製薬会社が医薬品を消費者に直接販売する未来が実現するとしたら

インターネットは私たちの生活に多くの変化をもたらしました。
スマートフォンと高速インターネットの出現により、部屋で座ってくつろぎながら仕事をしたり、アマゾンや楽天で買い物の注文でき、Uber Eatsで食事を注文し、最新映画をNetflixで鑑賞するなど、ほとんどすべてのことを快適な自宅で行うことができるようになりました。

一方で、医療業界は人の健康と生命に直接影響を及ぼすため、政府の厳しい規制下に置かれており、技術開発のプロセスが常に遅れがちです。しかし、そんなヘルスケア業界にも新しい遠隔医療のプラットフォームが世界中で出現しています。かつてはかなりニッチ市場と思われていたものが、最近では主要な関心事となっています。

前回の投稿では、遠隔医療について軽く触れ、ヘルスケア業界が今後どのように変化していくかについての展望をご紹介しました。

前回の投稿:ヘルスケアとテクノロジー 未来への展望https://note.com/health1/n/nf88819d9a3b8 


その記事を投稿してから間もなく、ファイザー製薬がアメリカ最大の遠隔医療企業の1つであるローマン(Roman)でバイアグラのジェネリック医薬品のマーケティングを開始したことが発表されました。

ファイザー製薬のプレスリリースへのリンク:
https://press.pfizer.com/press-release/pfizers-greenstone-and-digital-mens-health-clinic-roman-collaborate-offer-patients-rem

この決定により、ファイザーは中間企業を介さずにRomanのオンライン通販サイトで消費者に直接ジェネリック医薬品を提供することができるようになりました。
バイアグラの特許が満了する前は、通販でバイアグラのジェネリック医薬品を購入する危険性への注意がなされていましたが、製薬会社が直接販売することを決定するとなると、そのメッセージも変わってくるようです。

この動きが世界の医薬品流通の将来にもたらす変化は一体どんなものでしょうか?

日本の法律ではすでに betterhealth.jp などの個人輸入代行サービスを利用すれば、世界中のどこからでも医薬品を個人的に輸入することが可能になっています。他の国々でも日本と似たような法律が施行されている国もありますが、国によっては医薬品を通販で注文するためにはオンラインでの医師の診察、またはフォームへの記入が必要なところもあります。
現在の状況がどんなものであっても、技術選択肢が豊富に与えられていれば、ファイザーのような大企業が動き始めることは時間の問題だといえるでしょう。


医薬品の服用方法が複雑で難しかったり、厳しい保管指示があるとか、必ずしも乱用される可能性があるとは思いませんが、すべての医薬品の購入がオンラインで提供されるのは、まだ先の話かもしれません。 
しかし、バイアグラなどのライフスタイルに深く関わる医薬品で、イギリスやニュージーランドなどいくつかの国で市販薬と見なされている薬は、オンラインでより便利に入手できる可能性がとても高いと思われます。
今後数年間の間に、製薬会社がオンライン提供のためのパートナーシップを組み、消費者に直接販売することを後押しするようになることが予想されます。

前述したように、日本の法律により、すでに個人が使用する目的で個人が服用する一定の期間の分量の医薬品を、海外からかなり便利に輸入することができますが、インターネットは、私たちが便利だと思っているものもすぐに時代遅れにしてしまい、新しいより便利なものがかなり早いスピードで現れる可能性があることをこれまでに教えてくれています。

インターネットでヘルスケアの便利さが今後もかなりの速度で追求されるようになることが予想できるでしょう。


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