[ライブメモ]オールナイトトークライブ『コント村(仮)』

諸事情により屍と化していたので、インプットらしいインプットがあまり出来ず、何かを見ても外に出せる感想をひねりだすのにとてつもない気力と体力が必要で、もーほんとに無理です無理無理無理ーとなっている時期を経てやっとのことで浮上の末今に至ります。 なんとか復活してきたのはひとえに友人たちのおかげでしかない。 美味しいものもこういうときは強い味方ですけど、結局それを食べるにしても誰かと一緒の方が絶対に気持ちが上向く。 なんてことない当たり前のことなんですけど、自分が屍と化すのがちょっと久しぶりだったので、ありがたみが格別に身に染みました。 特に私はしんどいときに誰かにかまってもらって話を聞いてもらうことで楽になるタイプなので。 それを知ってる友人が、日々連絡をくれて気遣ってくれて、文字通り救ってもらった。
少しばかりのしんどさや落ち込み具合なら、自分の価値は自分で上げるしかないっしょ! とか言いながら大好きなパフェやパスタやお肉やラーメンやらを食べに行ったり美容院行ったりマッサージ行ったり映画観たりスパラクーア行ったりで踏みとどまりますけど、さらにどん詰まりでどうにもならない時ってびっくりするくらいどうにもならないから、外部の力の偉大さに心底助けられた。
こういうときに仕事が阿呆みたいに忙しいのもいいですね。 頭空っぽにして嫌でも身体を動かして無心で働けるので。 気分が落ち込む暇もなくお金を稼げる。 とてもいい。
寒いのも屍モードに入りやすかった要因だった気がする。 やっと少しずつ寒さが緩んできて、本当に嬉しい。 寒さに殺される前に今年も寒さが遠ざかってくれている。 なんとか生きながらえそうです。


・オールナイトトークライブ『コント村(仮)』(2019/02/08 ロフトプラスワン)

ゾフィー上田さんが無性に好きなのです。 なんでしょうこの好き具合。 ゾフィーが無性に好き、の派生なのですが、とにかく無性に好きなのです。 なんか、バッキバキじゃないですか、芸人さんとして。 バッキバキという表現、私はだいぶ昔にカリカ周辺からのノブシコブシ周辺あたりで聞いて覚えた記憶ですがいつのまにかすっかり浸透していて、そもそも浸透とかじゃなくて以前からある表現なのでしょうか。 私は多分、ノブシコブシ徳井さんを評する形容詞として初めて聞いていたような記憶があります。 違うかな。 バッキバキ。
以前東京03寄席で聞いた、毎日設定を10個くらいずつ出して日々ポテンシャル聡さんに見てもらって厳しく選別してもらってる、そうして選別されて残った設定をコントに作りこんでいく、という話が忘れられないです。 それだけやってるから、こんなに面白いのかと。 もう納得しかなかったです。 この日のライブの中で、KOCの前振りVTRでスタッフさんにけしかけられて一日100本でしたっけ、ネタ作ってると言ってしまった話をしてまして、さすがにそんなの無理に決まってるだろー! なんて話をしてたのですが、聞いている素人としては、毎日設定10個出してる、もなかなか非現実的な数字だと思うので、いや、どうあれ上田さんという人のコントに対する思い入れ具合、凄すぎるんじゃないのかな? と思っています。 もともとゾフィー面白い、と思っていたときに聞いて、俄然上田さん好き! となったエピソード。 お笑いに対して、コントに対して、上田さんてバッキバキだな、と。 バッキバキ、という表現が私の中で今一番合うのが上田さんです。 あと、声が好き。 あの声で絶叫されると最高に気持ちが昂ぶる。

で、最近はハナコ秋山さんも無性に好きなのです。 元々ハナコは面白いなーとずっと思っていて、2018年はハナコの年になるんだろうなーと思っていたり、KOCとってさらに面白くなってきて凄いな、と思っていたところではありつつも、世間様に比べたらだいぶ遅い気付きでお恥ずかしいのですが、秋山さん、めちゃくちゃ出来る人なんですよね。 ストレッチーズ目当てでエイトクラベルに足を運ぶようになってから、ライブにおける秋山さんの立ち振る舞いがめちゃくちゃ出来る芸人さんで、そのくせご本人はなんだかそっとその場に佇んでいたり、がっつり前のめりというわけでもなくあまりにも自然体で舞台上にいて、でも仕切るときは本当に無駄なく邪魔にもならず見事に仕切るし、かと思えば弄られるときも本当に楽しく弄られていて、さらにどんな時に何を振られてもその時の立場として絶対に返しを外さない、面白い返しができる。 誰かを助ける動きもできる。 エイトクラベルを見るまで気付かない私はだいぶ鈍いと思うのですが、エイトクラベルを見ていると、秋山さんの凄みを感じてワクワクします。 こんなに出来る人だったなんて! もっと前から気付いて見ておきたかった! と思いました。 あれだけ出来るのに、とにかくずっと自然体、何かを振られても慌てたり鼻息荒くすることなく、でも確実にしっかりと面白いものが出てくる。 物凄く肝の据わった人なのでは。 あの見た目で、あの落ち着き、あの度胸、あの反射神経、あの面白さ。 いや、好きに決まってますって。
なので、このライブの告知を見たときに、あのバッキバキな上田さんと、あの実は出来まくりの秋山さんが参加して、オールナイトでコントの話をする、だと? となって、これは観たい絶対観たい、となりました。

しかも、他の出演者が、かが屋の加賀さんと、ザ・マミィの林田さんて。 いや、布陣が、隙がなさすぎる。 関東若手コント師の、今一番アツイところが抑えられまくっている。 だって、ザ・マミィのスタートダッシュ具合は勿論ですが、とにもかくにもかが屋は今絶対に見ておかないと駄目な人たちじゃないですか。 私調べですが。
2019年の東のコントシーン、若手の中心はかが屋と空気階段だよね、とみんな思っているであろうことを私も勝手に思っているので、かが屋のことも無性に好きです。 好きなのに、なかなかネタ以外の場面、特にトークとかは聞く機会が持てないので、今回とてもありがたい機会だったのです。 林田さんは、それこそ卯月のときにゾフィーがらみで少し観られたくらいで、超初心者気分です。 この出演者の中に呼ばれているという時点で、林田さんのコントへの思い入れは推して知るべしなので、そうかここに入ってくるタイプの人だったんだ! という嬉しさがあったりして。

という諸々の条件が全て整っていたので、オールナイトだけど頑張って行っちゃおうか! てことで観てきたライブだったのですが、もー最強でした素晴らしかったです。

内容詳細は基本的にはあまり外に出すようなものでもなかったので略としますが、とにかくライブ冒頭このライブが開催されこのメンバーが召集された経緯を話す中で、上田さんをはじめとして4人が話していたことが、とにかく刺激的、とにかく情熱的、とにかく先進的で、めちゃくちゃ期待して行ったのにそんなこちらの期待をまるっと10周くらい上回ってきてくれたので、その時点でもう最高!って勢いでした。 コントで世界を変えていける、という言葉だけだとなんだかおかしな夢物語みたいだけど、コントを愛して愛して愛しすぎた人たちが集まって、彼らを支援したいという人たちも集まって、今世界に向けて発信ができるツールにも溢れている中で、皆さんが話すコントで世界を変えるということが、本当に実現するんじゃないかとわりとちゃんとした実感を持って思えたのです。 それが何より素晴らしい。 何しろ、語られる全てに未来が! ある!
こんな最高のライブを、追いかけてる芸人さんがやってくれて参加してくれてたら本当に超感激しちゃうだろうな。 勿論ライブを立ち上げなくてもここに参加しなくても、同じような志を持っている芸人さんはたくさんいると思いますし、そうした皆様の活動も目にすると嬉しくなって駆け出したくなってしまいますけど、それにしてもこのコント村(仮)は本当に赤裸々でざっくばらんで何でも話しまくっていて、イチお笑い好きの普通の客でも観ていてワクワクと感嘆が止まらない。 オールナイトで夜が明けるまでワクワクと感嘆の嵐だったのです。 こういう場を設けて、わざわざおおっぴらに語らなくてもいいことをお客さんに向けて語ってくれたことが本当にありがたいし感謝しかないです。 普通にしていたら絶対に聞けない話が、このライブの中でどれだけ聞けたか。 しかも、芸人さんご本人の言葉で。 しかも、溢れんばかりのお笑い愛、コント愛でもって。 最高です。

めちゃくちゃ色んな話が聞けて全てが濃厚で大変でしたが、個人的にルーツの話が聞けたのが熱かったです。 私が今までよく観ていた芸人さんと比べると世代が少し若いので、当たり前ですがルーツも若い。 この世代はメインで話されるルーツが笑う犬なんですね。 新鮮。 そうやって考えると、若い世代のトップランナーのルーツになりえる笑う犬で活躍していた内村さんが、今もLIFE!やスクール革命やにちようチャップリンや、若い世代が出る立場になるバラエティ番組でゴリゴリに現役で顔を勤めていることの凄味を感じてしまうな。 ルーツになるような番組の顔だった人に番組で直接会えたりコメントもらえたりする機会があるの、ありがたいだろうなあ。 上田さんだけ少し世代が上で、その分見ていた番組なども少しだけ上の世代のものだったのですが、そうなるとやはり強いごっつええ感じ。 そんな中でMr.ビーンの話がたくさん出ていたのも面白かったです。 まったく通っていなかったので!

とにかく総じて語られる内容が瑞々しくて、価値観がしっかりと今時で、嬉しいやら楽しいやら頼もしいやら、でした。 最近テレビやらなにやらでたまーに感じるベテランの方々の発言や感覚に少なからず違和感を抱いていた客としては、このライブの中で今若い世代のトップを走る芸人さんたちの語る価値観があまりにも気持ちよくて、なんて信頼にたる人たちだろう、と心の底から嬉しくなってしまったのです。 ちゃんとしているとかそういうことじゃなくて、どうかしてる!とか頭おかしい!とかの強烈な個性や哲学の下地として広がっている根っこの部分が、今の時代の感性で色付けされているというイメージ。 本当に、頼もしいし、嬉しいし、応援したい。 こういう人たちが作るコントが、今の最先端になりうるのだから、なんて希望に溢れているんだろうな!
なんでもかんでも平成最後って言うのはなんだか手抜きのような簡単すぎるような気がしちゃうのですが、このライブを見てたら自然と平成終わるなあ、時代新しくなるなあ、とぼんやり思えたし、この先が楽しみでしょうがないのです。 超大袈裟な書きっぷりですよね。 私もそう思う。 でも書いちゃう。 そのくらい興奮したから。


力尽きたのでメモひとつだけ。 ひとつだけだとなんか大仰に見えませんか。 見えないならいいんです。 書いて発散できて満足です。 それだけの場所です。 なのでまた書きたくなったら来ます。

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