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両毛線という悲劇。
群馬県の高崎駅(正式には新前橋駅)と栃木県小山駅を結ぶ、両毛線という路線がある。前橋に帰省する時に乗るのだけれど、この「両毛」という言葉には、いつも複雑な気持ちになる。
両毛=2つの毛、である。上毛は、上毛新聞という地方紙があるように群馬県を指す。となると、必然的に栃木は下毛となる。下の毛、これは、嫌だろうなーといつも思うのである。栃木の地元紙には、下野新聞というのがあって、下野と書いて「しもつけ」と読むのではあるが。
限られた一部の範囲に限ったことかもしれないけれど、栃木の人のvs群馬の対抗心は、案外、両毛という言葉に原因があるんじゃないかと睨んでいる。どちらが田舎者(カッペ)かどうか。そんな些末な争いをよく耳にしたし、実際に言われたこともある。
実際の両毛線は、栃木の下部をかすめるように走るだけ。だから、両毛線と言われても、地元の人はさほど意識しないのかもしれない。ただ、桐生駅の一駅となりには、なぜか「小俣」という駅があるというのも奇妙な符号である。
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