「ノマドワーカーとは」ノマドワーカーという単語が誤用・悪用されすぎている件について
数年前から、「ノマドワーカー」や「ノマド」、「ノマドライフ」という言葉をひんぱんに見るようになりました。
しかし、残念ながらほとんどは誤用あるいは自分ブランティング目的の恣意的な悪用がされています。というわけで、この記事では、「ノマドワーカーとは何か?」、その定義を確認しながら、ノマドワーカーが誤用されているケースを指摘したいと思います。
ノマドワーカーとは、現代版の遊牧民である。
ノマドとは遊牧民のことです。英語のNomadという単語からきています。元々の遊牧民はモンゴルのように、ゲルのような馬での運搬が可能な住居で生活し、定期的に生活拠点を変更します。
現代の遊牧民は移動に車を利用しますが、生活拠点を変える、つまり引越しを頻繁にするという点では同じです。
英語では、私のようにリモートワークをしながら旅をする人を「デジタルノマド(Digital Nomad)」と呼びます。
しかし、リモートワークではなくも、ノマド的に生活をすることは可能です。例えば、小規模のサーカスは機材を積んだトレーラーとキャンピングカーで公演先から公演先に移動しながら生活をします。生活拠点をらしい生活拠点はありません。
ちょっと緩めに定義をするなら、2〜5年単位で転勤するサラリーマンもノマドワーカーです。また、出張が多すぎて、年の大半をホテル暮らしする人もノマドワーカーと呼べます。
ノマドワーカーという単語の誤用、しい的な誤用
しかし、生活拠点を変えないのに「ノマドワーカー」を自称する人もたくさんいます。
普段は東京のオフィスで働き、たまに東京のカフェや自宅で働き、生活拠点を一切変えないのに「ノマドワーカー」を自称するブロガーもたくさんいます。
彼らはノマドワーカーではなく、リモートワーカーや在宅ワーカーです。
では、ブログという物書きを副業や本業にしているのに、本来の意味を知らないはずがないでしょう。おそらく、アクセス稼ぎ、セルフブランディングのために、あえてノマドワーカーという言葉を使っているのだと思います。
個人的には、そういうやり方は好きになれません。
ノマドワーカーというライフスタイルビジネス
英語・日本語問わず、ほとんどのノマドワーカーの収入源は、情報商材やセミナーです。
「おれの真似をすれば、こんな自由でクールなライフスタイルが簡単に手に入るぜ。やることは簡単さ。適当にそれっぽい写真をとって、それっぽいことを書いて、おれの真似をすればノマドワーカーになれるぜ。情報量は10万円な。」という手口です。
こういう商売はキャリアにならないので転職が困難です。そして、ほとんどの人が真似できないので、「バカをカモにして儲ける」ということに抵抗があるとできません。アフェリエイトで儲けるには、アフェリエイトで儲けるための情報商材を高値で売るのと同じですね。個人的には、好きになれない稼ぎ方です。
私のように、ブログで全然稼げていないし、稼ぐつもりもほとんどない人はごく一部です。少なくとも、日本人でそれをしている人は2、3人しか知りません。私はフリーの翻訳家・マーケターとして、お客さんにきちんとサービスを提供して対価を受け取っています。転職に有利なスキルも身につくので、頻繁に転職エージェントから正社員のオファーがあります。
海外では、じつは私のような人がけっこういます。フリーのウェブデザイナー、エンジニア、グラフィックデザイナーなどがデジタルノマドの主なデモグラフィックです。リモートフリーランスを雇うことに抵抗が少ない英語圏に営業ができないと、ノマドワーカーとして生計を立てるの困難でしょう。
おわりに
なんだか、うまくまとまらない記事でしたね。とりあえず、ノマドワーカー、自由、ノマドライフなどのキャッチーな言葉にだまされて、情報商材を購入する人が減ることを望みます。
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