鈍色の下のキャンバスに
定点観測
4連休明けの火曜は、近くのショッピングモールへ。
外出時の動線を極力短くしながら物資調達を済ませることができ、しかもカード決済で現金の節約が叶い、市内の日常の定点観測も可能になるという点で便利な場所だ。先週と比べると、利用可能な出入り口と利用客が増えた印象を受ける。
長らく機能していなかった、入り口横のATMも復活。待ち時間10分ほどで出金を済ますことができた。単なる偶然かもしれないが、市内各所で見かける「出金行列」とは無縁のスムーズさであった。
内部の開店率は4割程度だろうか。閑散とした雰囲気に慣れすぎてしまっているため、これでも盛況な感覚に陥る。
フードコートでも、デリバリーのスタッフだけではなく、歩き回る客の姿が以前より多く見受けられ、若干ながらも賑わいは感じられた。
際立ったのは、とあるモバイルwifiのコーナー。ここは明らかに違った。
国内のモバイル通信が切られた今、その需要が急騰しているのであろう。普段ならまず目にすることのない人だかりが、フロアの中で目を引いた。
停電、炎上。そして遮断
翌日は月末。この日、アメリカから到着したCNNの記者がヤンゴン市内で取材を開始したことがSNSを賑わせた。
しかし、始終「ガイド」が同行し、取材対象者も「選りすぐられた」方々であったようだ。その「役者」以外が舞台に上がると、予想裏切らずこのようになる。
不可解なのは、取材と時を同じくして発生した停電である。ミャンマー全土で13時半から17時頃まで、一斉に電気が止まった。
多くの工場やオフィスが休止していることを考えれば、電力需要逼迫の可能性は薄い。また、モバイルネットワークが遮断されている今、停電による固定回線の停止は即ち、全面的な不通を意味する。
真因は何であったのか。様々な憶測を呼ぶ出来事であった。
明くる4/1。日本では多くの人にとって、新たな門出になる1日だ。
タイムラインにあふれる新社会人へのエールや新年度への決意、さわやかな春風に思いを巡らせると、つい笑みが浮かぶ。しかし、そんな春の香舞う日にすら、ミャンマーでは黒煙が立ち昇る。
同日未明、2つのスーパーから出火し、ほぼ全焼となった。
このうちの1つは、何度も行ったことのある場所。偶然近くを通りがかった時に見かけると、再起不能であることが容易に察せられるほどの有様であった。不審火らしいが、真相は依然闇の中である。
翌2日からは、ブロードバンドwifiの遮断が始まる。上述のモバイルwifiを含めた、ファイバー回線以外の通信が使えなくなった。
長時間待った末にやっと手に入れた方々の心中を慮ると、言葉がない。それにしても、なんという新年度か…。
曇り空
ここ数日は曇天が続き、昨夜遅くは激しい雨が降った。暑さこそ引いたものの、高い湿度に朝から面食らう。心持ちの現れだろうが、みずみずしさよりも重々しい印象の強い朝を迎えている。
洗濯物の処理と、蚊との格闘に悩む時期の到来を憂う一方、新たな試みの準備に心は沸き立つ。
近々、Dream Trainにてキャリア教育を行う予定である。
藤原和博氏の「よのなか科」をモデルとしながら、複数回に分けて、人生設計の一助となりうる思考トレーニングを実施していく。実のある「考えるヒント」を展開すべく、あらゆるリソースを総動員して準備を整えている。
当然ながら、完コピはしない。前提があまりに違いすぎて伝わらないからである。
エッセンスはそのままに、どのようにアレンジすべきか。伝える順番はどうか。ミャンマー語での言い換えは適切かなど、四方八方に想いを巡らせて組み立てていくが、果たしてどんな風にまとまるか。
灰色の空の下、世界をもっとカラフルに。目の前がたとえ何色であろうとも、自分次第で如何様にも塗り直せる。
そう願いながら、参考資料の『ドラゴン桜2』を読んでいく。
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