【ラジオNIKKEI賞（G3）回顧～その先へ】血統篇

【今週のスケジュール】
02日（火）07:00頃 ラジオNIKKEI賞、北九州記念の回顧～日刊馬番コンピ篇
03日（水）07:00頃 ラジオNIKKEI賞、北九州記念の回顧～血統篇
04日（木）07:00頃 日記「術はあるⅡ～その先へ」
05日（金）07:00頃 七夕賞、プロキオンSの「徹底的にデータ分析篇」
06日（土）07:00頃 マリーンS（函館11Rダ1700㍍）の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「日刊馬番コンピ指数分析予想篇」
06日（土）19:00頃 マリーンS（函館11Rダ1700㍍）の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「日刊馬番コンピ指数分析回顧篇」
07日（日）07:00頃 七夕賞、プロキオンSの「予想篇」
07日（日）19:00頃 七夕賞、プロキオンSの「回顧篇」
08日（月）07:00頃 函館2歳S、函館記念の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　「日刊馬番コンピ指数分析予想篇」
個人的に何もなければ、上記通りに更新されます。

【ラジオNIKKEI賞の結果】
レースは、スタート一息で道中は最後方、直線で一気に脚を伸ばして差し切ったオフトレイル(6人気)が、中団追走から一旦は抜け出したシリウスコルト(4人気)にアタマ差をつけ優勝。さらに1.1/4馬身差の3着にヤマニンアドホック(5人気)が入り、中波乱決着??

傾向面からみると、2014年以降だけでも6番人気以下が13回も馬券に絡んでいるだけに、波乱ムードが漂うレース!!　今年の結果は、1着-6人気→2着-4人気→3着-5人気と中波乱決着??

血統面からみると、注目したのは「父かつ母父ともに非サンデー系（大系統）の馬」。出走馬12頭中4頭内1頭（1着オフトレイル）が馬券に絡んだ。また、パワーや底力に秀でた欧州血脈を持つ馬が優勢から「父欧州型」に注目。出走馬12頭中7頭内3頭（1着オフトレイル、2着シリウスコルト、3着ヤマニンアドホック）とワンツースリー決着。

トラックバイアスからみると、福島芝1800㍍は直線が短い小回り仕様。3～4コーナーでポジションを押し上げられるような、器用さや機動力が求められるコースである。

【血　統　傾　向】
梅雨時の開催ということもあり、例年タフな条件で施行されることも少なくないせいか、Sadler's WellsやNureyev、Robertoなど、パワーや底力に秀でた欧州血脈を持つ馬が幅をきかせている。
父かつ母父　ともに非サンデー系（大系統）の馬。
父米国型。特にサンデー系（大系統）の血を持たない馬。
父か母父が大系統ナスルーラー系。

近5年1着〜3着の父、母父の系統

2024年
1着オフトレイル
父Farhh（ノーザンダンサー系/欧）×母父ミスプロ系/欧
2着シリウスコルト
父マクフィ（ミスプロ系/欧）×母父サンデー系/日
3着ヤマニンアドホック
父ノヴェリスト（スターリング系/欧）×母父サンデー系/日
2023年
1着エルトンバローズ
父ディープブリランテ（サンデー系/日）×母父ロベルト系/欧
2着シルトホルン
父スクリーンヒーロー（ロベルト系/欧）×母父ノーザンダンサー系/米
3着レーベンスティール
父リアルスティール（サンデー系/日）×母父マイバブー系/欧
2022年
1着フェーングロッテン
父ブラックタイド（サンデー系/日）×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ショウナンマグマ
父ザファクター（ノーザンダンサー系/米）×母父サンデー系/日
3着サトノヘリオス
父エピファネイア（ロベルト系/欧）×母父サンデー系/日
2021年
1着ヴァイスメテオール
父キングカメハメハ（ミスプロ系/欧）×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ワールドリバイバル
父エピファネイア（ロベルト系/欧）×母父サンデー系/日
3着ノースブリッジ
父モーリス（ロベルト系/欧）×母父ミスプロ系/米
2020年
1着バビット
父ナカヤマフェスタ（サンデー系/日）×母父ヘイロー系/米
2着パンサラッサ
父ロードカナロア（ミスプロ系/欧）×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ディープキング
父ディープインパクト（サンデー系/日）×母父ハンプントン系/欧

【ラジオNIKKEI賞　血統背景】

オフトレイル（牡3、栗東・吉村圭司）は、父Farhh×母ローズトレイル（母父Kingmambo）。仏GIII勝ち馬のローザインペリアルの半弟にあたる血統。父のファーはピヴォタルの後継で、現役時代は英GIのロッキンジSや英チャンピオンSなど欧州のマイルから中距離路線で活躍。母系のキングマンボやデインヒルの影響が強い重厚感がある。前走は白百合Sで、道中若干行きたがり、距離的にはマイルに適性。ただ、小回りは悪くなく、スローペースにはならなければチャンスはある。

2走前・アーリントンCで勝ち馬から0秒4差の6着に頑張り、重賞で通用する素質は証明済み。前走の白百合S（リステッド・京都）2着で芝1800㍍への距離延長にも対応し、ここは楽しみな一戦となる。

同馬は、ゲート内で少しうるさく、出遅れて最後方から追走。道中は他馬が動いた時もじっと脚をためて、3〜 4角で外を回って差を詰めると直線は大外から鋭く伸び、ゴール寸前で2着馬を交わし優勝。展開が嵌まった感はあるが、コース適性も高い。

シリウスコルト（牡3、美浦・宗像 義忠）は、父マクフィ×母オールドフレイム（母父ゼンノロブロイ）。サイモンコーラルの半弟で、曾祖母レディジョアンは米GIダ10FアラバマS勝ち馬。父のマクフィはドバウィの後継で、英2000ギニーや仏ジャック・ル・マロワ賞を制した欧州マイラー。母父ゼンノロブロイは秋古馬3冠馬。母系の奥にティズナウやアンブライドルドを持ちスピード適性に寄った配合。馬個体は血統以上に距離は持ちそうで、1800㍍は全く問題はない。速いペースには向かないので緩んだ流れを希望。

2走前・弥生賞ディープインパクト記念では、果敢にハナを切って3着に好走。勝ったコスモキュランダ（次走の皐月賞で2着）から0秒4差に頑張った。前走の皐月賞（14着）こそ大敗したが、新馬戦を勝った福島コースで反撃がありそうだ。

同馬は、互角の発馬から中団の内追走。3角手前で他馬が動いた時の反応はひと息だったが、4角手前からはスムーズに進出。直線は早々に先頭に立って勝ちパターンだったが、ゴール手前で勝ち馬の強襲に屈し、2着惜敗。

ヤマニンアドホック（牡3、美浦・辻 哲英）は、父ノヴェリスト×母ヤマニンアドーレ（母父ダイワメジャー）。ヤマニンデンファレの半弟で、母母ヤマニンアラバスタは新潟記念と府中牝馬Sに勝った。その母ヤマニンリコールは函館記念2着。父ノヴェリストはキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの勝ち馬でブレークアップ、ラストドラフト、ゴッドセレクションなどの父。ノヴェリスト×ダイワメジャーはヴェスターヴァルトと同じ。母母ヤマニンアラバスタ(フォルティノ3×4)からグレイソヴリン的な斬れを受け、差しても味があるし道悪もこなすし、ここも相手ナリに駆けそうで侮れない面が。

同馬は、好スタートから好位4番手、緩みのないペースを手応え十分に追走。4角でも持ったままで、直線も内からしっかり伸びて3着確保。自在の脚質でレース運びが上手。