見出し画像

Heart Cocktail @ とみなが2

とみなが40周年感謝の会
2024年3月5(火)から8日(金)迄勤務します。
午後6時から11時
おひとり¥4,000飲み放題

とみながというバーについて

とみながは1984年の開店以来
2015年に早川元一さんが亡くなるまで
店主の京子さんがママとして、
早川さんがバーテンダーとして
お店を切り盛りしていた。

カウンター9席のほか小さなテーブルが
2つほどの小じんまりとしたバー。

バーテンダー亡き後はママがひとりでお店を開けている。

接客を担当するママと
料飲の提供のほか
簡単な調理などを担当するチーフの存在
という店の構成を聞くと
銀座にあるバーのひとつのタイプが
容易に想起される。

ママとチーフというバーの運営形態は
昔からよくあるフォーメーションだ。

コリドー街にかつてあった
正統派バーのクールも
当初は芸妓上がりの女性がマダムとして
古川緑郎さんが寡黙なバーテンダーとして
運営されていた、というのを
昔を知る、泰明小学校近くにあった
ラパンセのマダムから
いつか聞いたことがある。

富永京子さんは
妍を競いあうという固定概念にとらわれた
銀座のママのイメージの中にあって
異色のタイプの女性である。

どちらかというと
どこか大学の先生のような
落ち着いた物腰の低い声音。
昔からおしゃれのセンスが良い方で
キャンディスバーゲン的な
パンツ姿がお似合いの
知性的なうつくしさがあるひと。


女性の教育に熱心でなかった
むかしの世相に反発するように
早稲田と慶応を受験して
両方に合格した才媛でもあり
慶応大学を卒業後編集の仕事なども経て
バーを開業されたというから
実際にちょっと異色のバーのマダムなのである。

文壇バーというカテゴリーに入るお店かと思うが、
実際編集者のお客さまが多い印象。

銀座のライオンの宴会場で35周年を開催された時には
京子さんは渋好みの品の良い着物姿。
多くの出版関係の来客の中にあって
バーとみながのファンで早川さんとも親しかった
作家の伊集院静さんが最後に登壇されてお祝いを述べられていた。

早川さんの死に寄せて
連載中の週刊誌のコラムに
ちょっと風来坊だった友人”ハヤ“について
追悼の文章を寄せていたのを
ママが嬉しげに見せてくれたのだったが、
その伊集院さんも最近泉下の客となられた。

他にやる事を知らないからと
コロナの時期もおひとりでお店を乗り切って
この春に40周年を迎える京子さんの
GINZA とみなが

いつも通り
そら豆の茹でたのとか
れんこんのきんぴらに炒った胡麻のかけたの
新じゃがをおしょうゆとみりんで炊いたのなど
このお店でふつうに
全然何の気取りもなく
でてくる突き出しが
実に
しみじみと
うまいのです。

こういう味は滅多に
外では食べられません。

料理人の作るおそうざいではなく、
ふつうの家庭の
年季の入った
朴訥な味のおいしいこと。
何かノスタルジックです。

40周年の週とは言っても
提供するのはいつも通りの内容だという事なので
ご来店のお客さまは
京子さんのいつもの
季節の突き出しをお楽しみいただけると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?