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俺の、Fushigi Rock Festival Vol.02!2023/11/10 秋葉原グッドマン


1.夜勤明け。不思議フェスが今年もやってきたのだ。
仕事を終え、帰宅してちょろっとギターを弾いているうちに色を帯びてゆく世界を尻目に、乱暴に眠りについた。しょうがねぇじゃん、寝ないとたぶん全然ダメなんだよ。
1300起床。妻は仕事に出かけているので、今日は三つ編み頼めないな、と気付く。

2.娘も妻も居ないガランとした我が家をドタドタと歩いて冷蔵庫を開け水をひとのみ。このあとのto doを整理する。散乱したペダルと猫マットをしっかりバッグに詰め込んで、シールドも忘れないように。あれ、ストラップは、あ、そうか使ってないから入れっぱなしだ。ピックのケース!これ大事!

3.出発。時は1500。現場では曇りヶ原のリハーサルが始まった頃だ。私の住む町から秋葉原は意外と近くて、最寄りの駅から1時間とかからない。田舎に住んでいながらこれは大きなアドバンテージ。つくばエクスプレスことTX。めっちゃありがたいっす。でも何か忘れ物をしている気がしてならない。

4.地元では降っていなかったが、アキバに着くと雨がパラついていた。観光客で賑わうヨドバシを通り過ぎ、昭和通りを抜けGoodmanに向かった。現場つくとCrescent lamentのリハーサルが始まろうとしていた。関係者とメンバーに短く挨拶をし、ケースからギターを取り出し準備。

5.Crescent lamentのメンバーは全員ワイヤレス。そうかこれが世界なのだ。と実感。彼らは自分の耳につけたモニタで自分の音を聴いているのでアンプを大きくしなくてもアンサンブルが成立するのだ。旧来のやり方しか知らない私にはなんというか、未来のバンドマンの姿そのもの見えた。

6.Evraakリハーサル。この時点でスケはかなりのビハインド。もうミーティングの時間が迫っている。でも俺達は短時間で無事にリハを終え、タイテをほぼオンタイムに戻す偉業を成し遂げたwミーティングを終えると、もうオープン時間だ。実際階段にはもうお客さまが沢山ならんでいらっしゃった。

7.知ったお客さまと短い挨拶をしつつ私は1階のイケベで弦を買いに行きました。いつも本番中に弦を切ってしまうという悪い夢を見る私にはこれは無くてはないモノなのです。ご存じですか?いま7弦用の弦って1300円くらいするんですよ。円安だよねぇ。そして私に本日最大の悲劇が訪れる。

8.弦を物色していたときに足に違和感。それは履いていたブーツに何かが起こってたようだ。店を出てブーツの裏を確認してみるとアラ、ぱっくりと割れちゃってるじゃないですか。もうめっちゃ歩きずらいし、ペダルも上手く踏めるかわかんない。俺の、孤独で地味だが、ひりついた戦いが始まった。

9.フロアは開場していて、お客さまが徐々に集まり始めていた。Evraakのステージは1番め。10分押しで主催者サイドのMCが始まった。我々は楽屋でそれを見守った。この待っている時間、昨年もそうだったけど、すっごく長く感じるんですよ。マジではやく、演らせてくれ!あ、水どこいったw

10.あ、水はリハーサルの時にステージに置いたままだった。天さんは楽屋でずっとサックスの指練習に余念がない。ミキさんも歌ピアノでそれに混ざったりしてすごく和やか。やがてMCが終わりEvraakが呼び出された。気合充分!いよいよ行きます。でも、ブーツの事だけが不安でならない。

11.ステージに上がりジャックをペダルに差す(9V派なの)。JCの電源を入れる。水を見つける。私のペダルの設定はギターのVolツマミでクリーンからドライブまでコントロール出来るようになっているので、ツマミをちょっと上げると冷たいクリーントーンが鳴った。揺らし系確認。うん、大丈夫。

12.暗くてフロアがどんな感じなのかはよく分からなかったが、沢山のお客さまが我々を見ているのはよく分かった。ちょろっとギター弾いちゃったのでフロアBGMも無くなってしまった。無音、これは耐えられない。1曲めはFata morgana。2カウントですぐ入るので気を抜くと置いてかれるんだw

13.ヨシダの目!あれは戦士の目だ。なにがカモンベイベーだwそんな牧歌的

な余裕は微塵もないじゃないか。Fataは流れに乗っかるまで実は気が抜けないんです。歌のパートに入ってようやくちゃんとフロアを眺めると、そこには昨年同様たくさんのお客さまの、たくさんの難しそうな表情が見えた。

14.Fataを良く聴いてください。ノリやすいロックンロールナンバーでしょう?そう訝らずに、ただ体を揺らしてくれると思ったのに。いや、よく見ればもうけっこうみなさん揺れていらっしゃる。そうですよ!それで行きましょう。私はステージ上手奥にいるのが好きなんですよ。ドラム見やすいから。

15.配信だとあんまりわかんないかもですが、私けっこうドラム見るんですよ。何故って?それは単純に音を合わせやすいからです。音がバチっと合うと気持ちがいいし、実際のバンドの音量は倍加するんですよ。見なくて合わせられた

らそれもいいんでしょうが、私には難しいかもなー。

16.Fataの後半、私ずっとリフを弾き続けてるんですが、あの時間がとても好きです。だって楽だからやはりロックが好きなんですよ。リフをずっと弾いてるだけで曲が成立するってのはロックの大事な要素であると思うんですよ。それを実感できる時間なんですよ。瀬尾さんの地獄のスキャットが炸裂。

17.Fataが終わりCureです。冒頭、私何か言ってますが自分でも聞き取れません。ゆっくりしゃべらんとイカンよ俺。Cure実は一時期、ライブのセトリには全然出てこない曲だったんですよ。なんでだかちょっと分かりませんが。この曲が好きだって言ってくれる方もいらっしゃって嬉しいです。

18.Cure演奏中の事はあんまり覚えてません。ちょっと間違えたりしてますから、なんか集中出来てなかったんでしょう。あ!あれですよ例のブーツ!そうだったfuzzを踏むとき案の定、上手く踏めてなくてクソーってなってたんだと思います。でもどの部分だったか、分かんないですねー。

19.Cureが終わり、短くしゃべります。そのつもりでした。ちょっと前は内容をしっかり決めていたんですが最近は出たとこ勝負になってますね。で、この仕上がりです。まとまってませんが、その時思っていたことをちゃんと話せたと思います。そして新曲Call of hierophanyです。

20.Call of hierophanyはカワシマ曲です。今年の盆明けくらいに出してきました。Evraakらしさがあるし、彼のAsylum piece以来の作品だったし、今回演奏できてよかったです。曲のエンド部分は天さんのアイディアですごく変わりました。ドラムソロとかねw

21.新曲を演奏している頃にはお客さまの感じがとてもよい具合。手をあげてく入れる方もたくさんいらっしゃった。こういうのが嬉しい。声を出してくれるのもいいねぇ。あ、Evraakの場合は、愛のあるヤジも歓迎ですから。でも『愛』は込めてねw 私、こう見えてけっこう繊細だから(嘘)。

22.Call of~のあと、すぐ次の曲にいく段取りでしたが、この時とても嬉しい事があったんです。あの、拍手と歓声がですね、思ったよりずーーーっと長くて。その様子に見とれてしまう自分がそこにはいました。たぶん一瞬ボーっとしていたと思います。たくさんの拍手、ほんとに嬉しかったです。

23.そして新曲パート2!Sanctuaryです。これを聴いた瀬尾さんがすぐタイトルだけつけてくれました。Evraakには【3S】というのがあって。Sacrifice、Stigma、そしてこのSnctuary。覚えておいてくださいね。決して整理、整頓、清掃ではありませんから!

24.Sanctuaryは今年の5月にプリプロは完了したんですが、そこまでが時間かかりました。私はギターフレーズも歌のメロディもすべて鼻歌から作るのですが、最初に閃いたギターリフが個人的に新機軸すぎて、これをどうするか分からなかったのです。仕上げるにはレベルが足りなかったんですw

25.リフだけ出来て捨てた曲は数知れず、でもこの曲は!って思って試行錯誤しました。1年くらいやってたかも。分析は各自やってみてください。面白いと思いますよ。この曲も中間部で少しアレンジが入りました。メンバーからのそういう提案が嬉しい。ようやくバンドっぽくなってきたんだなぁって。

26.Sanctuaryの後もお客さまの反応は凄かった。で、Asylum piece。今やEvraakのライブでは欠かすことのない曲。この日のセトリでもいいアクセントになったと思います。本番直前の楽屋でヨシダがバードコールを取り出して「冒頭で使っていいですかね!」って。いいけどw

27.バードコールってのはな、リヴァーブかけねぇとただのコルク音なんだからよ、リハでちゃんとやんねぇとしょっぱいかもよ?あ、でもトップのマイクにはリヴァーブかかってるかもしんないからワンチャンあるんじゃない?と私は言いました。ワンチャンなかったです。でもアイディアはいいと思うのよ。

28.そしてラストは地獄のSaethi。この曲BPM60くらいなんですよ。初演の時はどうしても走っちゃうので、事前に秒針のスピードを確認してからカウント出してました。今は、もしかしたら秒針より遅いのかもしれない。コーラスはけっこう緊張します。最後のritはヨシダの演出です。

29.Saethiの重さは楽しんで頂けたでしょうか。そして終演。演奏者はあっという間って感覚なんですが、みなさん疲れたんじゃないかな。メンバー紹介は噛まないように気を付けてやっています。でも天さん、いつも前の名前で呼びそうになってごめんなさい。そして例のプレゼントです。

30.プレゼントはEvraakの初めての音源『EP I』と、我々の最近聴いたプログレ以外の音楽をまとめたCDと瀬尾さんの選曲によるmixCDでした。気に入って貰えた

ら嬉しいです。ステージで大将軍とちょっとおしゃべりしたの楽しかったなー。さぁペダルをササっとバッグにしまおう。

31.廊下でペダルを慌ただしく片付けていると隣にミキさん。なんか急に健康問題の話になって。最近、俺腹筋はじめてさー、とか。トイレ待ちのお客さまから早くも嬉しい感想を頂きながら片付け+雑談。このマルチタスクで俺めっちゃこの時、今日イチで汗かきました。すぐ感想を頂けるのがライブよね。

32.出演者とスタジオ利用者が入れる第二楽屋的なスペースがB3にあるんですが、そこに一旦降りていって。そこにはだいたい曇ケ原の誰かがいて。ちょろっと談笑。Evraakと曇ヶ原はけっこう仲いいんですよ。嫌な感じの奴がいないっていうんでしょうか。自然に話せるんです。あ、MJもいた。

33.フロアに戻るとCrescent lamentのショウが始まろうとしていた。大将軍がスクリーンサイドに立ちMCをしている。私はまずはビールであるのでカウンターに並んでいたのですが、お客さまのひとりに「なんか2杯頼んじゃった」的な事情で奢ってもらっちゃった。やっぱビール美味い!

34.秋葉原Goodmanでは他のハコではあまり見かけない『ワインのボトル売り』

というのがあります。1800円くらいだっけ?コップ付き。それを昨年に引き続き購入し、いろんな人に振る舞うありがたい酒の神と化した天さん。安いしいいよね。知らない人と仲良くなるきっかけにもなるかもね。

35.Evraak以外のショウに関しては私はみなさん同様にただのお客さんとして楽しんだので詳細には書けないです。どなたか詳細なライブレポートを書かれてみてはどうでしょうか。月並みですが、シンガーのMuerさんがカッコ可愛かった。二胡がすごくしっかり聴こえた。どうやってるんだろう。

36.そういえばMuerさん、本番直前にEvraakが楽屋に入ってる時にやってきて。その時に右手になにかビンを持ってて、何それ?って聴いたら、あっちのノドの薬だというので、ちょっともらって舐めてみたんだけど、少量で鼻がバキーンて通って驚いた。不思議な香り。お父様は漢方の薬師らしい。

37.Crescent lamentのメロディは我々日本人はどこか親しみ易さがある。今の日本ではあまり聴くことが出来なくなった懐かしいメロディに似ている気がする。まさに強制ノスタルジアである。ヘドバンしているお客さまもいたみたいですよ。私は後ろでビール片手にフワフワしてました。

38.ドラムのKometさんは特に日本語が上手でした。リアクションとかも謙遜するとき「いえいえいえー」って。なんか日本のテレビをよく見て勉強してるんだそうです。どんな番組を見てるんだろうか。とても知的な方。もっと彼らとゆっくり話したかったなー。とても気持ちのいい方々でした。

39.Crescent lament最後の曲は『孤​燈​微​微 』でした。私は特にこの曲が好きで。もう何回Youtube見たか分かんないですよ。この曲をきっかけに227事件を知り、終戦直後の台湾の耐え難い日々を知りました。『犬去りて、豚来たる。』そんな言葉が流行ったんだそうです。

40.さて、転換を挟んでついに曇ヶ原の登場です。今回も大将軍がスクリーン脇よりMCを入れてくれます。我々EvraakとCrescent lamentが頑張ったからか、彼らは相当なプレッシャーとやる気と共に今ステージに立っているのだろう。私は一番最初は物販の後ろでそれを見守っていた。

41.そしてスクリーンが上がり、燃え上がるハードロックサウンドが放たれた。オルガンをガッシャンガッシャンするアクションとかちょっと泣いちゃいそうなくらいカッコイイa_kiraくん。あれ、ヴァイオラくん、ストラトだったっけ?そっか、だから余計にアレな印象なのか。そういう来たか!

42.バンドが自分たちをどういう風に受け入れてもらいたいのか。それは分かりやすい程いい。
例えばオルガン、例えばストラトキャスター。例えば熱いシャッフルビート。これで彼らがどういうバンドなのかは、間違えようもない。このフロアにいる殆どのお客さま同様、私もそのつもりで楽しむことにした。

43.確かに歌のパートはフォーキーだし、曇ヶ原の重要な個性となっている。でもバンドはそれにとてもフィットするインストパートとしてハードロックを選んだ。少なくとも現在はそう考えていいんだと思う。控えめに言って「はい、そういうの大好物です私。」と、後ろの席をゆっくりと立ち前へ進んだ。

44.ショウタくんはAdoのコンサートに行っちゃうような方で。いろんな所にアンテナを立ててるんだなぁと感心してます。いい!って思った音楽を自由に聴く。これが出来ると、自分が作曲する際に、厚みがでてくるんですよ。とっても素晴らしいよ。あ、MC中に「髪、切った?」って行ったのは私です。

45.曇ヶ原はこの直前に行われた早稲田の学祭に出演した時、四人囃子の一触即発をやったそうですが、なるほど『くじらの歌は聴こえない』を聴けば納得ですねぇ。若い世代に忘れられる事なく受け継がれる伝統。美しいじゃないですか。来年Evraakも早稲田の学祭、呼んでくれないかなー。なんて。

46.ヴァイオラくんに「ねぇ、そのベルボどこで買ったの?」とかそういう話が出来たのは久しぶりで嬉しかったですね。いや、売ってないんですよなかなか、

あっても高いwみんな履こうよベルボ。私のベルボは上野ヒノヤオリジナルです。もう25年くらい履いてます。またヒノヤさん作って欲しいなぁ。

47.Muchioくんはこの日分かったんだけど私とそれほど年齢が離れていないことが判明してぐっと親近感湧きましたね。自慢のヴィスタライトを持参して臨んだこの日、相当な意気込みだったんだと思います。ただ、私の見ていた位置からはすみません、見えませんでした!見たかったなぁ。

48.アンコール前の本編最後の曲は、めっちゃいい意味でパープルそのものでした。もちろん彼ららしさもそこには沢山あったんですが。いいなー。こんな曲やれちゃうんだー!ウオー!拳を上げる私がそこにいた。めっちゃ二期の前半じゃん。この曲で私、ガッチリ鷲掴み。もうファンだわ、まじで。

49.アンコールは『河津桜』。直前のMCでショウタくんが「ウサギ年の人いますか?」って振るもんだから、てっきり『うさぎの涙』をやるのかと思っちゃった私。河津桜、あの重いリフが好きですね。最後にちゃんと再現部としてこのリフが帰ってくるのが素晴らしい。ソナタ形式かどうかはわかんないけど。

50.そして無事に「春が来た」ところでフィナーレは出演者全員ステージに上がって

の記念撮影。私とKometさんと肩を組んでのショットがとても気に入っています。どうでしょう、このみんなの笑顔。これがイベントの成功を物語っています。3バンド、桃園の誓いのように固い絆のようなものを感じました。

51.イベントの成功裏にはこの方々のバックアップが必要不可欠でありまし

た。Asian Rock Rising小笠原さん、World Disque中島サーンそして、Diskunion永井さん、ほんとに感謝してます。Evraakの物販ありがとうございました。中島サーーーーーーーン!!

52.お客さまがお帰りになったあと、そのままフロアで井上大将軍がみんなにビールを振る舞ってくれました。乾杯したよ。プチ打ち上げ的な。ほんとはもっと時間があれば派手にドンチャンやりたかったんだけど、これはしょうがないね。私も迫りくる終電にあわてて会場から離脱。あ、電車のって尿意ドン。

53.おおたかの森でトイレ。爆発しそうだった膀胱をねぎらいつつ乗り換え、どうにか、おらが村『野田』に戻って来ました。すぐ、気付く「野田、寒い」。セブンでビールを買いこみ帰宅する。家族を起こしちゃ悪いので泥棒のように静かに歩きます。こうして私のFushigi Rock Festival Vol.02は終わったのでした。

54.ご来場のお客さま、配信をご覧のお客さま、ありがとうございました!とても良いイベントになりました。 話しかけてくれた方々も、ありがとう!若いミュージシャンのみなさん、応援してます。俺もちょろっと絡ませて! プログレの未来は明るそうです。

55.

最後まで読んでくれてありがとうございました。そして井上大将軍。ホントにありがとうございました。このイベントに参加できて嬉しかったです。是非、次回もトップバッターでw


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