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エピファネイア産駒の古馬

2月12日(日)に行われる京都記念(GII)にて、エフフォーリアが2023年初のレースに挑みます。
エフフォーリアといえば、3歳時に皐月賞、天皇賞・秋、そして有馬記念とGI3勝をあげてその年の年度代表馬に選出されました。
しかし4歳になった昨年は始動戦の大阪杯で9着と大敗すると、宝塚記念で6着、有馬記念で5着と勝利はおろか、3着すら叶いませんでした。
何故エフフォーリアは去年1度も勝てなかったのか?
相手が強かった、調子が悪かった、展開が向かなかった…様々な原因があげられていますが、その中の1つにエピファネイア産駒の古馬であるからという声もあります。

エピファネイア産駒はいわゆる早熟型の血統とされていて、前述のエフフォーリアや三冠牝馬のデアリングタクト、2歳女王のサークルオブライフ等2・3歳時に活躍する馬を多く排出しています。
一方で古馬を迎えると勝利数が一気に減少し、特に重賞では昨年のある時期までアリストテレス(21年1月AJCC)しか勝利がありませんでした
そのアリストテレスも20年12月まで3歳であったことを踏まえると、古馬だけど実質3歳時の成績として考えられてもおかしくありません。
しかし、昨年10月にエピファネイア産駒の古馬として重賞を勝利した2頭目の馬が現れました。
それがイズジョーノキセキです。
しかもアリストテレスとは違って古馬になってから1年10ヶ月目での勝利でした。
さらに勝利こそしていないものの、前述のデアリングタクトは5歳で昨年6月の宝塚記念3着と今もGIで通用する力を見せていますし、ジャスティンカフェも4歳で昨年10月の毎日王冠を0.1秒差の2着と重賞勝利まであと一歩でした。
では、同じエピファネイア産駒の古馬でも重賞で好走する馬と凡走する馬の違いは何処にあるのでしょうか?

まずエピファネイア産駒の古馬で中央重賞好走経験があり、かつ古馬になってから中央重賞に出走したことがある馬を以下に列挙してみます。
(ここで言う好走は3着以内を示すものとする)
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(以下五十音順)
アリストテレス(牡6・現役)
イズジョーノキセキ(牝6・現役)
ヴェローナシチー(牡4・現役)
エフフォーリア(牡5・現役)
オーソクレース(引退)
クラヴェル(引退)
シーズンズギフト(引退)
ジャスティンカフェ(牡5・現役)
スカイグルーヴ(牝6・現役)
デアリングタクト(牝6・現役)
ムジカ(引退)
ワールドリバイバル(牡5・現役)
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次に上記の馬の中から、古馬になってから重賞で好走したことがある馬とそうでない馬に分けてみましょう
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(4歳以降に重賞好走歴あり)
アリストテレス(AJCC1着、京都大賞典2着)
イズジョーノキセキ(府中牝馬S1着)
クラヴェル(エリザベス女王杯3着など4回)
ジャスティンカフェ(毎日王冠2着)
スカイグルーヴ(京都牝馬S2着など2回)
デアリングタクト(宝塚記念3着など3回)

(4歳以降に重賞好走歴なし)
ヴェローナシチー
エフフォーリア
オーソクレース
シーズンズギフト
ムジカ
ワールドリバイバル
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そして最後にこれらの血統を調べてみます。
もちろん父は全員エピファネイアなので、母父を見てみましょう。
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(4歳以降に重賞好走歴あり)
アリストテレス(母父ディープインパクト)
イズジョーノキセキ(母父キングカメハメハ
クラヴェル(母父キングカメハメハ
ジャスティンカフェ(母父ワークフォース
スカイグルーヴ(母父キングカメハメハ
デアリングタクト(母父キングカメハメハ

(4歳以降に重賞好走歴なし)
ヴェローナシチー(母父ゼンノロブロイ)
エフフォーリア(母父ハーツクライ)
オーソクレース(母父ディープインパクト)
シーズンズギフト(母父ゼンノロブロイ)
ムジカ(母父ディープインパクト)
ワールドリバイバル(母父アグネスタキオン)
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見比べてみると面白い傾向があることに気付くかと思います。4歳以降に重賞好走歴がある6頭中4頭は母父がキングカメハメハなのです。
さらにジャスティンカフェの母父であるワークフォースはその父の父がKingmamboで、これはキングカメハメハの父でもあります。
つまり6頭中5頭は母父がKingmambo系の血統である、ということが分かります。
また好走歴がない6頭は全て母父がサンデー系であることも分かります。
ただアリストテレスも母父がサンデー系のディープインパクトなので、必ずしも母父がサンデー系だからと言って4歳以降に重賞で好走できなくなるとは限らないです。

以上のことをまとめると
母父がKingmambo系のエピファネイア産駒は4歳以降も重賞で好走できる可能性が高い。
②母父がサンデー系のエピファネイア産駒は4歳以降は重賞で好走できる可能性が低い。
(ただしアリストテレスのような例外もあるので、安易な判断は禁物)
となります。

エピファネイア産駒は2・3歳時に活躍が多く、早熟の傾向が強いことは事実です。
だからと言ってエピファネイア産駒の古馬は買わないという考えは、予想において危険だということがお分かり頂けたでしょうか?
次回からの予想の参考になれば幸いです。

以上。

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