本の表紙。サラサラの質感。

昔からマットな質感の表紙がついた本が好きだ。
今でこそ色々とネットで見かけた情報等を元に読む本を選んだりするが、小中学生時代は本屋で見つける以外に情報を得る手段は少なかったから、本屋をウロウロしながら本を選んだものだった。そんな中で僕の目を引いたのは、マットな質感の表紙を纏った単行本。見つけるとタイトルや帯はそこそこに、取り敢えず手にとっていた事を今でも思い出す。
その証拠に未だに残っている当時買った単行本の表紙はマットなものが多い。
何がそんなに好きなんだろうか、と今日ふと思った。というのも、丁度本屋で買ってきた本の表紙がサラサラでツヤの無い質感のもので、そこに妙に興奮している自分に気がついたからだ。
本の内容も何だが割増で面白く感じる気がするし、いつもより大切に本を扱っている気がする。おまけに何度も表紙を撫でたりする。ちょっとした変態なきもする。
なんでそんなに好きなんだろうか、と考えてみたけどわからない。それも当然で、好みの男性/女性のタイプを聞かれて答えて、「その好きな理由は何で?」なんて聞かれようもんなら答えられる気がしない。目が細くて笑うと更に細くなる女の子が好きなことの理由なんて答えようが無い。
なんとなく好きの「なんとなく」の部分が、「好き」をより深くしているのかもしれない。理由が簡単に言語化出来てしまう好きなんて、実はそんなに大したことないのかもしれない。
表紙の質感への拘りについて自分なりに分析してみようと思って書き始めたのに、たったの数百文字で何となく気持ちが落ち着いてきてしまった。
でも、「理由が簡単に言語化出来てしまう好きなんて」とか言ったけど、やっぱり豊かなワードセンスで自分の情緒を表現出来る人は素晴らしい。
どっちだよ!というツッコミを思わず自分にしてしまう。
もう、堂々巡りだな〜とサラサラの表紙を撫でながら思った。

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