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ちょっと興醒めの今場所の大相撲

大相撲中継の時間にリアルタイムで見れないことが多かった今場所。
今日は17時半頃からNHK中継で見ていた。
わたしが優勝予想力士としていた御嶽海は後半足踏みして、すでに優勝圏内から
外れてしまった・・残念 !

元 稀勢の里(現 二所ノ関親方) が大関だった時は、毎場所その地位にふさわしい
白星を稼いで成績が安定していた。白鵬現役時代とかぶっていたために
優勝こそなかなかできなかったが 、下位に対しては常に壁になっていた。

今日の幕内の結び前(最後から2番目)、琴櫻 x 湘南乃海 の取組は驚いた。
立会いで大関琴櫻が変化とも取れる動きで勝ったからだ。
素人目に見たら右に動いた変化だったし、負けた湘南乃海自身も取り組み後に
「あれ(変化)を喰らう自分が悪い」というような談話をしたとNHK中継内で
紹介された。土俵上に居た湘南乃海自身が「琴櫻が立会い右へ動いて変化した」と
認識しているということ。
正面解説の芝田山親方は「(琴櫻は)湘南乃海の動きを見て対応したのでは?」と
「単なる変化ではない」みたいな、擁護とも取れる言葉を発していた。
向正面の解説の親方もアナウンサーから問われた時に咄嗟に出た言葉は
芝田山さんと同じような発言だった。
その言葉を聞いたあとでスロー映像を見ると「あぁ・・そうかも・・」と
一瞬思ってしまいそうになるが、でも琴櫻はやっぱり、相手に真っ直ぐ
当たっていく体勢では無いでしょう、変化でしょう。白星を稼ぐ目的での
「勝ちを拾いに行った相撲」でしょう、と思った。

夜に掲載されたスポーツ系のネット記事にも「琴櫻は立会い右への変化で白星」と
書かれていた。
湘南乃海は今場所は前頭十枚目、つまり平幕(ひらまく)。
大関が平幕相手に立会い変化しなくちゃならないって、相手の立会いを
大関が受け止めて相撲取れないって・・見てて全然面白く無いっ!!

花道を下がる琴櫻の顔も「やっちゃいけないことをした」みたいな顔だった。
こういう番付とか星勘定とか優勝がかかってる精神状態云々の全部含めて
「大相撲」なのだと言うことはわかっているつもりでも、やっぱり上位の力士は
下位の挑戦を受け止めてほしい。

こういうネガティブ系内容を記事にするのはちょっと気が引ける。
気が引けると言いながら、もっと今の気持ちを書くと、
「千秋楽のチケット持ってるけど、行く気持ち半分 & 行かない気持ち半分」。
千秋楽のチケットを取るためにいろんな正規の手段を講じ、毎年それに対価を
払っている。
わたしが行かなくても家族B(夫)が行くので マス席をゆったり使ってもらえば
いいだけだからチケットは無駄にはならない・・。ウチはもともと4人マスは
大人2人までで使用すると決めている(狭いから)。
国技館内で周囲を見回すと、同じように4人マスを一人か二人でゆったりと
使っている慣れた人も見かける(4人マスを2人用に販売する「特別二人マス」
ではなく正式な「4人マス」で)。
逆に3歳までの「チケット無料」の幼児を連れて大人4人の合計5人で来て
キツキツで4人マスに入って、隣のマス席が空いている間はそちらも陣取っている
人たちも見る。5人収まるには無理があるので、誰かがしょっちゅう席を立って
ウロウロしている。
いろんな国技館での観戦スタイル、その家のチケット使用方針がある。

こんな風に書いたあと、後日「千秋楽に国技館で観戦したよ〜」みたいな
恥ずかしい記事を書くかもしれないけど、今は「別に行かなくても・・」な
気分。立会い変化する大関は豊昇龍だけで十分。上の番付目指すならちゃんと
下位を受け止めてほしい。多分、横審もそう思って見てると思う。
ただ横審もわたしも力士経験無いから、土俵の上で勝ち越し目指したり2桁の
白星目指したり優勝目指したりする力士の精神状態は理解できない。
しかも力士は本場所中は十五日間連続出勤だし(幕下以下の取り組み数が少ない
力士でも、関取の付人などをしているからきっとみんな全日出勤していると
思う)。

先場所は新入幕力士の尊富士が優勝、今場所も、入幕後数場所しか経ってない
新小結の大の里が気を吐いている。
だから大関琴櫻も変化してでも勝たなきゃいけない、自分が優勝しないと!と
思ったのかもしれない。
その当事者力士の心理と、観戦する側の「良い相撲を見せてほしい」という
気持ち。そういう視点の乖離って、一般的にいろんな場面で見られることかも
しれない。時間が経ってあとになって後悔しない方向って、どっちなんだ
ろう・・。
こういう心理面での分岐点って、わりと日常の中にもあるかもしれない。