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ゴドリックは本当に最弱のデミゴッドか?

エルデンリングには個性的かつ魅力的なキャラクターが多数登場するが、その中に「接ぎ木のゴドリック」というボスが存在する。

ゴドリックは最序盤のエリアであるリムグレイブのレガシーダンジョン、ストームヴィル城の最奥で登場するボスであり、印象的なビジュアルと傲岸不遜な台詞回し……そして、あんまりにもあんまりな周囲からの評価によって高い人気を得ている。

…きっと、導きは指し示すと思いますよ
あの断崖の城、ストームヴィルを
あれは、老醜のデミゴッド、接ぎ木のゴドリックの居城ですから

「白面のヴァレー」より

ストームヴィルの主、接ぎ木のゴドリックは
最初のエルデの王、ゴッドフレイの末裔にして、無き力を求めた異形の老醜
その城は、リムグレイブの地、その北西の断崖にある
…おそらくは、君がよく知っているようにな

「百智卿、ギデオン=オーフニール」より

老醜って言われ過ぎだろ。

まぁ、こんな風に散々な評価を受けているゴドリックだが、これは理由が無い罵倒というわけではない。

…けれども、あんた、気を付けることだね
デミゴッドたちは、皆が女王マリカの直接の子
ただ接ぎ木のゴドリックだけが、遠い子孫にあたり…
故に神の血は薄く、最も弱かった
のだから

「指読みのエンヤ」より

ゴドリックはデミゴッドの中で1人だけマリカの遠い子孫であり、故に最も弱かったとのことである。

そして「強さこそが王の故である」というクソ脳筋思想が支配する狭間の地において、弱さとは王としての欠陥を意味する。

力こそ、王の故よ!

「戦士、ホーラ・ルー」より

だからこそ、ゴドリックは狭間の地におけるデミゴッドのヒエラルキーで最下位に位置付けられてしまったのであり、褪せ人の皆様から見下され切っているのも仕方の無いことだと言えるだろう。


しかし。

だがしかし、である。

……本当に、そうなのか?

本当に、ゴドリックはデミゴッド最弱だったのか?


私は、敢えてそれにNOを突き付けたい。

ゴドリックは強いんだぞ、と。

ゴドリックはデミゴッド最強!……はちょっと言い過ぎだな……
デミゴッドの中では強い方!……かな……どうだろ…………

まぁとにかく、少なくとも産まれなき者よりは強いんだぞ、と声を大にして言ってやりたいのである。


という訳で、今回はゴドリックがデミゴッド最弱だったというネットおよび狭間の地における定説について、テキスト・ゲーム内描写の見地から反論したいと思う。

一世一代、一球入魂のゴドリック伝説……

その目で、とくとご照覧あれい!


【(最弱説は)不遜であるぞ】

まず、今回の議論では「ゴドリックが大ルーンを使えていたのか」という点に焦点を当てていきたいと思う。

大ルーンといえばエルデンリングの欠片にしてデミゴッドの力の根源であり、彼らを歪み、狂わせた元凶でもある。

そして使ったことがあるプレイヤーなら分かると思うが、ゴドリックの大ルーンは「全ステータスに+5する」というかなり有用な効果を有しており、こと汎用性に限って言えば全ての大ルーンの中でもトップクラスと言っていい性能を誇っている。

私としては、そんな強力な大ルーンを持っていながら最弱呼ばわりされていることがゴドリックの格の低さをさらに押し下げているように感じるのだが、もしゴドリックが大ルーンが使用できない状態だったとしたら……どうだろうか。

ゴドリックを撃破した後に入手できる大ルーンは、神授塔で恩恵を回復させるまで以下のテキストを持つ。

破片の君主、ゴドリックの大ルーン
だが、恩恵の力は失われている

ストームヴィル城から、高き橋梁を渡り
リムグレイブの神授塔に向かうがよい

「ゴドリックの大ルーン(神授塔到達以前)」より

一見するとなんということはない文章に思えるが、神授塔の頂上に存在するのが二本指であり、それに触れなければ大ルーンの恩恵が回復しないという事を踏まえると話は違ってくる。

二本指に触れなければ大ルーンの恩恵を得られないということは、つまり大ルーンに恩恵を与えていたのは二本指ということになるからだ。

…ほら、指様も仰っている

”大いなる意志は、デミゴッドたちを、とうの昔に見捨てている”
”褪せ人よ、躊躇は要らぬ。存分にやつらを殺し、奪うがよい”

「指読みのエンヤ」より

そして、エンヤが語ったところによると大いなる意志≒二本指はデミゴッドを見捨てているのである。であれば、デミゴッドたちに対して二本指が与えた恩恵たる大ルーンの力も同じく失われていると見るのが妥当であろう。

すなわち、我々が相対したゴドリックは本来有していた能力から合計30レベル分もダウンした状態なのである。
本来の彼の力を以てすれば、デミゴッド最弱の汚名は返上必至………少なくとも、「リエーニエのエビより弱い」とは言われなくなることだろう。

想像して欲しい。
あなたのキャラが理不尽な理由で30レベル分もステータスを減少させられ、しかもその状態でやった対人でボロカスにされた挙句、「あいつマジ雑魚すぎwww」などと吹聴されたら………どうだろうか。

きっと、多かれ少なかれ「30レベルもステータス下がってる相手にイキってんじゃねぇ!!」と憤るはずだ。

もうお分かりだろう。
それと同じことを、我々はこれまでゴドリックにやっていたのだ

なんてことだ………
………赦してくれ………赦して、くれ………




【???「知り得たか?」】

さて、これまでの議論は「ゴドリックを含めて、デミゴッドたちは大ルーンの力を使用することができない」という前提で行われてきた。

だがちょっと待って欲しい。
本当に、デミゴッドは大ルーンの力を使うことが出来ないのだろうか?

破片の君主、マレニアの大ルーン
それは半ば腐敗しており、恩恵により
緋雫の聖杯瓶の回復量が少なくなる

しかし恩恵はまた、マレニアの抗う意志を宿し
ダメージを受けた直後であれば
攻撃により、ダメージの一部を回復できる


マレニアは、女王マリカとラダゴンの子である
その大ルーンは、最も神聖なはずであった

「マレニアの大ルーン」より

マレニアの大ルーンの効果は、ダメージを受けた直後に攻撃を当てることで一定量の回復を為すというものであり、簡単に言うとブラボのリゲインである。

そして、マレニアと戦ったことがあるプレイヤーなら当然知っていると思うが、マレニアの攻撃には大ルーンと同じく回復効果がある。つまり、マレニアは大ルーンの力を使えているのである。

また、マレニアを撃破した後、その大ルーンの力を使うためにはその他の大ルーンと同じく神授塔で二本指に触れなければならない
これはマレニアが大ルーンの力を有していた例外的な存在であるという可能性が限りなく低いことを意味している。
そうなると逆説的に、他のデミゴッドも大ルーンの力を扱うことが出来るということになろう。


えー、はい。
要するにそういうことです。
ゴドリックは30レベル下駄を履いてアレってことです。

ゴドリック、デミゴッド最弱!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

黄金のゴドリック、屈辱の戦
ミケラの刃に、散々と敗れ
ひれ伏し、許しを請う

「剣の碑(アギール湖北)」より




(補足:マレニアのリゲインはプレイヤーのそれとは異なり、リゲインに受付時間が存在せず、ダメージを負っていればいつでも回復することが可能である。この点を指してマレニアのリゲインが実は大ルーンによるものではない……と考えることが出来ないわけではないが、かといってそれ以外に彼女のリゲインを説明できるような描写は存在しないため、本稿では「マレニアのリゲインは大ルーンの力である」という前提の元で論を展開した。ごめんねゴドリック)


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