マガジンのカバー画像

激烈バカ的!文章講座!!

21
とてつもない力を持っている人に「うまく伝えられない」と、そんな相談をたくさん受けています。本を書きたい。面白い話をしたい。彼女を口説きたい。そんな悩みを持つ全ての人にむけて。
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

『先生抜きで書こう』試訳

この本を書き終えて分かったことがある。世界の誰もが、ものを書きたいと思っていることだ。 「ずっと本を書きたかったんです」 「いつか人生をまとめたいんだ」 「私にぴったりな言葉を探して、書き留めなければって感じます」  見知らぬ読者から、そう伝えてもらう。  誰もが学校で書くことを教えてもらうけれど、妙に特別ぶった人だけが好きになれる。書くことはそんなことだと思っていた。  だけど違った。  誰もが嫌な思いをして、自分の夢を書けなくなる。書くことは大それたことだとか、

信頼できる知識を得る方法は二つある

「信頼できる知識を得るためには、二つの方法があるんだ」 「信じることと、批判すること」 「世界は批判することばかりしてるけれど」 『先生抜きで書こう』の著者ピーター・エルボーはそう語る。 デカルトは『方法論序説』で、すべてを疑った後に残るものこそが真実だとした。彼が見つけた「すべてを疑った後に残るもの」とは、皮肉にも疑うことだけだった。 これが有名な「我思う、故に我あり」である。 デカルトの世界観は自我を確立させるが、暖かさに欠ける。理性の重要性を説き、近代科学の父と

『先生抜きで書こう』 試訳その2

最初、この本が売れなかったから僕はとてもナーバスになったよ。何年も売れなかったし、新聞で書評も書いてもらえなかった。 (注:その後、世界的ベストセラーになります) この本のメッセージは二つある。一つ目は特に良く聞いてほしいと思ってる。 書くことの独立宣言だ。 ・正しく書こうとすること ・良いものを書こうとすること ・気にすること ・コントロール ・計画 ・秩序 全部捨ててほしい。 僕はオックスフォードでの2年を無駄にして、ハーバードを辞めなくちゃいけなくなった。

『先生抜きで書こう』 試訳その3

二つ目のメッセージは書名になったもの。「先生抜きで書く」ことだ。 これも独立宣言だよ。 生徒は先生抜きでも学べるけど、先生は生徒がいないと教えられない。先生に頼りすぎるなって言われるけど、本当は先生の方が生徒に頼ってる。 僕はこれからもずっと先生でいるつもりだし、先生からたくさんのことを学んだよ。でも、むかし書けなくなってしまったのは先生のせいだった。 フロリダで仲間や生徒たちに書くようになったり、痛みや混乱に対処しようと自分自身に書くようになって、やっとまた書けるよ

ハーバード・ライティング・センターで教える博士論文の書き方

尊敬する奥出直人先生より、ハーバードで使われている博論執筆についての本を教えていただいた。なんとも破天荒なやり方だ。 形だけ整っていて、内容のない博士論文を書く手順について聞いていただきたいです。 1、まずテーマを選びます。 何かのリストから選ぶのかもしれませんし、先生に言われたものかもしれませんし、図書館の棚を見て選ぶのかもしれません。 2、次にテーマを調査します。 3、調査したテーマの内容を考えます。 4、次に論文のアウトラインを作ります。 5、1章1節から書き