赤い糸とは天使があなたに与える「救済」の象徴であり、存在する次元が異なる両者を繋ぐ要でもあるのです。

セリフ部分を螺旋状に書き綴り、赤い糸とともに下へ降りていく。
触れたくなかった心の奥底を覗かれているのだろう。

 その後、心の奥底にいる「あなた」が映されます。その顔には笑みを浮かべていますが、同時に涙を流しています。
これは「他者を嘲笑することでしか心を満たせなかった自身の愚かさ、傲慢さ」に対する涙でもあり、「ずっと抱えていた感情を吐露できたことによる喜び」による涙でもあると思います。
みなさんもあるんじゃないですか?例えば「子供のころ、親に怒られるのが怖くて隠していたことを正直に話せた瞬間の安心感」とかですかね。あの瞬間の安心感、解放感はすごいですからね。それに近いものだと思います。

抱えていたものを吐き出せたことによる安心感から笑みを浮かべる「あなた」
ですが、その頬には涙を流しています。

1番サビ

安楽 安堵 楽
 皮を剥いて
 だんだん 希望になぁれ
 根本的な いい子になるまで
 愛したげるね


安楽 安堵 楽 皮を剥いて だんだん 希望になぁれ』
 
全てを打ち明けてくれたあなたに対して天使が抱いた感情は単純なものでした。そう『好き!!!』です。
冒頭でもお話しましたが、私はこの曲を『上位存在に魅入られ、寵愛を賜ることになったあなたの行く末を綴った曲』だと解釈しています。
そのため、天使があなたへ好意を抱き始めたサビから一気に物語は動き始めます。

 さて、「皮を剥いて だんだん 希望になぁれ」とありますが、これはMVで何度も出てきた「汝、自身を知れ」という言葉に繋がるものがあると思います。歌詞とこの言葉を結びつけると『皮を剥く=自分の内側へ近づく=自身を知る』という解釈になります。MVでも解剖室が映り、その後あなたの内面描写へと場面転換が行われていますから、「自身を正しく知ることで、まずは自分を正しく愛してもらう」ことを目的としているのではないでしょうか?これが目的ならば、解剖室で翼(半端な希望)を一度切除したことも納得できますね。

『根本的な いい子になるまで 愛したげるね』
 
あなたに自分自身を正しく理解してもらったので、ここからは天使があなたを文字通り「いい子になるまで愛する」番です。
その手段については次の場面で説明しますが、今は「ひたすらに愛情を注がれている」ということだけ覚えておいてください。


 MVでは、かわいらしいダンスを踊る天使とともに『タロットカード』が2枚登場します。
このタロットカードですが、かなり重要な意味を持っているので外部サイトからの画像引用も含めて説明させていただきます。

ダンスを踊る天使とともに登場する『タロットカード』
該当するカードは6番【恋人

 1枚目のタロットカードですが、該当カードは6番【恋人】だそうです。
絵柄は『エデンの園でアダムとイヴが見つめ合う場面』を、カードの意味合いとしては『恋愛における男女関係、および恋の始まりの高揚感』を指しているそうです。MVの場合はうぱおがアダムとイヴでしょうか。
これは『天使があなたに対して好意を抱いたことによる気持ちの高鳴り』を指しているのだと思います。曲の場面的にもこのカードが採用された意味は想像しやすいですね。

タロットカードの6番【恋人】
https://tarotfun.jp/major-arcana-all/』より引用

 続いて背景のカードが変わります。該当カードは20番【審判】です。
絵柄は『天使の祝福により、墓地に眠る人々が復活し、審判を受ける場面』を、意味合いは『あなたの行いが天使に認められ、再チャレンジの機会を与えられたこと』を指しているそうです。MVの場合は天使はかなたそ、人々はうぱおでしょうか。

背景のカードが変わる。
該当するカードは20番【審判

さて、このカードの解説を見て疑問符を浮かべる人がほとんどなはずです。
え、だれが復活するの?」と。
そう、ここまで触れてきませんでしたが、『あなたは冒頭の飛び降りで一度命を落としている』のです。詳しい解説は後ほど。
そして、『天使に拾われ、内側を「診られた」ことで審判が完了し、天使の寵愛のもと、いい子になるための再チャレンジの機会が与えられた』わけです。

タロットカードの20番【審判】
https://tarotfun.jp/major-arcana-all/』より引用

大丈夫
 貪々 欲で満たして
 ブクブクブクに 恋で肥やして
 骨の髄まで
 ちゃんと 奥まで
 たぁんと I love you

『大丈夫 貪々 欲で満たして ブクブクブクに 恋で肥やして』
 
天使の寵愛により息を吹き返したあなたですが、【審判】のカードのように公正な裁定が下されたわけではありません。ただ『あなたのことを愛してやまない未熟な天使』が命を救っただけであり、その後どういう距離感で人間と接するべきかを理解しきれていませんでした。
もちろん、チャンスを与えられた人間は皆平等であるべきなので、復活後は過剰な接触を避けなければならず、できるとしてもやんわりとしたアドバイスを提供するくらいです。これは「キリスト教における守護天使の概念」にも記述されています。
 ですがこの天使はどうでしょうか。歌詞にもあるように明らかに私情全開で接しています。そうなっては公正も何もあったもんじゃりませんが、なにせ相手は未熟な子供天使。そんな判断をできるわけがありませんでした。

骨の髄まで ちゃんと 奥まで たぁんと I love you』
 もはや守護天使としての役割を逸脱していますが、それでも自身の感情を制御できず、骨の髄まで愛情で満たそうとする天使。
もちろん、ただの人間がそれに耐えられるはずがありませんが、天使はそれを良かれと思って実行しているだけなんです。無邪気ってやつですね。
さて、骨の髄まで愛すると言っていますが、いったいどのような形で愛を表現してくるのか。それは2番の歌詞で分かります。


 MVでは各フレーズで4人の天使が登場しますが、どれも同一人物でしょう。その表情はどれも異なりますが奥からそれぞれ「ボクがいるよ?」「大丈夫だよ!」「なんでも言ってね?」「元気出して?」といったところでしょうか。

ひたすらあなたを応援してくれる天使。
その表情は様々だが、あなたを応援する気持ちに変わりはない。

 次のカットでも再び4人で登場します。こちらは「やったー!」「どんまい!」「やるじゃん!」「ナイス!」といった感じでしょう。

こちらも再び4人で登場。
とても表情豊かだが、あなたを応援する気持ちは変わらなそう。

 MVだけ見ればまだまともな接し方に見えるかもしれませんが、問題はここからです。先に画像を出しましょうか。

『骨の髄まで』愛することにした天使。
MVでは文字通り骨が透けている。

 はい、自身の体をなぞりながら『骨の髄まで ちゃんと奥まで』と言っているんです。ここまでくると明らかに過剰ですよね。ですが天使からすればこれこそが正常、これこそが『愛するということ』なんです。
そして最後に『たぁんと I love you』という歌詞で1番は締めくくられます。
 ちなみに、この時両手の中指に指輪がはめられていますが、意味合い的には「邪気払い」「協調性を高める」などの意味があるそうです。

指でハートを作り『I love you』を表現する天使。
両手の中指には指輪がはめられている。

これまでの振り返り(今はここまで)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?