見出し画像

言葉は暑さと決意に消えて

酷暑
暑い…。雨季はもうすぐというこの時期、朝から厳しい暑さが続く。
日中は、エアコンの設定温度22℃で何とか耐えられる室温になり(ミャンマーでデフォルトの16℃にはしないようにしておく)、少しでも外に出れば、強烈な日差しに溶けそうになり。

時折やってくる「お約束」の停電に舌打ちをしながら、早期の復帰をひたすら祈ることの繰り返し。しかし、睡眠時間帯の12-6時に当たると、もはやなす術はない。それに加えて、牛乳を買ってくるタイミングに限って停電が直撃するのは一体何なのだろうか。

覚悟
毎朝聴いているBBC Global News Podcastでは、ミャンマーが取り上げられることが2月以降多くなってきている。今週は、医療事情にフォーカスしたインタビューが放送された。

出演したのは、都市部に住む乳がんを患う女性。以前までは政府病院で治療を受けていたが、医療者の職務放棄運動で医療行為が停止しているため、現在は通院できない状態とのこと。
代替策として私立病院に通おうとすれば、その治療費はとてつもない額になってしまう。したがって、治療自体が止まってしまっているそうだ。

驚いたのは、当人がこの状況を「受け入れる」と話していたこと。
たとえこの命を失うことになろうとも、それが「果たすべき大義」のためであるならば構わないと、力強く言い放っていた。

なんとも複雑な思いがした。似たような話は過去にも聞いたことはあったが、決然と言い切るその凄まじき決意に、何と言ったらいいか分からない。
誰しもが賛同する意見ではないのだろうが、受け止めるには時間のかかる言葉であった。朝から、じっと考え込んだ。

止めない
そんな中、4月中旬から始まったキャリア教育は順調に推移していく。
第3講目に入り、こちらも受ける側も「間合い」が分かってきた。当初描いた指導案の通り、無駄なく無理なく進めることができている。

Padletの使い方にもすっかり慣れたおかげで、全体への問いの時間でも、特定の誰かに発言が偏ることなく、全員が何かしらのリアクションを提示してくれる状況ができてきている。
問い自体が難しく、長く頭を悩ませる瞬間もあるが、いいことだ。「全員の脳みそを止めない」というスタンスをひたすら貫くのみ。

社会と労働の変化、VUCA、付加価値、希少性…。きっと今まで、聞いたことのなかった話ばかりだろう。だが、どれもが知っておくに値すること。それを受けて自分はどうすべきか、自分で考えるしかないのだ。そのきっかけを、この夏の間につかんでほしい。

どうか、心ゆくまで悩みなさい。その時間がいつか、糧になるから。
額の汗を拭って、画面上に次々と浮かんでくる回答を眺めながら、そう思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?