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BtoBセールスのプロへの最初の一歩 「旬トレ」とは?

3/17に向井さんに弊社(株式会社RECEPTIONIST)にお越しいただき、「旬トレ」というセールストレーニングを開催していただきました!
このNoteは向井さんの貴重なお話を多くの方々に知っていただきたく、トレーニングの内容の記録となります。


旬トレとは?

今は、本質的な提案ができるセールスが少ない。このままでは購買活動を行う上で買い手側にかかる負荷が大きい。そんな状況を正し、世の中に良い売り手を増やすために、向井さんが個人的に行っているセールス強化活動。

向井さんってどんな人?

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向井さんの経歴:
2002-2007 ネットワンシステムズ
2007-2011 Dun And Bradstreet Japan
2011-2014 Gartner Japan
2014-現在 App Annie Japan
※2019年1月からカントリーマネージャーに
Twitter: https://mobile.twitter.com/Shun_Mukai0718

旬トレは全部で3部構成です。
Slcial Style(コミュニケーション)
②MEDDIC(メソッド)
③SPIN(テクニック)


それでは本編スタート!!

Slcial Styleを知る

①Slcial Styleとは

1968年にアメリカの心理学者、デビットメリル氏が提唱した世界に広まるコミュニケーション理論。4つに分類される人のコミュニケーションのパターンを活用し、適切なコミュニケーションを選択するもの。現在グローバルで活用されている。


具体的には以下の4項目(正確にはそれぞれがさらに四分割されて16項目)に分類されます!

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実際にワークを通じて、社内のみんながどんなソーシャルスタイルを持っているのかを簡単なテストを通じて、判定してみました。
結果は…弊社の場合、経営陣、FSチーム、ISチームの計10名で参加したのですが、比較的エクスプレッシブの属性を持っている人が多かったです。
向井さんによると、セールスの人はエクスプレッシブが多くなりがちとのこと。みんなセールス適正あるってことですね!笑
※ただし、これは変わりゆくものだそうです。状況やタイミングによって変化するものだからあくまでも今時点はこうだった、という考え方が正しい。

それぞれのSlcial Styleの特徴はこんな感じです。(あくまで一例ですが)


【ドライバー】
・徹底的で、新しいこと、達成困難なことに挑戦しようとすることを好む
・大筋を掴んだらどんどん進めていく。
・白黒はっきりさせ、決断が早い。
・直接的で、核心をついた指示を他人に与えることができる。
・人間関係より、仕事、課題に興味を示す。仕事優先。
※経営に関わる人に多め。大企業の意思決定者もここに分類されることが多い。




【エクスプレッシブ】
・刺激的、情熱的で、言葉、声、表情全てを使い、豊かに感情を表現する。
・他人に話を聞いてもらうことを好む
・細かいことに囚われず、ノリがよく、楽しく賑やかにことを進める
・達成主義、リスクを恐れない、競争心がある、血気盛ん。
・物事に熱中しやすく、周りの人たちのやる気を引き出す。
※セールスに関わる人に多め


【エミアブル】
・敵を作らずに、穏やかなタイプ
・注意深く観察力がある
・緊張感のない、いい人間関係の中で物事を進める
・周りの人たちに信頼と自信を与える
・グループとして成功するために力を注ぐ。
※総務に関わる人が多め


【アナリティカル】
・我慢強く、感情を出さずに、穏やかな声で、間を取りつつ淡々と話す。
・詳細を望む。考え深く、慎重、細かなことも見落とさない。
・複雑で曖昧な問題を与えられても、独自の分析で解決手段を発見しようとする。
・決断を下す前に、進め方の良し悪し、成功の可能性を慎重に検討する。
・口数が少なく、身振り手振りはあまり使わず、視線も外すことが多い。
※財務に関わる人が多め


Point💡:まずは自分のSocial Styleを把握し、相手のタイプを判定できるようになることが大切。究極系は相手のタイプに合わせて、最適な相性に自分が変化していくこと。
例:ドライバータイプの方には、自分もドライバーを意識した動きをするなど。


MEDDIC(メディック)を知る

営業の本質とは?

・1日でも早く、1円でも高く、確実に売ること

MEDDICとは、そのために、案件を確実にクローズしていくための仕組み。
具体的には下記。

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問題と課題の定義

問題→現在起きている事象(顕在的な事象)
課題(Pain)→ゴールと現状の差分
例:売上が当初の想定よりも伸びていない、という問題を図にすると以下。

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よくあるセールスの勘違い
①ゴールだけ聞いてしまう…。
→ゴールしか聞かないのはダメ!あくまで、現状とゴールの差をきちんと捉えてPainを解決する提案をするが必要。

②担当者のPainを聞いてしまう…。
→担当者のPainは最重要ではない!あくまで最も聞き、そして解決するために提案すべきなのは、EB※(Economic Buyer)のPain。
Point💡:時間が経てば経営のゴールは変わる。従って、Painとニーズも変わる。FSとCSとの連携で定期的に状況を確認していくことが大切。
※EBの用語解説は下で行っています。

③意思決定者を聞いてEBであると思ってしまう…。
→意思決定者を聞くことは大切。ただそれだけではEBにであるとは限らない。ポイントは拒否権を持っているか。

Championを味方につける

その前に用語説明します!
・EB(Economic Buyer)とは?

・EBの定義:企業及び担当事業の利益と損失に責任を持っている人

・代表的な肩書:オーナー、代表取締役、CXO
・主な関心ごと:利益とリスク
利益→ROI(投資はいくらか、どれぐらいで回収できるのか)
リスク→現状どういったリスクを抱えているのか


championとは?

・現場にいないときに営業活動を行ってもらう
・競合を止める、情報をくれる
・発注の可能性を増加してくれる
・内部調整をしてくれる
・内部的にプロダクトのメリットを訴求してくれる
・購買部と交渉してくれる
・セールスサイクルを短くしてくれる
・導入を予定通り進めてくれる

要は社内の推進者ってことですね。こういった方を見つけて、味方につけることがとても大事とのことです。

・Championの特徴とは?

・社内にて影響力がある
・技術的な尊敬を受け、権力がある
・キャリアアップを強く望んでいる
・イノベーターマインドがある
・知的でリスクを取り、経営的な視点を持っている

セールス活動を進める上で、特に推進していただけると助かるなと思ったものが
・「セールスサイクルを短くしてくれる」
・「導入を予定通り進めてくれる」
・「購買部と交渉してくれる」
だなと思ったりしたわけなのですが、champion探しもそう簡単ではないみたいです。

ニセChampionがいるらしい…
ニセChampionとは?

・愛想が良すぎる人
・時間がありすぎる人
・ノリが良すぎる人
・喋りすぎる人
・自分がただ一人の意思決定者だという人

要は、セールスにとって優しすぎってことですね。そう簡単にはchampionに出会えなそうです。ただ、ニセchampionを見破るいい質問があります。

EBの方にに会わせてくれませんか!?

ニセchampionは、セールス担当の味方という顔をしますが、社内的な権力がないことも多いそうです。
なので、なかなかEBとのMTGをセッティングすることは難しい。。
EBに会うことができたら、案件は一気に進みそうですし、これは是非ともやりたいなと感じました。

Championを強くする
せっかく出会えたchampionの方に、より社内の推進者になっていただくために、武器を渡すということが効果的です。その武器とは…

・既存顧客のChampionと会ってもらう
・事例を渡す
・資料を渡す

要は社内の推進者なので、なるべくたくさんの情報を持ってもらって、それを拡散してもらう、ということです。
その際にもちろん何でもかんでも渡せばいい、というものではなく、championの方が社内展開しやすい情報を選別して渡すこともセールスの大切な仕事です。

championに次ぐ、キーマン「coach」とは?
イメージとしては、championの良き部下、という位置づけでしょうか。
championは重役についていることが多いので、案件の情報を逐一教えてもらうことは現実的ではありません。そんなときにcoachを紹介してもらい、コミュニケーションはcoachを通じて間接的にchampionと取る、という方法が良いです。
こちらについては、実はcoachとセールス担当がコミュニケーションを取ることが三方良しになっているのです。

・champion:自分が推進したい案件だが、細々とした確認と報告作業から解放される。
・coach:影響力のあるchampionから大事な仕事として業務を依頼される
・セールス:自分が作ったクローズまでのカレンダーを元に細かく報告をもらえる

素晴らしいですね。
セールスとして、お客様の状況を鑑みながらスケジュールを引くことも腕の見せ所になりそうです。
※合意したスケジュールを大体このぐらいのタイミングで〜ではなく、具体的な日付軸で管理することも大切です。
championとcoachが極力不可なく案件を進めてもらえるように支援する意識が大切ですね!
こういったガントチャートツールと組み合わせることで、より効率的に管理ができそうです。
サンプル付き!イケてるガントチャートツールを作ってみた▶︎https://note.com/ikedon/n/n372c842be5ad


SPINを知る

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すべてはニーズの自覚から始まる

よくセールス現場で、「ニーズの把握」という言葉を使うと思います。
恥ずかしながら、僕も使っていたのですが、ニーズは「把握」するものではなかったようです。
「把握」という言葉は主語がセールス側になります。
そうではなく、ニーズは「自覚」してもらうもの。
自覚してもらうために、4つの質問を使い分けていきましょう!ということがSPINです。

そもそもなぜお客様は購買活動をするのか
お客様が商品を買うのは、ニーズがあるからです。
逆に言えば、ニーズがなく現状に100%満足していたらお客様が商品を購入することはありません。

お客様の購買意欲が起きる過程は以下。

①現状に「漠然とした」不満を感じる
②はっきりとした問題や障害(不完全な状態)を認識し、不満感を持つ
③不完全な状況や不満感を解決する必要性を認め、解決したいという欲求を持つ

もしかしたら当たり前なのかもしれませんが、①→②→③とお客様の頭の中のステップを登っていく感覚でセールス業務に当たると、購買意欲が起きやすいアプローチができそうです。

状況質問はどこに問題がありそうかを探るための質問
SPINで言われている一つ目の質問は「状況質問
ざっくりというと、どの辺にボトルネックがありそうかの見当をつけるための質問です。
ちなみに、これはお客様からすると何も価値が生まれない、ただセールスが状況を把握するためだけの質問です。
この質問をしている時間は何も生み出せていない状況にも関わらず、お客様の時間をもらってしまっているので、公開情報は必ず調べていくことが必須です(戒めを込めて)
ここでも、最初に出てきたSocial Styleを意識して質問をすると、良いとのことでした。

二つ目が「問題質問」です。
問題質問とは、潜在ニーズを明らかにするために行います。イメージとしては、一つ目の状況質問で、この辺りにボトルネックがありそうだなと、あたりをつけたところをさらに具体的に言語化し、双方で認識をするための質問です。
ここでポイントなのは、買い手は不完全な状況だと気づいていないことが多いことです。なので質問は質問なのですが、「聞く」という姿勢と同じぐらい、「仮説を立てる」という力が必要になりそうだと感じました。
ここで大切なことは以下のようです。

・商談の初期に
・状況を十分認識した上で
・現在の不完全な状況や不満をストレートに聞くのではなく、様々な角度から、

質問をしていくことが大切です。

三つ目が「示唆質問」です。
示唆質問とは、問題質問までで具体的になった課題が、派生して起こり得る問題に気づいていただくための質問手法です。
これが一番難易度が高そうです。
しかも、これには注意事項があります。

⚠️質問のタイミング
→お客様が潜在ニーズを示したが、購入に結びつくほど強いニーズになっていないとき。
僕もよくやってしまいます。まだ仄かなニーズのうちに進めてしまう問題。。問題意識を強く感じていただき、ニーズが強くなったタイミングで示唆質問に移るのが良さそうです。

⚠️質問の内容
買い手が表明した不完全な状況が及ぼす他の大きな問題や多領域への悪影響についての質問をすること。この質問をするのは勇気が入りそうだな、、と思う気持ちがありますが、向井さんによると、お客様のことを考えて踏み込んだ質問をするわけなので、お客様との信頼関係の構築に役立つそうです。

⚠️質問の準備
おそらくこれが一番大切だろうなと思ったのですが、、
質問をするにあたり「仮説を立てること」一発でピンポイントに当てるのは相当難しいと思いますが、変な質問をしてしまうと逆に信頼関係の崩壊につながりそうなので、きちんと仮説は立てるべきだと感じました。

解決質問に触れていませんが…ここまでニーズが顕在化されたらあとは自社のプロダクトのプレゼンや質疑応答をきちんと行うだけです!(勉強会でも触れませんでした)

SPINについてまとめると…
状況質問→どのあたりにボトルネックがあるかを探し出すための質問
問題質問→状況質問でボトルネックがありそうだと思ったところをさらに深掘りし、言語化し、双方で認識を合わせるための質問
示唆質問→問題を放置することでどれだけ大きな問題になってしまうか気づいてもらう質問

まとめ

・まずはニーズを自覚してもらえるようなコミュニケーションをすること!
・ニーズはお客様自身が認知していることが少ないので、顕在化するために働きかけること
・顕在化したニーズが具体的にどんな影響を及ぼしそうか、示唆質問を通じて、認識相違のない状態を作ること
※もちろんこのニーズを顕在化させ、Painを具体化していくのは、EBのPainということを忘れないこと!
・すべてのはじまりはSocialStyleを正しく把握できるようになること!
・セールスはお客様のKPIを、そしてビジネスの成長を達成させるために提案活動を行っているという意識を絶対に忘れないこと!


向井さん、ありがとうございました!!


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