NFT作成で個人的に気をつけていること

はじめに

本記事の目的はNFTを通して初めてアートを業界に踏み込む方が少しでも地雷を踏み抜かない様になればいいなと思っております。
ただし、本記事はあくまで個人的な考えに基づいた物であり法的解釈が違う内容が含まれている可能性があります。もし内容に問題箇所がありましたらご指摘いただけますと幸いです。
なお、筆者もアート業界に関してはまだまだ素人です。あらかじめご了承ください。

NFT販売の心構え

NFT販売は自分の絵が法的に問題無いかを自分で調べて世の中に出す責任があると考えています。法的に確認しなければならない物の例として、フォント、ソフトウェアで使用したブラシ、色彩、造形、商品名、デザインパターン、思想表現、政治的・歴史的背景、著作権、肖像権、商標権、etc..etc..があり、それらを知らなかったでは済まされない世界です。
NFTは人の目に晒される回数がオフラインと比べると桁違いに多い為、法律違反がバレる可能性が高く、発行者が追えるので事件になりやすいと思っています。(※注意喚起の為過激な表現を使っています)
そして、この問題は購入者も同じです。NFTコレクターの方も自分が購入したNFTが法的に問題無いかを確認した上で二次出品する事が求められます。
出品、購入ボタンを押す際は「調べられる範囲は調べた!でももしかしたら回収せざるをえない事は覚悟しておこう!」と言う心構えでボタンを押すくらいが丁度良いと思います。

気をつける事:著作権(キャラクター)

私自身どこまで気をつければいけないのかがまだまだ分からない範囲です。言語、音楽、舞踊、パントマイムの振り付け、絵画、版画、彫刻、漫画、書、舞台装置などの美術の著作物、建築の著作物、地図、学術的な図面、図表、模型、沢山あります。

一番わかりやすいもので言えばゲームやアニメのキャラクターかと思います。それらは2次創作が認められているのかどうかを必ず確認しなくてはいけません。任天堂であれば以下のように記載されています。

Q6.ゲームのプレイ動画やスクリーンショット以外の任天堂の知的財産に基づいて創作したもの(例えば、ファンアート等)を投稿することは、このガイドラインの対象ですか。
A6.このガイドラインは、任天堂のゲーム著作物を利用した動画や静止画を、適切な動画や静止画の共有サイトへ投稿することを対象としたものです。これ以外の任天堂の知的財産の利用や創作は、各国の法令上認められる範囲内で行ってください。なお、任天堂は、お客様の著作物の利用が法令上認められる範囲のものであるかどうかについてのお問い合わせにはお答えいたしかねますので、あらかじめご了承ください。
引用元 : https://www.nintendo.co.jp/networkservice_guideline/ja/index.html

ファンアートとして投稿することはOKだけどそれ以外は法律の範囲内で行ってくださいとあるので、NFTで任天堂キャラクター(のファンアート)を売買するのは基本ダメだと思われます。

一方で2次創作がOKとされている著作物も存在します。それらはきちんと創作元が公表されているガイドラインを守れば販売OKな物もあります。(CryptoNinja, 初音ミク(要申請) etc...etc...)

ここで怖いのは自分の描いたキャラクターがたまたま著作権の存在する物に似てしまった時です。正直どこまで似てたらアウトなのかは私自身専門家ではないのでわかりません。なので個人の指標として
 ・絵を見て著作権的に引っかかりそうなものが連想できたらアウト
 ・Google画像検索であまりに似てるものが出てきたらアウト
というように判断しています。

企業のロゴとかもロゴを描いたデザイナーさんが著作権を持っている場合があります。ブランド物は特に厳しいので必ず使って問題ないのかを確認しましょう。

参考 : https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/
参考 : https://www.jpaa.or.jp/intellectual-property/copyright/
参考 : https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/enduser/attention/01.html
参考 : https://www.cric.or.jp/index.html

気をつける事:著作権(デジタルの場合)

デジタルアートを作成するときは作成に使った文字のフォント、ブラシにも著作権がある場合があります。それらの中には商用利用不可の物もあります。デジタルアートを販売する際は、そういったツールにも目を向け商用利用可能かどうかを必ず確認しましょう。商用利用可能だが別途契約が必要な物もあるので要注意です。

また、背景などのフリー素材もフリー素材=商用利用が可能ではありません。必ず商用利用可能かどうかを確認しましょう。

気をつける事:肖像権

肖像権の中にはプライバシー権とパブリシティ権が存在します。

プライバシー権
自己の容姿を無断で撮影されたり、撮影された写真を勝手に公表されたりしないよう主張できる権利である「プライバシー権」であり、人格権に則した権利です。このような人格権的利益が法的に保護されることについては、判例上も古くから認められているものであり、今日では全く異論のないところです。
パブリシティ権
テレビや雑誌等で人気アーティストやタレント、スポーツ選手等の著名人の肖像や氏名が商品等のコマーシャルに利用されているのを目にする機会が多いと思います。これは当該著名人がその活動の成果により人気や名声を獲得し、やがて憧れの対象となることで、その肖像や氏名に、顧客を商品等に引きつける力(顧客吸引力)が生まれ、経済的価値が高まるためと考えられています。このような著名人の肖像や氏名のもつ顧客吸引力から生じる経済的な利益・価値を排他的に支配する権利を「パブリシティ権」といい、財産権に則した権利です。このパブリシティ権もまた、古くから判例上認められてきた権利です。
引用 : https://www.jame.or.jp/shozoken/syouzoukentoha.html

プライバシーの方は勝手に人の顔が映った写真であったり似顔絵を使うのは許可が必要ですという物ですね(著名人の場合は一部例外があるそうですが)。NFTだとパブリシティ権の独立鑑賞対象型やキャラクター商品型に引っかかる可能性があるんじゃないかと思っています。とは言え専門家ではない為ここに関しては是非意見をお伺いし、記事を正しく修正したいと考えています。

参考:https://www.mdn.co.jp/di/contents/3150/34943/
参考:https://kanazawa.vbest.jp/columns/general_corporate/g_general/2599/

気をつける事:色彩

色の組み合わせが問題になるパターンもあります。「この色の使い方でアレを思い浮かべるな」みたいなものは実は商標登録されていたりします。たとえば 商標公開2015-029914 とかですね。

色彩特許に関してはこちらで正式にアナウンスがでています。 https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/newtype/document/new_shouhyou_video/01.pdf

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ で色彩のみからなる商標を検索すると出てきます。まだ数は少ないですが今後登録が増えていくと、無視できない物となると思います。

気をつける事:思想表現

カラーリングや形が思想を示している例で最もわかりやすいのはLGBTQのシンボル、シンボルカラーだと思います。そういった思想を表現したカラーリングであったりシンボルを用いたNFTを販売すると作者がそういった思想を持っていなくても、そういった思想を持っていると人だと捉えられてしまう場合があります。

世の中には思想を表現するものが実は沢山あるので、自分がそういった思想を持っていないのであればそのカラーリングやシンボルを用いたNFT作品を販売することは辞めた方が良いでしょう。

気をつける事:政治的・歴史的背景

国旗 反感 とかで検索すれば近いものが出てきます。
それ以外にも国際問題になった事件を象徴する物とかは触らないほうが無難です。

追記(アドバイス1)

とはいえ世の中全ての商標権や著作権を把握して創作活動をするのは物理的に不可能です。(デザインについての)著作権法違反になる実際の事例は「元のデザインがないと生まれなかったデザインであるかどうか」が法廷では争点になる場合が多いので似ているだけで違反にはならない可能性があります。(著作物に詳しい方がいれば是非ご意見ください。参考事例など)

クリエイターは自身にインプット出来た情報を元にアウトプットしているので「あれ?ちょっと似てる?」というものはどうしても生まれてきます。全く被りのない完全なオリジナルを生むと言うことは並大抵の事ではないのが現状だとおもいます。

著作権法が親告罪な時点で明らかなパクりである場合、利益を得る事を目的としたデザインの流用した場合、以外はアウトになる可能性は低いと思っています。

まとめ

・フォントやブラシは商用利用可能かを必ず調べる
・実在する人物をモチーフにする場合は必ず許可を取る(方が良い)
・自分の作品はとりあえず画像検索して類似の物がないか確認しておく
・商品名として使いたい物を検索かけてみて、商用利用できるかを確認しておく
・ファンアートを出したいなら必ず二次創作が許可されているか調べる
・思想表現のカラーリングやモチーフは調べてしっておこう
・トレパクしない!ダメ!!絶対!!!
・国際問題になった物、なってる物は基本触らない
・Createボタン(mint)は慎重に!!!

最後に

この記事は定期的にお読みいただいた方のFBを元に更新していきたいと考えております。間違っている所や、これも足した方がいいのでは?という点についてフィードバックいただけますと幸いです。

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