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#オートマティスム

チワ2021

チワ2021

よかった 何がよかった? その蜂蜜の影 けものの毛にまみれたジャケット 倒れた椅子 よかった 何がよかった? 海が見える長方形の窓 横に長くて細い、ちょうど広間の長机の上に立つと水平線が見える ────鳥・・・も、見える。 石の家は冷たいままを好んだ 記憶を回収する舟だ 隠れていたかったと告げて次々と誰もが ・・・あえた 誰にあえた? 空耳だった もう鳥は窓の檻から逃がしたし 白いクロスの長机は足

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むつぐぁましい22.4.4

むつぐぁましい22.4.4

ほんのり狐色の肢体に永遠を示唆されておかしくなってしまっただけ 痙攣がとまらなくなってしまっただけ 御神木の霊気でふりはらって 撃沈という名の不快な悦びが███████████ 乱射する光ひらり 優しいならば 善なる限りは ご容赦されるのか まさかみ さかまみ 震える限りのギムを果し、つまり生をやり抜くこと以外にすべきことがあるとは思えない ただたくさんありすぎる 暴力しかないというひともいる お

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いつか デジタルを漱ぐ人魚 無心の祈り デジタルを漱ぐ人魚のとなりに居た 溶けない光 デジタルを漱ぐ人魚のとなりに居ても居なくても 無心の祈り 長話をしてしまったと老鯨が言った 黒砂の浜に打ち揚げられて 人魚の首飾り ゆらゆら みたまが光を放つ げじげじは それを見て涙をこぼす いつか デジタルを漱ぐ人魚 無心の交霊 デジタルを漱ぐ人魚のとなりに居た 溶けない光、溶けない光は 輪郭 デジタルを漱ぐ

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果敢・判断・狂い・おまえ・しずけさ・・・などと考えていて 嫌、考えてはおらず 無心で 否、心ばかり 危言をこねまわしていたら、縦坑。そのナイフみたいな闇は触れた途端に音もなく、真下に、滑り落ちる、吸い込まれる、流される────無そして闇の河岸。ゆけば花も咲かぬ漆黒の鏡面に、きわめて落とし物らしい片方だけの靴、いっぱいに笑顔が詰め込まれていたから、惜しみなく投げた 話は聞かない 笑顔どもの話は聞かな

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