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【AR共和国杯(G2)回顧~その先へ】血統篇

【AR共和国杯の結果】
レースは、中団後方でレースを進めたゼッフィーロ(1人気)が、直線で馬群を割って抜け出し、2着のマイネルウィルトス(5人気)に1馬身差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にチャックネイト(2人気)と同着でヒートオンビート(4人気)が入り、ほぼ本命決着!?

傾向面からみると、まずは「上がり最速馬」が[3-2-3-2]複勝率80%と圧倒的な成績。出走馬では前走上がり最速馬2頭(マイネルウィルトス2着、レッドバリアンテ7着)。次に「リピーター」過去の1~3着馬が翌年以降も馬券に絡む傾向があり、今年は2021年2着マイネルウィルトス(2着)、22年2着ハーツイストワール(6着)、同年3着ヒートオンビート(3着同着)が該当。最後に「目黒記念1~3着馬」にも注目。23年目黒記念1着ヒートオンビート3着同着でした。

血統面で、欧州指向の末脚に優れた血から「父欧州型」に注目。出走馬18頭中7頭内2頭(2着マイネルウィルトス、3着同着ヒートオンビート)が馬券に絡んだ。また、「母父欧州型」に注目。出走馬18頭中5頭内2頭(1着ゼッフィーロ、3着同着チャックネイト)が馬券に絡んだ。なかでも、「トニービン、ロベルトの血を引く馬(5代血統内)」に注目すると、出走馬18頭中3頭内1頭(3着同着チャックネイト)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、東京競馬場2500㍍コースは坂の途中からスタートするため坂を2度越えなければならないタフなコース。舞台経験、適性も重要視したい。

【血 統 傾 向】
欧州指向の末脚に優れた血!!
トニービン、ロベルトの血を引く馬(5代血統内)。
グレイソヴリン系、キングマンボ系、ディクタスの血を持つ馬。

2023年
1着ゼッフィーロ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着マイネルウィルトス
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ヘイロー系/米
3着同着ヒートオンビート
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着同着チャックネイト
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2022年
1着ブレークアップ
父ノヴェリスト(スターリング系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ハーツイストワール
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ダマスカス系/米
3着ヒートオンビート
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着オーソリティ
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2着マイネルウィルトス
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ヘイロー系/米
3着フライライクバード
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ロベルト系/欧
2020年
1着オーソリティ
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2着ラストドラフト
父ノヴェリスト(スターリング系/欧)×母父サンデー系/日
3着サンアップルトン
父ゼンノロブロイ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2019年
1着ムイトオブリガード
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着タイセイトレイル
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
3着アフリカンゴールド
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米

【AR共和国杯 血統背景】

ゼッフィーロ(牡4、栗東・池江泰寿)は、父ディープインパクト×母ワイルドウインド(母父Danehill Dancer)。母は仏1000ギニー3着のワイルドウインド。曾祖母はラヴズオンリーミーを輩出、リアルスティールやラヴズオンリーユーなどと同じファミリー。父ディープインパクトに母父がデインヒルダンサー。ディープ×欧州血統で奥のある血統構成。重心が低めのピッチ走法で、使える脚が短く道中のポジションがキーポイント?? 前走のオールカマーは上手い感じで脚が溜まった分最後まで伸びて3着。

春の目黒記念3番人気4着。3歳2月のデビュー戦から前走のオールカマーまで11戦して馬券圏内から外れたのはこの1戦のみだが、この時は重賞初挑戦で、しかもメンバー最速の末脚を使ってのものだった。前走オールカマーでは逃げたタイトルホルダーをクビ差まで追い詰めた3着。まだまだ伸びしろを感じさせる馬だけに、J.モレイラ騎手の手綱さばきにも注目!?

同馬は、道中中団の後ろのインコースに位置し、まず動かない。直線で馬群を割って抜け出しゴールまできっちり伸び優勝。今後、6レース連続で上がり最速の末脚を使っている馬で、非根幹距離にも強いだけに、有馬記念に出てきたら侮れない存在!?

マイネルウィルトス(牡7、栗東・宮徹)は、父スクリーンヒーロー×母マイネボヌール(母父ロージズインメイ)。マイネルラウレアの半兄で、母マイネボヌールはJRA4勝(芝1400~1600)。母母コスモフォーチュンは北九州記念勝ち。コスモプラチナやファイトガリバーなども同牝系。スクリーンヒーロー×ロージズインメイはマイネルグリットやマイネルジェロディなどと同じでよく走る配合。いかにも小回りコースに向いた血統だが、AR共和国杯でも目黒記念でも2着があり侮れない。ロベルト系だけに東京2500ならスローのほうが狙い目か!?

昨年の本レース2着馬で、昨年春の目黒記念2着馬。東京競馬場2500㍍コースは【0-2-0-0】。1年休んで3戦を消化しているが、勝てないまでも堅実なレースを繰り返している。負担重量の見直しに伴って1㌔増となったが、むしろ恵まれたとも見れる。ここは得意な距離コースで復活ののろしを上げるチャンス!?

同馬は、後方待機から4角では外を回す競馬となり、キレないがバテないマイネルの馬らしく末脚が衰えず2着入線。父スクリーンヒーローの持続力と粘り強さを見事に体現する一頭で、もっとスタミナを要する流れになるか、道悪になれば、勝利も視野に!?

ヒートオンビート(牡6、栗東・友道康夫)は、父キングカメハメハ×母マルセリーナ(母父ディープインパクト)。ラストドラフトの半弟で、グランデッツァやギャラントウォリアの甥で、アビームのイトコ。母マルセリーナは桜花賞馬で、母母マルバイユはアスタルテ賞(仏G1・芝1600m)勝ち馬。キングカメハメハ×ディープインパクトはアンドヴァラナウト、ブラヴァス、ランフォザローゼスなどと同じ。母父ディープインパクトなので大箱に強い血統。脚長でどちらかといえば大箱向きの中距離馬も、良くも悪くも相手なりに走る善戦型。前走(京都大賞典)は道悪もあり9着、実績のあるコースで巻き返しは十分も、ハンデとの戦いか!?

トップハンデでも春の目黒記念優勝馬。春の日経賞がそうだったように前走は重馬場が応えた印象だが、実戦を使われた強みはある巻き返しに注意!?

同馬は、流れが厳しくペースが落ちなかったため、もうひとつ伸びきれず3着同着。東京2500㍍巧者(2021年目黒記念2着、2022年アルゼンチン共和国杯3着、今年目黒記念勝利)として、このコースに対して圧倒的な適性を持っているだけに、今後は斤量との戦いか??

チャックネイト(セ5、美浦・堀宜行)は、父ハーツクライ×母ゴジップガール(母父Dynaformer)。サトノディードやジェネラルゴジップの3/4弟で、母ゴジップガールはアメリカンオークス招待S(米G1・芝10F)勝ち馬。ブロッコやロータスランドなども同じ一族。母父ダイナフォーマーはブライアンズタイムと3/4同血のロベルト系で種牡馬として成功。アンドラステやグランシルクの母父でもある。六社Sの差し切りをみてのとおり、いかにも東京の長いところ向きのハーツ産駒。母方のパワーも感じさせる走りで、時計や上がりはかかったほうがいい。

六社S優勝馬。2500㍍コースは初めてだが、2200㍍以上で【4-1-4-2】で東京コースは【1-0-3-1】。ハーツクライ産駒なら割り引く必要はなく、血統的には十分期待したい!?

同馬は、中団で脚を溜めて、直線で末脚を活かして3着同着。ハーツクライ×ロベルト系Dynaformerであり、最後の苦しいところでも力を発揮できる。瞬発力勝負だと少し足りないが、今回のような持続力を問う流れだと粘れる。今後、出走するからには走れる態勢にあり、上がりがかかる舞台では狙っていきたい!?


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