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スプリンターズS(GI)全頭診断

本投稿は9月29日(日)に中山競馬場で行われるスプリンターズS(GI)の全頭診断となっている。

これから行う全頭診断は【血統】【適正】【その他】の3観点から分析し、最後に【総合評価】A・B+・B・B-・C の5段階で評価する。

診断ポイント

【血統】

・短距離GI=非主流血統!高速決着ならより顕著に

日本の主流血統といえばサンデー系で多くの馬は父がサンデー系であるが、サンデー系(特にディープインパクトから派生するディープ系)は直線での瞬発力勝負を得意とする血統。つまり最初から最後までトップスピードを持続する必要がある短距離には本質的に向かない血統である。
実際過去20年のうち中山競馬場で開催された19年間の本レースでは勝ち馬19頭中17頭が父非サンデー系である。特に1:07.5以下の速い時計で決着した年(2005・2009~2013・2019・2021年)は馬券内の24頭中19頭が父も母父も非サンデー系とまさに主流血統からかけ離れた血統が好走している。
また父か母父がサンデー系だった残り5頭中4頭は当日3番人気以内の実力馬であり、残りの1頭(2011年9番人気2着のパドトロワ)は産駒に短距離GI馬を複数頭輩出しているフジキセキとやはり主流条件から離れた血統
今年は先週の馬場傾向・メンバー構成から1:07.5以下の高速決着になると考えているので、主流条件から離れている血統を重要視したい。

【適正】

・今の中山競馬場は高速馬場=持ち時計は重要

レース前に決着時計がどうなるかを予想するのは非常に難しいが、今年の本レースは高確率で高速決着になると考えている。
先週の馬場傾向だが、21日に行われた2歳限定戦のカンナS(OP・中山1200m)は1:07.1の2歳レコードを記録。このタイムは過去10年の本レースと比較しても最速タイであった。また22日に行われたオールカマー(GII・中山2200m)は2:11.8で、これは過去10年の当レースで2番目のタイムだった。以上のことから今の中山競馬場が超高速馬場であることがわかる。
今年の本レースは1:07.5以下の高速決着となることを前提とし、各馬の持ち時計などから高速馬場への適正を見極めたい。

・2頭の逃げ馬+中山1200mのコース形態=ハイペース適正必須

今年のメンバーはビクターザウィナーとピューロマジックの2頭の逃げ馬がいる。ビクターザウィナーもピューロマジックもスタートセンスが抜群で、二の足も速い。また2頭とも逃げて結果を残してきた馬なので、どちらも是が非でも逃げたいはず。ハナ争いは激化するだろう。
また中山1200mはスタート直後から3コーナー途中まで下り坂となっており、半ば強制的にペースを上げさせられるコース形態となっている。
以上のことから前半3Fが32秒台のハイペースになることが想定される。そうなるとこの流れに乗れない馬は追走だけで手一杯の状態になり、ラスト1Fに待ち構える急坂で失速してしまうだろう。ハイペースからの失速戦になること必至なので、タフなレースに強い馬を重要視したい。

(・枠は超重要!外を回されると負荷が大きく凡走に直結)

枠順発表前の診断なので、本投稿ではこの診断ポイントは対象外。ただ本レースを予想するにあたり非常に重要なことなのでここに記す。
中山1200mはスタートから3コーナー途中まで下り坂であることに加えて、ラスト1Fの急坂までは平坦となっている。今回は2頭の逃げ馬がいることも踏まえると道中のラップが緩むことがほぼないだろう
その為、道中常に外を回されるとかなり負荷の大きい競馬となってしまい、最後の勝負所で余力がなくなってしまうスタートから内を通ってロスなく回ることが好走の必須条件となる。
以上のことから枠順によって今回の全頭診断の評価が大きく変わることは留意して欲しい。

※日本と香港のタイム計測の違いについて

今回のメンバーに香港馬が2頭(ビクターザウィナー、ムゲン)がいる。ペースへの適正を考察するにあたり、日本と香港のレースのタイム計測が異なる事について説明する。
日本のレースではゲートを出て5mのラインからタイム計測を始めるのに対して、香港ではゲートが開いた瞬間からタイム計測を始める
この違いがあるので、香港のレースのラップタイムを参照する際は実際の前半1F目のラップタイムから1.2秒マイナスして考える必要がある(数字的根拠はnetkeibaの記事を参照)事に注意したい。

【その他】

本項目では【血統】や【適正】以外の要素(本レースへのローテーション、近走成績など)から現在の馬の状態の良し悪しを判断する。

以上の観点から診断を行う。

全頭診断

(以下五十音順)

ウイングレイテスト

【血統】
父スクリーンヒーロー×母父サクラユタカオー。
父も母父も非サンデー系の非主流血統なのは良い。
また父と母父は中距離馬だが、母母父のBlushing Groomは仏の短距離GI馬で本馬のスピード能力はここからか。
タフなスプリント戦は向きそうな血統構成。
【適正】
高速決着の1200m戦は未経験も、6走前の京成杯AH(GIII・中山1600m)では1:31.6の高速決着をソウルラッシュとタイム差なしの2着、4走前の阪神C(GII・阪神1400m)では逃げて0.3秒差の8着も、ラスト1Fを切っても先頭をキープしており、6F通過時点で1:07.3であった。以上のことから高速馬場は問題ないタイプだろう。
前走のアイビスSD(GIII・新潟1000m)ではトップハンデの59kgを背負いながら前半3F32.5秒のハイペースを道中5番手で先行して0.1秒差の2着。2走前の函館SS(GIII・函館1200m)ではトップハンデの59kgを背負いながら洋芝で前半3F33.4秒のハイペースを道中3番手を先行し、内有利の馬場で外を回しながら0.2秒差の2着。以上のことからハイペース適正はかなり高く、前が止まらない今の中山の馬場傾向と脚質も合う
本レースへの適正はかなり見込める
【その他】
未勝利戦を勝利して以降、道悪馬場では(0-0-1-4)と道悪馬場を苦手としている。週末の雨予報は不安材料。
【総合評価】B+

ウインマーベル

【血統】
父アイルハヴアナザー×母父フジキセキ。
母父はサンデー系だが、スプリントGI馬を複数頭輩出するフジキセキなのでそこまで気にしなくて良い。
ただ父が荒れた馬場に強いForty Niner系なので、今の高速馬場はベスト条件ではないだろう。
【適正】
持ち時計は3歳時の本レースで記録した1:07.8が最速で、7秒台前半の決着になると不安が残る。
2年前の本レースでは3歳馬の軽斤量の恩恵があったとはいえ、前半3F32.7秒のハイペースで4角9番手から2着に好走しており、ハイペース適正は高い
ただ古馬になってからは1200m戦で位置取りに苦労している印象。実際去年の本レースでは後方から徐々にポジションを上げていく競馬になり、最後に伸びきれず。今の前が止まりにくい馬場はあまり歓迎できない。
本レースの適正はまずますといったところ。
【その他】
3ヶ月以上間隔が空くと(0-1-0-3)とイマイチ。一方叩き2戦目では(1-1-0-2)と良化。馬券外の2回も展開不利で度外視できる。今回GIではあるがここが叩きで、次走が本番の可能性も。
【総合評価】B-

エイシンスポッター

【血統】
父エイシンヒカリ×母父Barathea。
父がサンデー系で、産駒にスプリントGI実績なし。
また父はサンデー系の中でも主流条件に強いディープインパクト系なので、非主流条件な本レースには向かない血統。
【適正】
持ち時計は2年前の知立S(3勝・中京1200m)2着時の1:07.4なので、高速馬場には対応可能だろう。
一方で3勝クラス以降の好走レンジは前後半のラップ差が-0.7~+2.8の時。-1.0以下の失速ラップでは全て凡走しており、ハイペース適正は低い。
本レースの適正は低いだろう。
【その他】
OPクラス以上では中4週以内だと(0-0-0-3)と全て凡走。前走のキーンランドC(GIII・札幌1200m)2着から中4週で挑むローテは評価できない。
【総合評価】C

オオバンブルマイ

【血統】
父ディスクリートキャット×母父ディープインパクト。
母父がサンデー系かつ主流条件に強いディープインパクトなのは△。
また父Storm Cat系は低速馬場に強い血統で、高速馬場は向かない。
本レース向きの血統ではない。
【適正】
前走のキーンランドC(GIII・札幌1200m)では初のスプリント戦ながら前半3F33.6秒とそこそこ速いペースに対応して3着と一定の評価はできる。ただ今回はさらに速いペースになる想定。ハイペースへの対応力は未知数。
またキャリアで高速決着となったレースは無く、高速馬場の適正も未知数。
本レースへの適正は未知数な部分が多く、評価しにくい。
【その他】
前走は初のスプリント戦で4角時点で16番手と最後方と追走力に不安あり。現状の前が止まらない馬場は不向きか。
【総合評価】C

サトノレーヴ

【血統】
父ロードカナロア×母父サクラバクシンオー。
父も母父も非サンデー系の非主流血統なのは良い。
また父も母父も高速決着の本レースを勝利している。
かなり本レース向きの血統構成と言える。
【適正】
3走前の春雷S(L・中山1200m)では前有利の展開で4角6番手から1:07.1の好時計を記録して勝利とかなり強い内容高速馬場への適正は高い
また2走前の函館SS(GIII・函館1200m)では洋芝で前半3F33.4秒のハイペースを道中3番手を先行し、内有利の馬場を活かしたとはいえ2着に0.2秒差つけての完勝ハイペース適正も十分ある
本レースへの適正はかなり見込める
【その他】
前走のキーンランドC(GIII・札幌1200m)は休み明けで馬体重+16kgと余裕残しかつ差し有利の展開で先行して2着に0.3秒差つけての完勝。叩き2戦目となる今回は万全の状態で挑めるだろう。現状隙は見当たらない
【総合評価】A

ダノンスコーピオン

【血統】
父ロードカナロア×母父Sligo Bay。
父も母父も非サンデー系の非主流血統なのは良い。
また父は高速決着の本レースを勝利している。
本レース向きの血統構成と言える。
【適正】
高速決着の1200m戦は出走経験ないが、2年前の富士S(GII・東京1600m)では1:32.1を記録して0.1秒差の3着と高速馬場は苦手ではないだろう。
ただ一方で前走のセントウルS(GII・中京1200m)では前半33.6秒とスプリント戦としてはそこまで速くないペースでも追走に苦労して後方からとなっており、ハイペース適正は低いと思われる。
本レースへの適正はあまり見込めず。
【その他】
2年前の富士Sを最後に10戦連続で馬券外、うち8回は2桁着順と崩れている。立て直しにまだ時間はかかるか。
【総合評価】C

トウシンマカオ

【血統】
父ビッグアーサー×母父スペシャルウィーク。
母父がサンデー系なので、若干主流血統要素あり。
また母父スペシャルウィークは揉まれ弱い血統なので、内枠は△。
内有利になりやすい本レースの傾向と反する血統があるのはあまり歓迎できない要素。
【適正】
2年前の京阪杯(GIII・阪神1200m)では1:07.2を記録して勝利、去年の京阪杯(GIII・京都1200m)でも1:07.4を記録して勝利高速馬場は得意なタイプだろう。
また4走前のオーシャンS(GIII・中山1200m)では稍重馬場で前半3F33.3秒のハイペースに対応して勝利ハイペース適正も問題なし
適正面は今回のメンバーの中で上位だろう。
【その他】
本馬は揉まれることを嫌うため、外枠からスムーズに外を回すことが必須。内をロスなく回すことが好走条件となる本レースの傾向とは反している。
【総合評価】B-

ナムラクレア

【血統】
父ミッキーアイル×母父Storm Cat。
父はサンデー系ではあるが、ミッキーアイルはスプリント〜マイルに実績のある種牡馬なのでそこまで気にしなくても良い。
Haloの4×5クロスも内包しているので高速馬場も問題なさそう
一定の評価はできる血統構成
【適正】
8走前のシルクロードS(GIII・中京1200m)では56.5kgの斤量を背負いながら1:07.3で勝利しており、高速馬場は問題ないタイプ
また2年前の本レースでは3歳牝馬の軽斤量の恩恵があったとはいえ、前半3F32.7秒のハイペースで内有利の馬場を外を回しながらも0.2秒差の5着、去年の本レースでは前半3F33.3秒のハイペースで0.2秒差の3着ハイペースへの対応力も問題なし
ただ古馬になってからスプリント戦ではやや位置取りに苦労している面があり、今の前が止まらない馬場は歓迎できず。
本レースの適正はある程度見込める
【その他】
主戦騎手の浜中俊騎手は騎乗停止の為、横山武史騎手への乗り替わりとなる。初コンビとなる点と横山武史騎手が馬群を上手く捌けるタイプではない点が不安。
【総合評価】B

ビクターザウィナー

【血統】
父Toronado×母父Cape Cross。
父も母父も非サンデー系の非主流血統なのは良い。
ただ父も母父もアイルランドのマイルGI馬なので、中山のオール野芝の高速馬場に対応できるかは未知数。
ここは一定の評価までに留めたい。
【適正】
洋芝の香港で活躍している馬なので、オール野芝の高速馬場適正は未知数。
2走前のチェアマンズSP(GI・シャティン1200m)では稍重の洋芝で前半3F約33秒台前半(日本換算)とハイペースで逃げて、6.75馬身差の7着と着差をつけられた。4走前のセンテナリーSC(GI・シャティン1200m)では洋芝で前半3F約34秒台前半(日本換算)と緩めのペースで逃げて、2着に1.75馬身差の1着。6走前の香港スプリント(GI・シャティン1200m)では洋芝で前半3F約33秒台後半(日本換算)とそこそこのペースを2番手で追走し、得意の逃げる競馬ができない中で2馬身差の4着と善戦。以上のことから、本馬は比較的緩めのラップで逃げたいタイプ。32~33秒台前半のハイペースになりそうな今回は△。
本レースへの適正はあまり見込めない。
【その他】
4走前のセンテナリーSCではレベルの高い香港スプリント界の実力馬相手に勝っており、能力自体は高い。今回のメンバーでもう1頭の逃げ候補のピューロマジックが控えるようなことがあれば面白い存在。
【総合評価】B-

ピューロマジック

【血統】
父アジアエクスプレス×母父ディープインパクト。
母父がサンデー系かつ主流条件に強いディープインパクトなのは△。
また父Storm Cat系は低速馬場に強い血統で、高速馬場は向かない。
本レース向きの血統ではない。
【適正】
3走前の葵S(GIII・京都1200m)では1:07.1の好時計で勝利。3歳限定戦なので過剰に評価はできないが高速馬場は問題ないと見てよい
また2走前の北九州記念(GIII・小倉1200m)では稍重馬場で前半3F32.3秒のかなりのハイペースで逃げて1着。ハンデ戦かつ開幕週で前が残りやすい馬場だったとはいえ、ハイペース適正は高いと見てよい
上記だけを考えると本レースへの適正は高い
ただし逃げ候補であるビクターザウィナーが控え、スムーズな単騎マイペース逃げが叶えば、という条件付き。
【その他】
前走のセントウルS(GII・中京1200m)では、前有利の展開に持ち込む単騎逃げが叶いながら0.7秒差の13着は負けすぎな印象。キャリア4勝は全て直線平坦コースなので、急坂が苦手な可能性も。中山替わりは△。
【総合評価】B-

マッドクール

【血統】
父Dark Angel×母父Indian Ridge。
父も母父も非サンデー系の非主流血統なのは良い。
父も母父もアイルランドのスプリントGI馬なので、高速馬場への適正は疑問も、タフなスプリント戦はドンピシャな印象
高く評価したい血統構成
【適正】
3歳時は1勝クラスで1:06.9を記録して勝利するなど一見高速馬場は歓迎に思えるが、7走前のシルクロードS(GIII・中京1200m)では比較的恵まれた斤量で1:07.3の高速決着を0.1秒差の3着。高速馬場に対応できるタイプではあるが、1:08.9で勝利した2走前の高松宮記念(GI・中京1200m)や1:08.0で決着した去年の本レースでタイム差なしの2着の実績から、古馬になってからはある程度時計のかかる馬場の方が合う印象。
ただ去年の本レースでは前半3F33.3秒のハイペースを先行して4角4番手から2着に好走しており、ハイペース適正は○
また安定して先行できる脚質今の前が止まらない馬場にマッチ
本レースへの適正は相対的に高い1頭。
【その他】
休み明けは(3-1-0-1)で馬券外の1回は夏負け。4月以来の実戦となる今回の臨戦過程は評価できる。一方でGIでの2連対はいずれもトラックバイアスを活かし展開がハマっていた。枠順と隊列予想が重要。
【総合評価】B+

ママコチャ

【血統】
父クロフネ×母父キングカメハメハ。
父も母父も非サンデー系の非主流血統なのは良い。
ただ母父は主流条件に強いキングカメハメハ、母母父も主流血統のサンデー系とやや非主流要素は薄い。
ここは一定の評価までに留めたい。
【適正】
5走前の北九州記念(GIII・小倉1200m)では1:07.3と速い時計で決着し、内有利の馬場で外を回しながら0.1秒差の2着高速馬場の適正は十分
また同レースは前半3F32.9秒のハイペースを4角5番手から2着、去年の本レースでは前半3F33.3秒のハイペースを4角2番手から1着が示すように、ハイペース適正はかなり高い安定して先行できるのも今の前が止まりにくい中山の馬場に合う
本レースへの適正はかなり高い
【その他】
叩き2戦目の成績は(4-0-0-0)と抜群で、前走6ヶ月ぶりの実戦でひと叩きされた臨戦過程は◎。一方で道悪時は(0-0-1-2)と成績が落ちるので、週末の雨予報は△。
【総合評価】B+

ムゲン

【血統】
父Deep Field×母父Falvelon。
父も母父も非サンデー系の非主流血統なのは良い。
また父も母父も豪のスプリント重賞馬なので、高速馬場のスプリント戦は合う可能性がある
ただ母系に直線平坦血統のHabitatが内包されているので、中山の急坂がこなせるかどうかは未知数。
相対的には本レース向きの血統構成
【適正】
洋芝の香港で活躍している馬なので、オール野芝の高速馬場適正は未知数。
3走前のチェアマンズSP(GI・シャティン1200m)では稍重の洋芝で前半3F約33秒台前半(日本換算)のハイペースで0.3秒差の3着に好走しており、ハイペース適正はかなり高いと思われる。
ただ脚質は後方からとなるので、今の前が止まらない馬場は△。
本レースへの適正はまずまず。
【その他】
前走と前々走は斤量52kgと軽く、今回6kg増となるのはどうか。また鞍上のティータン騎手は日本の重賞で(0-0-0-6)と母数が少ないとはいえ結果を残せていないのも気になる。
【総合評価】B-

モズメイメイ

【血統】
父リアルインパクト×母父Frankel、
父がサンデー系かつ主流条件に強いディープインパクト系なのは△。
また父も母父もマイルGI馬なので、スプリント戦の高速馬場に合うかは疑問符。
本レース向きではない血統構成。
【適正】
3歳時に葵S(GIII・京都1200m)で1:07.1と好時計で勝利しており、高速馬場に対応できそうではあるが、それ以降は高速決着実績がないのは不安。
3走前の北九州記念(GIII・小倉1200m)では前半3F32.3秒のハイペースで0.4秒差の3着、2走前のアイビスSD(GIII・新潟1000m)では前半3F32.5秒のハイペースで0.1秒差つけて1着ハイペース適正は高い
ただハイペースに対応した2走はいずれも差し競馬で結果を残しているので、今の前が止まらない馬場は△。
本レースの適正はまずます。
【その他】
休み明けから夏競馬を3戦使われており、今回が明け4戦目。余力が無いように思える臨戦過程は評価できない。
【総合評価】B-

ルガル

【血統】
父ドゥラメンテ×母父New Approach。
父も母父も非サンデー系の非主流血統なのは良い。
母父が1400mGI馬なのは評価できる一方、父は中距離GI馬かつサンデー系に次ぐ主流血統のキングカメハメハ系なのは△。
相対的には評価できる血統構成
【適正】
7走前の葵S(GIII・京都1200m)では3歳限定戦とはいえ1:07.1の高速決着を0.1秒差の2着、3走前の京阪杯(GIII・京都1200m)では1:07.4の高速決着を0.3秒差の2着高速馬場への適正はそこそこある
また2走前のシルクロードS(GIII・京都1200m)では前半3F33.4秒のハイペースを0.5秒差つけて1着ハイペース適正は十分ある。
さらに若干スタートに不安はあるが基本的には先行できる脚質なので、今の前が止まらない馬場は合うだろう。
本レースの適正は高いだろう。
【その他】
前走の高松宮記念(GI・中京1200m)での敗因はスローペースの可能性が高いと考えているが、急坂が苦手な可能性もあり。前走以外の芝の実績は直線平坦コースのみで判断できないが果たして。
【総合評価】B

ヴェントヴォーチェ

【血統】
父タートルボウル×母父Distant View。
父も母父も非サンデー系の非主流血統なのは良い。
また母母父が高速馬場に強いBold Ruler系なのも良い。
ここまでならかなり評価できる血統構成
ただタートルボウル産駒は揉まれ弱い血統なので、内枠は△。
内有利になりやすい本レースの傾向と反する血統があるのはあまり歓迎できない要素。
【適正】
2年前の春雷S(L・中山1200m)では斤量55kgとはいえ2着に0.5秒差つけて1:06.8のかなり優秀なタイムで勝利、去年のオーシャンS(GIII・中山1200m)では2着に0.3秒差つけて1:07.4の好時計で勝利コース適正・高速馬場適正は申し分なし
また前述の春雷Sでは前半3F33.2秒のハイペースで勝利しているので、ハイペース適正も問題なし
ただ位置取りは中団ぐらいの差し馬なので、今の前が止まらない馬場はやや展開不利か。
本レースの適正はそこそこ高め
【その他】
本馬は揉まれることを嫌うため、外枠からスムーズに外を回すことが必須。内をロスなく回すことが好走条件となる本レースの傾向とは反している。また1年半ぶりの実戦となる臨戦過程も評価できない。
【総合評価】B-

まとめ

全頭診断の結果をまとめると以下の通り。

【A評価】

サトノレーヴ

【B+評価】

ウイングレイテスト、マッドクール、ママコチャ

【B評価】

ナムラクレア、ルガル

【B-評価】

ウインマーベル、トウシンマカオ、ビクターザウィナー、ピューロマジック、ムゲン、モズメイメイ、ヴェントヴォーチェ

【C評価】

エイシンスポッター、オオバンブルマイ、ダノンスコーピオン

以上。

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