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キュンパス利用の旅

岩手県立美術館と宇都宮バー巡り
2024年3月14日木曜日

『JR東日本全線、青い森鉄道線、
いわて銀河鉄道線、三陸鉄道線、
北越急行線、えちごトキめき鉄道線(直江津~新井間)
の普通列車と特急列車等(新幹線を含む)の
普通車自由席およびBRTが1日間乗り降り自由です。
予め座席の指定を受ければ普通車指定席も2回までご利用になれます。』
という内容で¥10,000なりのお得な切符を購入して1日の旅

切符の予約を利用開始の一カ月から
旅の14日前までに予約することのほか
旅行日程を確定していなければならないとか
平日のみの利用限定など
いろいろと決まりのある切符だが

新幹線にも乗り降り自由
というのに惹かれ

旅行期日をパスの期間最終日の
3月14日に決めて
とりあえず予約を済ませ
いろいろたてこんだ
3月前半の用事が済んだあと
出発数日前にあわてて
パスの利用内容
旅行ルートなどをオンラインで
調べて学習

旅行の醍醐味は
計画の段階にその多くが含まれるが
多くの鉄道ファンや
旅行家の人たちの旅程モデルを
一日中いろいろと検討した結果
野心的なプランはやめにして
行き当たりばったりが可能な
ゆるやかな計画を選択

始発の新幹線で青森まで
というような全線踏破的計画は
そもそももうすでに指定席が取れないようなので
7時16分東京発はやぶさ
盛岡までの指定席を予約
あとは最終下車予定の宇都宮で
バー巡りのあと夫のUziにドライブがてら
迎えの出動をお願いして…と
行き当たりばったりの旅に出発

寝不足で新幹線に乗り込み
うとうとしていたら
山形あたりから
雪景色が車窓に流れていて
薄着で来たことが少し心配になる

盛岡駅には10時2分到着
外には大粒の雪が降りしきっている
改札ではキュンパスを手に
ご同輩の旅行者が
いそいそと小走りに
改札を飛び出してゆく
朝食抜きできたので
とにかく駅構内の商業施設に入り
盛岡名物冷麺の店に入るが
何か暖かいものがたべたくて
キムチ温麺を注文

東京の気密性の高いビル内は
冬でも暑いくらいだが
ここは外につながる
通路出入り口あたりが結構寒い

駅の中の商業施設を
うろうろ歩き
もう一枚下に着る
インナー類などを購入して着込み
お茶を飲んで盛岡観光など
下調べしてから
岩手県立美術館ゆきを決め
意を決して雪の中
美術館まで歩くことにする

折りたたみの傘で雪をよけつつ
歩くこと約25分余り
雪国には雪質を描写する
ことばが豊富だと聞いたことがあるが
この雪をなんと呼ぶのだろう
大粒で湿っぽく
どんどん傘に積もってゆくが
ジーンズに付着したのを振り払うと
あとが湿っぽくなってゆく

やっと到着した美術館は入館料450円
常設展のほか企画展で
アートフェスタいわて2023 岩手芸術祭受賞作品
というのをやっていて料金も割安
たいへんに見応えのある展示だった

ゆっくり鑑賞して
お土産コーナーで買い物をし
外に出たら雪はやんでいた

駅構内餃子の王将で
早めの夕食をとり
お茶を飲んだらもう外は薄暗い
仙台あたりにも寄ろうかと思っていたが
天気のせいもあって
思ったより行動が遅くなったので
18時16分発やまびこの東京行きで
とにかく宇都宮へゆこうと決める

盛岡発のため座れたが
キュンパス大繁盛で
途中の停車駅からどんどん乗客が増え
新幹線自由席は通路にも
人がたくさん立っている

宇都宮には21時9分頃着

宇都宮は餃子とカクテルの街
としてつとに有名

餃子の由来については
詳しくないが

バーのギルドでは宇都宮支部は
昔から活動がたいへんさかんで
優秀なバーテンダーを数多く輩出してきた街

パイプのけむりというバーの創設者
大塚徹さんがこの地域のバー発展の立役者だろう
多くのバーテンダーが彼のもとから独立して
宇都宮のほか東京でも活躍している

パイプのけむりの独立系バーが
いくつかある中
夢酒OGAWAを目指して
宇都宮駅から歩き出す

何か色街の名残りを感じさせる
風情のある夜の小道をゆき
バーのドアの前でメニューを見ていたら
中からすっと
小川さんがドアを開けてくださった

柔和な笑顔と温厚な物腰の
小川さんの顔を見ていると
円熟ということばが思い浮かぶ

この日何故か私を含め
店内のカウンター席のおひとりも
テーブル5人席のグループもみな女性客だった

小川さんはバーテンダーという職業の他に
切り絵作家という顔を持つ
多くのバーテンダーの肖像を切り絵にし
画集も出版されている
すごい作品数だ
来年の50周年に絵の展示もなさったら
ともちかけたら
作品はほとんどモデルのバーテンダーに
進呈しているそうで
宇都宮で俺の切り絵の
肖像画がないバーはモグリだな
といたずらっぽく笑う

せっかく宇都宮に来たのだから
もう一軒くらいは寄らないと
と、すぐお隣にある
As time goes byにもと
小川さんのご子息に案内してもらい
田島明さんを訪ねる

銀座ダルトンの系列のバー池田で
修行をされた田島さんも
ここで独立されて30年余りだという
田島さんオープン直後バーのギルドのイベントで
東京から大挙のバーテンダーと共に
このお店を訪ねたことを思い出した

マティーニというとそれは無数に
飲む方にも作る方にも
ストーリーの多いカクテルだが
私自身はさほどのマティーニ呑みでなく
常々どこか確信なく
このカクテルをつくってきたので
田島さんの思い入れをうかがったら
それを呑んでみたくなって
調整をお願いした

小川さんが田島さんのお店を指して
「あいつの店はね、暗いよ、照明が」
と笑っておられた

赤いチェックのベストで暖色系の小川さんのバーと
白黒映像のような田島さんのバーは好対照だった

マティーニのおわるころ
Uziが迎えに到着
山野井さんのバーまでは足が届かなかったが
5月12日には小川さんの肝入りで
宇都宮バーフェス開催とか

早割パス利用の旅は
充実した一日となりました

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