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【武蔵野ステークス(G3)回顧~その先へ】血統篇

【武蔵野Sの結果】
レースは、中団前方から直線で力強く脚を伸ばしたドライスタウト(2人気)が、後方3番手から追い込んだタガノビューティー(6人気)に1.3/4馬身差をつけ優勝。さらに1.3/4馬身差の3着にレッドルゼル(5人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「差し・追込」が過去10年のうち8勝を挙げていて、1~3着馬30頭のうち19頭が該当。次に「上がり最速馬」が過去10年で6勝をマーク。今年の出走馬ではセキフウ(8着)、タガノビューティー(2着)、レッドルゼル(3着)など。最後に「三浦騎手」が過去10年で6回騎乗して[2-1-1-2]複勝率66.7%の好相性。今年はヴァルツァーシャル(7着)に騎乗。

血統面で、最初に「父が米国型、特に母父も米国型かミスプロ系」に注目。出走馬18頭中1頭内1頭(1着ドライスタウト)が馬券に絡んだ。次に「父米国型」のみに注目。出走馬18頭中5頭内2頭(1着ドライスタウト、2着タガノビューティー)がワンツー決着。最後に「母父米国型」に注目。出走馬18頭中6頭内2頭(1着ドライスタウト、3着レッドルゼル)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、ゲートを出てから150㍍ほど芝部分を走り、ダートコースへ合流。そのままスピードに乗って長い向こう正面を進むことから、速いラップが序盤に並びやすい。そのため、差し・追い込み型が優勢!?

【血 統 傾 向】
アメリカダート血脈が強調しやすい!
父が米国型、特に母父も米国型かミスプロ系。

2023年
1着ドライスタウト
父シニスターミニスター(ナスルーラ系/米)×母父ミスプロ系/米
2着タガノビューティー
父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
3着レッドルゼル
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2022年
1着ギルデッドミラー
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父マッチェム系/米
2着レモンポップ
父Lemon Drop Kid(ミスプロ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
3着バスラットレオン
父キズナ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2021年
1着ソリストサンダー
父トビーズコーナー(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
2着エアスピネル
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着オメガレインボー
父アイルハヴアナザー(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
2020年
1着サンライズノヴァ
父ゴールドアリュール(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着ソリストサンダー
父トビーズコーナー(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
3着エアスピネル
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2019年
1着ワンダーリーデル
父スタチューオブリバティ(ノーザンダンサー系/米)×母父ロベルト系/米
2着タイムフライヤー
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/米
3着ダノンフェイス
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日

【武蔵野ステークス  血 統 背 景】

ドライスタウト(牡4、栗東・牧浦充徳)は、父シニスターミニスター×母マストバイアイテム(母父アフリート)。母マストバイアイテムはJRA3勝(ダ1000~1200)。繁殖としても優秀で、JRAに出走した産駒4頭はサンライムズレイム、ヨハン、ノーリスと全てオープン~上級に出世している。父シニスターミニスターはテーオーケインズ、ミックファイア、キングズソードなどを輩出するダートのトップサイアー。母父がアフリートだからフェブラリーS(4着)のように馬群を割るようなレースは不得手だが、東京ワンターンは合うしここでは能力も一枚上。軽い馬場ベター。

JRAでデビューした兄弟全3頭がダートで勝ち上がり、半弟サンライズフレイム(父ドレフォン)は目下破竹の4連勝中。本馬は2年前の全日本2歳優駿(JpnⅠ・川崎・ダート1600㍍ル)をV。ここでJRA重賞初勝利を目指す!?

同馬は、先行勢に厳しい展開の中で初角5番手から上がり2位の末脚を使い快勝!! 走るごとに強さも増しており、今回は序盤600㍍34.5、前半800㍍46.3と今年のフェブラリーS(前半600㍍34.6、同800㍍46.6)より厳しい流れのなか、好位からゴールまできっちり走り切った。東京ダート1600㍍でハイペースを好位から押し切れるのはチャンピオンクラス。レモンポップにも引けを取らないレース内容だっただけに要注目!?

タガノビューティー(牡6、栗東・西園正都)は、父ヘニーヒューズ×母スペシャルディナー(母父スペシャルウィーク)。半兄のタガノブルグはNHKマイルC2着馬で、母はJRA1勝馬。父ヘニーヒューズはストームキャット系でダート志向の強い種牡馬。モーニンやニューモニュメントなどの父。母父スペシャルウィークだから母系にニジンスキーを持ち、大型馬でも斬れる脚。元々1400mくらいが良かったが、年齢を重ねズブさが出て今はマイルくらいがちょうどいい。揉まれない競馬をするのが理想で、東京ワンターンは1番合う舞台。実績的にもここでも上位。

3年連続の本レース参戦。過去2回の挑戦はともに6着も、きっかけ一つで上位を狙える走りだった。好メンバーがそろっていた前走・マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ・盛岡・ダート1600㍍)も4着。相手なりに走れるだけに、警戒が必要??

同馬は、スタート後方からレースを進めるのはいつものことで、ラスト400㍍までは12番手、そこから1頭だけグイグイと脚を伸ばして2着入線。今年からブリンカーを着用し、それがプラスに!? 次走(G1フェブラリーS)、来年は7歳も侮れない一頭!?

レッドルゼル(牡7、栗東・安田隆行)は、父ロードカナロア×母フレンチノワール(母父フレンチデピュティ)。母のフレンチノワールはJRAダートで4勝。レッドヴァンクールの甥にあたる血統。父のロードカナロアは世界で活躍したスプリンター。母系がフレンチデピュティにフジキセキとダートのスプリント適性は高めの血統構成。本質は短いところがいいが、今年のフェブラリーS2着の内容からもマイペースで動いていければマイルまでは圏内。ドバイ以来ですし、長期休養明けでどこまでやれるかは課題で、実績は上位で軽視は禁物??

2021年のJBCスプリント(JpnⅠ・金沢・ダート1400㍍)をはじめ、ダートグレードレースを3勝。2走前のフェブラリーS2着など、実績は上位。東京向きの強烈な末脚を備えており、ここはV圏内!?

同馬は、離れた後方集団から末脚にかけ、溜めるだけ溜めないと最後まで脚を使えない弱みはあるが、1600㍍は距離適性としてはギリギリで3着入線。次走(G1フェブラリーS)、8歳馬だからと軽視をすると痛い目に??


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