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新興技術に関するルールメイキングの方向性と 可視化ツールの可能性

本日(2021/9/16)、下記のWebinarを聴講しました。講演内で紹介されていた関連情報や、私の知っている関連情報をブックマーク的にメモします。

サイバーダインのルールメイキング活動に関する論文

池田さんの論文「Regulation and innovation under the 4th industrial revolution: The case of a healthcare robot, HAL by Cyberdyne」サイバーダイン社のルールメイキング(標準化)活動のケーススタディです。日本語では、「イノベーションを社会実装するための国際ルール戦略:メディカル・ヘルスケアロボット「HAL」の事例研究から」が2019年10月に発行されています。

『サピエンス全史』から考えるルールとイノベーション

池田さんがモデレーターをされた過去のセミナーコラムです。

OSINTech社

小田さんの会社であるOSINTechです。世界中の政策文書をクローリングし、自然言語処理やデータ可視化技術によって分析するサービスを提供しています。あらゆる国の情報を収集して検索できるようにしている点、英語に機械翻訳している点、様々な観点で分析できるように地域名・人名といったキーワードを抽出している点(固有表現抽出)、インタラクティブな可視化分析など、技術的にも気になるところが多かったです。

TREnd Model by UZABASE

最近、UZABASEが発表したテクノロジートレンドを見通すためのモデル(TREnd Model)です。技術、規制、顧客の課題を組み合わせたモデルで、規制先行型、規制遅行型、政策推進型、顧客中心型の4つのパターンを提示しています。

政策文書と学術文献のリンケージ

特許と論文の引用関係を元に、サイエンスとテクノロジーの連関を分析するサイエンスリンケージという考え方がありますが、政策文書と学術文献の連関(いわば、ポリシーメイキングリンケージでしょうか?)を分析できるデータベースがリリースされています(overton)。本日のセミナーでも、OSINTech社が政策文書と学術文献の繋がりを整備中ということを仰っていました。楽しみです。

NISTEPデータ分析政策研究室

小柴さんはNISTEPデータ分析政策研究室の研究者です。この部署は今年新設されたところで、プレプリントによる学術情報流通の変容や、論文・特許のテキストデータを使った科学と技術の連関分析といった取り組みをしています。後者については、特許・論文の類似度を可視化するツールを開発しており、文科省の職員が使える状況のようです。理研・革新知能統合研究センターとの共同研究も推進しており、NISTEPの進化と科学技術・イノベーション政策におけるEBPMの推進が楽しみです。

次回SciREXセミナーのテーマ

今回のサイバーダインのケースにも関係しますが、標準化ビジネスをテーマに、「標準化ビジネス戦略大全」の著者がスピーカーをされるようです。