0. 献辞

レオン・ヴェルトへ

 この本を一人の大人に捧げたことを、子どもたちにはどうか許してほしい。切実な訳があって、その大人は僕の世界でいちばんの友だちなんだ。ほかにも訳があって、その大人はなんでも、子どもが読む本でも理解できる。それから、その大人はフランスに住んでいて、今もお腹を空かせ、寒い思いをしている。慰めを必要としてるんだ。もしこれだけ理由があっても足りなかったら、僕はこの本を昔のその人に捧げることにしたい。大人は誰でも、最初は子どもだった(それを覚えている人はほとんどいないけれど)。さっきの献辞はだから、こう訂正しよう。

小さな男の子だった頃の レオン・ヴェルトへ

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