口夏従腹冬迄

なんでもやってみるものだわね。ぐつぐつ人を恨むのも、たかを括って見くだすのも、へぇ、意外で感心するのも、やったー!嬉しくてつい報告しちゃうのも、元気で手が悴まないうちにやってみるといい。
このところは幸福で、幸福であると日記なんかつかないのであるが、それでは過ぎた日々がたやすく削り粉になってしまいそう、実際に忘れっぽくなっているので、うんうん思い出しましょう。

今は友だちの弾いている音を聴きながら言葉を捏ねている。さっき鶏肉を解凍して味を4つにした。鶏肉2kgを温水で軽く解凍したのち、叩き割る快感よ!生活の中にもサビはあって、鶏肉の破壊はきっとサビであろう。

こないだ雀卓を2つ作って、絵のフレームを2つ仕上げた(うち1つはプレゼント!)。それから、願って半年たって、タイルテーブルも作りました。いっぱい作ったなー。角がある全部の、その角の処理がいつもあまいから、全部丸くしたくなる。
最近は自分より大きなものをひとつ作っています。この角はあまくなく、しょっぱいほどだ。こないだまで自分より小さいものを2つ作っていました。これはからいくらいぴしっとしています。今日まで黴臭いところに飾っていました。黴が移らないように自分をしっかり律しなきゃとおもうよ。

「律する」で思い出した、神宮へ初詣に行って、天満宮に顔を出しました。団子を買ったのだけれど、冷えたら固まって餅みたいになってしまった。酒饅頭も食べました。酒饅頭は小さいころから好き。とても美味しい甘酒も飲みました。グラタンにハマっていて、週に4回くらい作って食べている。年末年始の境あたりに食べていたのもグラタンだったので、思い出深いものになりました。きざみピクルスがたまらないね。去年を漢字で表すと「立/律」でした。精神的に自立できていたし、なんとなく旋律が流れていた。速かったけど、たしかに風の音階となって聞こえていた。今もリフレインできているから、日記となりうる。なにしろ、ひとりでぼんやりしているとき「リツ」と口からついて出てくることが多かった。

夏が好きになってきて冬が苦手になってきた。二人で雨に降られようと曇天のなかを自転車で漕いだのが夏を浴びようとしていてかわいらしかったし、冷たい寒気はおでこを痛めてしまう。暖房の乾いた風はばかみたいに嫌いだけど、友だちから内緒のアイスクリームをおしえてもらって素敵になったかもしれない。

岩を気に入ってもちかえってきました。錆がすこし生えて苔みたいになっています。模様替えをしたらお店の受付みたいなものが生まれました。とっ散らかった受付。アザラシ?のぷるぷる震える様子や、磁石のお城が顔を覗かせる。「人と楽しく交流するには、ベタとエレガントだよ」とおじさんにおしえてもらいました。ベタなところをしっかり踏襲しつつ、そのうちに個人的なこだわりを袖からサッとお見せするエレガントさが肝要なんだって。たしかに格好いい!隙自語の解決策としてうってつけなので、余裕があるときは心がけています。

父と久しぶりに会い、酒を交わしました。薹が立つ、という言葉を使っていたのをよく覚えていて、自分たちのことのように思えました。おばばは相変わらず元気で疲れやすかったので、夜も早々に帰路につきながら、トウガタツって、薹が立つんだっけ、十日が経つんだっけ、なんて考えていた。

別府に行ったり銚子に行ったりして分霊箱を増やしていました。あちらは石灰岩、そちらは砂岩。犬岩はジュラ期の岩なんだって!どちらも光の美しく、空の高く渺茫たる風景でした。思い出すと風が吹いていく。問題を解くという意味で言えば、確かめ算ができたようで良かった。FAはまだまだできないと思うけど、見直しができないままよりずっといい。

夏は、とても美味しいケーキを食べた気がする。秋はとても美味しいパフェを食べました。一緒に飲んだ白ワインも美味しかったし、パフェと合わせるのも初めてで恥ずかしかった。五月雨の頃にパフェを作ったけど再挑戦したい出来だったので、建築的な考えをちゃんともとうと思った。パフェは建築だからね。

こんなところ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?