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皐月〜されど眦はゆるまず

苦悶
日曜月曜と、2夜連続の停電であった。23時頃に暗黒世界に落ちては、朝6時まで戻れない。
夜の気温が30℃近くあるこの時期、じりじりとした暑さに包まれ、汗まみれで夜中に目を覚ます。ジェネレーターも動かせず、寝るに寝れない数時間が続く。さらには、夜間のインターネット遮断が解除されたという噂の検証も、wifiの固定回線が動かないため不可。何かとギブアップな夜を過ごした。

疲れがとれないまま朝を迎え、水シャワーを浴び、コーヒーを流し込んで仕事に立ち向かう。朝からの授業のため、エネルギーを午前に傾斜させる作戦でいく。

頭が少々ぼんやりするのは致し方ないとして、なんだか腹の調子もおかしくなってきた。
連日の停電によって、冷蔵庫の乳製品がやられたか。毎朝口にしている牛乳とヨーグルトのいずれかであろうが、すべてを廃棄するには惜しい量のストックだ。怪しそうなところから「身をもって」検証し、なんとか最小限のロスで済ませる。おかげで、2日ばかり苦しむこととなったのだが。

睡魔
そんな夜を経ながら、日中は立て込む予定をひたすらこなし、週の半ばは朝7時にATMに向かう。この時間でも、目測100人以上がすでに列を作っている。
即座に見切っては、違う銀行のATMを覗きにかかると、そこは過疎状態。5分も待たずに現金が入手できた。ちなみに、昼にはこのような光景が常態化している。

仕事場に戻っては、緊急連絡を受けてその処理に動く。その結果、ここ何週間も頭を悩ませていた懸案事項が解決にいたる。
映画『カイジ』のBGMが脳内再生され、大きな一息をついた。昼間から”キンキンに冷えてやがる“ビールを煽って、例の決め台詞を吐きたかったが、在庫がないため果汁100%のオレンジジュースで代用。悪魔的ではなく、健康的だ。

その安堵感と寝不足からか、いつもの3倍速で眠気が訪れる。
20時過ぎ、読みかけの本を机に置いてうたた寝かまそうと目を閉じたら、目覚めたのは23時半。ここは身体の声を聞こうと素直に納得し、そのまま寝入った。

再会
ミャンマー正月以降、デモも様変わりした感がある。
かつてのような、大人数で街の一角や目抜き通りに集い、大声で反意を叫ぶ光景は見られなくなった。代わりに、“即集即散”のフラッシュモブを模したような形態に変化しているようだ。

そんな中、吉岡医師の講演会にリモート出演した。
講演会の味付けとして各事業地を中継でつなぎ、現地の様子を伝えるというもの。私は口頭にとどまったが、かなり整った現地リポートを見せた場所もあった。しかし、何よりも驚いたのは、その講演会の参加者に学生時代の友人がいたことだ。通信テストの際に顔を合わせ、予想外のオンライン再会と相成った。

かの日、オーケストラでともに舞台に立った者同士。よもやこんな形でまた巡り会おうとは…。縁という不思議な力が紡いだ導きに、不可思議さと朗らかさが同居する。本当に、どこで何があるか分からないものだな。

そんな喜びとともに、季節は5月へ。
ホッとしたのも束の間、地元の地震に慄いては、未だ解決に至らぬ問題に向き合い、眦はゆるまず。ついぞ最近も、行動範囲のショッピングモールで爆発騒ぎが2件あった。一瞬たりとて、油断はできない。外出時の自衛策も、今一度見直した。

久々に出勤したスタッフの料理に元気をもらい、気合を入れ直しての5月が始まった。

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