日本演出者協会にがっかりした話

タイトル通りの話です。

先日、若手演出家コンクールに応募しました。
応募したきっかけは、前年に最優秀賞を取られたニノキノコスターさんが、出せば講評をもらえる、とりあえず軽い気持ちで出したら(凄まじい要約)とツイートしていたからです。(それは全然悪いことではありません)


そして、軽い気持ちで出したらとても不愉快な思いをするはめになりました。

結果なのですが、一次で落ちてしまいました。
これはしょうがないことです。
そもそも私の芝居はこういうコンクール向きではないことは分かっていましたし、今回はどんな講評がもらえるのだろうと思って出したということが一番大きかったのでそこは気していません。そして結果にも異論はありません。

私ががっかりして、こんな恥ずかしいnoteを書くに至った経緯は、肝心の講評が、心底酷かったからです。
とても同業者が書いたと思えない講評をいただき、誰が書いたか知りたいと思いました。講評用紙にはその講評が誰が書いたかは記名されていませんでした。(あと、講評は抜粋らしいです)
もちろん真摯にしっかり講評というものを書いて、アドバイスしてくれた方もいらっしゃいましたが、5人くらい書かれている中の2人はとんでもない講評で、これはただの感想レベルで、無記名ですから悪くいえば便所の落書きと同じです。本当に演出家なのだろうかと疑うほどでした。
転載不可と書かれていているので、転載はしませんが、私の経歴を見て勝手にそう思ってるだけだろうという決めつけや自身の知識不足を棚に上げた勝手な思い込み(抜粋だからでしょうか)、曲解に次ぐ曲解でよくもこんなこと書けたなというもので、大変不愉快でした。
そもそも演出家という仕事は、言葉を尽くす仕事だと思っています。キャストやスタッフに自分の意図を伝えないといけないからです。それが、受け手に勘違いされるような抜粋の講評はいかがなものだろうと思います。

こんな不愉快な講評を書くのは誰だろうと思い、日本演出者協会に問い合わせをしたのですが、公表できないとのことでした。
理由をお聞かせくださいと返信したのですが、返事は来ませんでした。
再度連絡しても無視です。
頑張って理由の一つや二つ説明してくれてもいいんじゃないでしょうか。
言葉を尽くすのが演出家ではないでしょうか(二度目)

それとも、理由はないけど、そんなこと言われると思わなかったから好き勝手書いちゃったみたいなことでしょうか。
少なくとも、このコンクールに出した人は演出家ばかりの同業者でしょう。同じ仕事をしているなら少しは言葉を選ぶべきではないでしょうか?結局無記名だから言葉選びませんでした。みたいなことでしょうか?リスペクトもなく。
私は、匿名でないなら絶対に言葉を選びます。

演出者協会から送られてきた手紙は、非常に心証良かっただけに残念でなりません。
演出者協会の主催するイベントに出て、交流を深めて欲しい旨のことが書いていましたが、無記名では、ためになる講評をくれた人に感謝を伝えたくてもできないし、便所の落書きをくれた人と話し分かり合うことも到底叶いません。

まず、応募する側は氏名を公表して、審査する側は公表しないという感覚は古すぎやしないでしょうか?
企業の面接では、面接する側もされる側も、どちらも審査されているというのはもはや常識ではないですか?その感覚がない、古の協会なのでしょうか。

最近、せんがわ劇場演劇コンクールでこんなことがありました。

この件と、上記は全然違うかもしれませんが、こういう時代にストロングスタイルの演出者協会です。

ということで、若手演出家コンクールに安易な気持ちで出すと、酷い便所の落書きが送られてくるかもしれません。
便所の落書きでも、氏名が書いてあれば納得できたかもしれませんが、本当に嫌な気持ちになりました。
もし、そういう納得できないことに遭遇するとひどく落ち込む人は、私を含めて、出すことをお勧めしません。

普段から公演で、匿名で苦言を呈されたり、嫌なことをアンケートに書かれることはありますが、それはお金を払って、お客さんとして観てくれた人の一意見であり、感想です。
決して講評、またはアドバイスといったものではありません。
ですからここまで嫌な思いはしません。

私は、ただ講評を書いた人の氏名を知りたいだけだったんですが、それもストロングスタイルで対話にすらなりませんでした。

と、この経緯を知り合いの制作者に話したら、
「あなたと同じような演出家の人間が集まってできた団体だよ。ロクでもないに決まってるじゃん」と言われました。

ちゃんちゃん、です。


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