[ライブメモ]サンシャイン100本コント~上半期ベスト編~

4月になりました。 1ヶ月後には令和だそうです。 先月からちょっとばかり増えた体重を落としきれずにいます。 ちょっとばかり増えた体重は何故ちょっとばかり減らすのにちょっとどころでなく労と時間がかかるのか。 毎度のことながら解せないな。
仕事において担当が変わり上司が変わり仕事の内容も微妙に変わりまして、席替えなんかもあったのですが、環境が変わることにストレスをほとんど感じない、環境の変化が楽しくてしょうがないタイプなので、今週いっぱいくらいはうきうきしてそうです。 ほんのちょっと仕事の環境が変わるだけでこんなにテンション上がってるんだから、自分の人生をこの先定期的にうきうきさせるために、定期的に引っ越しとか計画した方がいい気がしてきた。 引っ越しなんてもう最高、考えただけでワクワクしてくる。 あっ考えてたらめちゃくちゃ引っ越ししたくなってきた。 真面目に考えようかな。
普通に仕事で客先に行くにしても、初めていく客先と何度か行ってる客先だったら初めての方が楽しいです。 初めていくところなら、何が起きても何を言ってもどうにかなりますから、なんせ初めてなので。 全然駄目でもしょうがない初めてなんだから、って思える。 人間関係だけは環境変わると心配もありますけど、それもなるようにしかならないし、仕事始めてから上司相手に本当にやばいってなったのって2回くらいしかないので、なんか大丈夫だろーみたいな変な自信がある。 まあその過去の2回ではぐちゃぐちゃのボロボロになってるんですけど、あんなことそうそう何回もないよね、と思っている。
そんなことより春は美味しいものがいっぱい食べられる時期ですよ! でもあんまり美味しいもの食べに行けてない。 この間のイタリアンランチくらいか。 あれ美味しかったなー。 やっと年度末を乗り切ったので、ずっと忙しそうだった友人たちを誘って美味しいものを食べに行かねばならないです。


・サンシャイン100本コント~上半期ベスト編~(2019/03/23 ヨシモト∞ドームステージⅠ)

サンシャインが去年から今年の6月までに新ネタを100本つくるという試みをしているということは少し前の記事でも書きました。 私はサンシャインが好きなので、これがこの先実を結ぶといいなあと思っている客です。
世の中には恐ろしい才能がたくさんあって、1ヶ月かそこらでネタ出し100本やっちゃう天才もいると耳にしました。 そのときにサンシャインの名前も今彼らがやっていることも話の中にちらりと出てきました。 みんな知ってるんだなあ、と思いつつ、天才が才能に奢らず努力をして作り上げる1ヶ月100本のおそろしく面白いであろうネタ出しと、サンシャインがそれこそ色々なものを犠牲にしながら血反吐を吐く勢いでひねり出して達成させてようとしている約9ヶ月前後での100本コント、それがどんな成果となるにしろ、それぞれがそこに費やした時間は間違いなく素晴らしいものなのです。 結果はきっと賞レースとかあれこれが決めるんだから、せめて過程くらいは全部ひっくるめて客が無責任に褒めまくりたいものです。

9月からサンシャインが作り続けている100本コントの折り返し、上半期のベストネタを5本披露するライブなので、普段の100本コントのライブや他の新ネタライブに思うように足を運べてなかった分、ここで思い切り堪能するぞーという気持ちで観に行きました。 しかもMCが佐助さんで、ゲスト先輩芸人さんは犬の心押見さん。 布陣最強ですね。
5本のうち2本は私が観に行けたライブでおろしていたネタでした。 初期のほうのライブだったはず。 それも含めて5本、とても面白かった。 どうしても今は100本ネタをおろすことがメインになっているので、普段のライブに行かないとネタが叩かれている場面には出会いにくい(それも凄い話ですけど。 新ネタ作りすぎててありネタに遭遇できないって、贅沢すぎる)ために、いわゆる仕上がったネタというものにはちゃんとライブを追いかけていないとなかなか出会えないんですが、特に前述の2本はおろした時を知っているので、めちゃくちゃ面白くなってる! と感激しました。 ネタおろしではどうしたって荒く見えるネタが、台詞や展開が吟味されてやり取りのリズムが生まれて、見違えるように強いネタになっている、ということに気付けるの、客として贅沢すぎて最高なのです。 これ、他の3本もそんな感じなんだろうな。 ネタおろしを見ていれば見ているほど、きっとその感動は大きいはず。

あれだけ新ネタをおろしながら、これだけ仕上がるネタも複数あるの、ちょっと凄いなあ。 どう考えても一日24時間じゃ足りない気がします。 精神と時の部屋をサンシャインに差し入れしたい。 そんな状況をちゃんと実現するために、サンシャインの二人がどれだけ自分の時間を犠牲にしてるのか、とかをね、考えてしまうのです無粋な客で申し訳ないです。

このライブはネタを先輩コント芸人さんに見てもらってアドバイスを貰うという時間があり、今回は押見さんがその役割を担っていました。 前回押見さんが出た回には行けなかったのですが、いや、押見さん、凄すぎる。 とにかく押見さんの指摘や苦言、アドバイスや激励、全てが素晴らしすぎました。 ので、以下は押見さんをひたすら激賞するだけの記事となります。

犬の心のことは幸運にも結構前から観ることが出来ていて、今も大好きなのです。 池谷さんのプレイヤーとしての超一級品ぶりについては今回はおいといて、押見さんです。
私が作り手としての押見さんを信頼している大きな理由のひとつとして、「法と道徳と常識が損なわれずめちゃくちゃ面白いコントを見せてくれる」があります。 法に触れないこと、法には触れないけど道徳に反すること、道徳は保たれてるけど常識として考えにくいこと、を、犬の心のコントでは見ることがほぼないです。 全部を観ているわけじゃないので多分としか言いようがないけど、押見さんはそこ、めちゃくちゃ意識してるんじゃないかと思います。 犬の心のコントに法を犯している人が出てきたとしても、おそらくちゃんと逮捕されて罰せられたりすると思う。 押見さんがどこかでそういう話をしてたんだったか何かで書いてたんだったか、まったく思い出せないので、私の勝手な思い込みの可能性もおおいにあるんですが、私の中の押見さんてそういう作り手です。 私たちが生きているこの現実と確実に地続きの、常識があって道徳があって法律で守られているリアルな世界に犬の心のコントは存在していて、その上でめちゃくちゃ面白いという非日常を与えてくれます。
そういうコントが与えてくれる面白さに対する、この安心感や信頼感てなんだろう。 「悪いことはしてはいけない」「人を騙したり傷つけたりしてはいけない」と教えられて育ってきて、それを生真面目に守って生きてきたので、たとえばコントといえど悪いことをする人がいるのは観てて嫌だし、誰かを無意味に傷つける人がいるのは見ててしんどい。 犬の心のコントでは、悪いことをした人も誰かを傷つけた人も、叱られたり怒られたりするんです。 変な人はたくさん出てくるけれど、その変な人たちは本当に現実にいても変な人たちだし、その変な人たちに翻弄される人はとても常識的な人で、ああやっぱり変な人だよねこの人は、とちゃんと思える。 そういう、地に足の着いた感覚が、観ていて本当に頼もしい。 だってその上で犬の心のコントはめちゃくちゃ面白いんです。 凄いことです。 ぶっとんだことや、世界が捻じ曲がるようなことや、不謹慎なことがなくても、面白いものは作れるし、それをとてつもなく上手いコント芝居で見せてくれる。
犬の心のコントも、それを作る押見さんの感覚も、心の底から信頼してます。 この感覚、今の価値観に物凄く沿った素晴らしい感覚だと思うんですよね。 コント村(仮)とかの若いコント師の人たちの感覚ともそんなにズレがないんじゃないかなーと。

そんな押見さんの感覚は、後輩のコントを批評する上でも輝かんばかりに強く発揮されていて、本当に素晴らしかった。 我々の生きる現実と地続きのコントで笑いを生み出せる押見さんは、現実と照らし合わせて感じるコント上の違和感を、短い時間の中でちゃんと救い上げて、サンシャインの二人にどういう違和感かを提示してくれる。 スマートフォンにかかってきた電話に出るときのほんの一瞬の小さなしぐさ一つに、「電話に出るときあんなふうにする?」と言う。 観ているこちらがなんとなくぼんやりと感じているひっかかりを、しっかり言語化してくれる。 そうした全てが納得できて、理にかなっているので、もう観ていてずっと感心に次ぐ感心です。 そうしたひっかかりが何故ひっかかったのかについて、「演技が上手いから余計に気になる」と言うのです。 もう、凄い。 サンシャインのコントだからこそ違和感があるのだと、そこに言及することにちゃんと強めの理由付けがある。

押見さんの話の中に、「展開のための展開」という言葉が出てきて、これがとてつもなく刺激的でした。 コントを作っていて展開したいときに、展開が自然じゃない、こういう展開をさせたいからその展開のために展開を作ってる、必然的な展開じゃないと、みたいな話。 「分かるよ、苦しいんだよなそこ、俺もそうだから分かる、でも展開のための展開は見てて分かるから」みたいなことを。 これこそ、言われてそうそうそう! ってなるけれど、言われるまではずっともやもやしててなんかなーなんかちょっとなーとか本当に阿呆みたいな感じでしか思えてなかったところです。 コントをずっと作っているともう分からなくなってくることもある、というような話もあったかな。 でもやっぱり、それはあくまで展開のための展開だから、必然性がない、というような話になっていて、指摘された坂田さんにも心当たりがあったようで、苦しげにやっぱりそうですよね的な反応をしていた。
コントを作る、もっと言うと面白いコントを作るということが、どれほど大変なことか、この話だけでもちょっと、垣間見られた気がして、途方もない気分になってしまう。

以前、もう何年も前ですが、元カリカ今マンボウの家城さんが、自分の芝居の作り方について話をしてくれるトークライブがあって、その時に話していて未だに強烈に覚えているのが、「登場人物の行動に破綻がないことが理想」という話。
映画や芝居の作り手が、こういう話にしたいという意図ありきで登場人物をそういう風に動かすと、その人そんなこと言わない、そんなことしないでしょ、みたいにその登場人物のキャラクターに破綻が出てくると。 まず登場人物ありきで、その登場人物がどういう人でどういうキャラ付けがあって、その人物だったらこのときこう動く、というのであれば、それは破綻がない、そしてその人物だからこう動くという展開が最終的にストーリーを作り、それが面白いのが理想、という話だったと記憶しています。 ニュアンスは覚えてないので微妙に違ったらごめんなさい。 でも大枠は確かこういう話でした。 ちなみにその時、家城さんが当時観て破綻がなくて凄いと思った作品のひとつとしてあげられていたのが映画「ダークナイト」だったのでした。 ダークナイト大好き。

お芝居とコントに違いはあれど、多分押見さんが言っていたのも根本は同じことなんじゃないかな、と、ライブを見ていて思いました。 展開のための展開じゃなくて、コントとして、コントのキャラとして、破綻のない動きによる展開だから、違和感が生まれず面白くなるのだろうと。 でもそれって、コントという短い時間においてそれを実現してなおかつ面白くするのって、とてつもなく大変な作業なはずなんです。 でも、それが必要だと押見さんはサンシャインに言っていたのです。 難しいことだけど、と。

そのほかにも本当にたくさんの金言に次ぐ金言で、後輩相手にここまで言ってくれるんだ、と思ったし、なんて惜しみないんだと感激どころの話じゃなかったです。 坂田さんはコントで怒ったり泣いたりはたくさんしているけど、そこに引きも入れるといい、笑いを減らす引きじゃなくて笑いが増える引きがあればいい、とか、いや! そこまで! 言っちゃうんですか! って観てるだけの客でもなってしまうくらい、本当に凄かった。
もう、なんか、押見さん、素晴らしい先輩すぎて、客席にいるだけで胸いっぱいになっていたのですが、色々なアドバイスをした上で、最後に「俺頑張んなきゃなって思うくらい、仕上がってるなと思った」と絶賛に近い形で褒めてくれて、その上で、「俺今サボってるから、(俺の言うことに)ビビんなよ」って言うのです。 ちょっともう、泣きそうになってしまったんですよね。 コント愛芸人愛後輩愛、全部詰まりまくってて、最高なんです。 これを観てて、ありがとうございます……! ってなってしまいましたから。 おたくが己のキャパを超えて素晴らしいものに遭遇した時に発動してしまう、万物に対する感謝が出ました。 押見さん最高です、本当に最高、問答無用に最高。

ちなみに押見さんは、サンシャインのこの日の5本のネタについて、現時点で一番点数が高いのは3本目だけど、一番可能性があるのは4本目だと思う、と断言されてて、坂田さんがマジですか!ってなってた。 これ、面白いなあ。 正直客席の素人は何が可能性ありそう、まではそこまでピンときてないまま見てたので、たとえばこの4本目を押見さんのアドバイス(めちゃくちゃ具体的なアドバイスだった、凄かった)どおりに仕上げていって、それで決勝まで上がったりしたら、こんな最高なことないですよね。
それとは別に、押見さんが、自分も頑張んなきゃって言ってて、それが嬉しい。 賞レースでもいいし、単独でもいいし、普通のライブでも何でも良いんです、犬の心でワクワクしたい。 サボってるなんて言い方をしてたけど、今がどうのというより、押見さんの、犬の心のコントもライブも、山ほど観たい。 今月の大宮である新ネタライブどうにかして行けないかな。
そして勿論、サンシャインの100本コントもまだまだ折り返しなので、楽しみにしてます。 良い結果がついてきてほしいな。


できればひとつの記事に2つくらいライブメモ書きたいんですけど、それも事務所が全然違ったりまったく種類の違うライブを同じ記事にしたいんですけど、文字数多すぎてさすがに無理ですねこれ。 こないだからそんなのばっかりですね。 というわけでこのままいっちゃいます。

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