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【フラワーカップ(G3)回顧~その先へ】血統篇

【フラワーカップの結果】
レースは、後方を追走したエミュー(2人気)が、直線で大外から追い込み、その内から伸びていたヒップホップソウル(8人気)を差し切って、これに1/2馬身差をつけ優勝。さらに1.1/4馬身差の3着にパルクリチュード(3人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、「逃げ・先行」が圧倒的有利のはずが、馬場(不良)の影響なのか? 「差し&追込み」が1、2着。「実績不問!格より勢いが重要」「1勝クラスからの格上挑戦馬に注意」は、優勝馬エミューの前走・1勝クラスデイジー賞(1着)は初勝利に3戦を要し、5戦目で2勝の勢いはあり、十分に要注意馬だった。

血統面からみると、牝馬限定としては中距離でスタミナの血が活きる!? 欧州指向。父が欧州型ノーザンダンサー系に該当するのが優勝したエミュー(父ハービンジャー/ノーザンダンサー系/欧)。ちなみに、出走馬16頭中2頭が該当。さらに、母父が欧州型ノーザンダンサー系に該当するのが2着馬ヒップホップソウル(母父ファルブラヴ/ノーザンダンサー系/欧)。ちなみに、出走馬16頭中5頭が該当。さらに、Fairy Kingの血を持つ馬として出走馬16頭中3頭が該当する中で、ヒップホップソウル、パルクリチュードの2頭が2、3着に入線。

【血統傾向】
*タフさに関する血統は人気サイドの方が◎
*穴をあけるのはスタミナ血統!!

*スタニングローズ(父キングカメハメハ)、ホウオウイクセル(父ルーラーシップ)、アブレイズ(母父ジャングルポケット)、コントラチェック(母母父フェアリーキング)、カンタービレ(母父ガリレオ)と、ここ5年の勝ち馬はヌレイエフ≒サドラーズウェルズ=フェアリーキングの血を引いている。

2023年
1着父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
2着父キタサンブラック(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着父Gun Runner(ミスプロ系/米)×母父ミスプロ系/欧

2022年
1着父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2着父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
3着父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日

2021年
1着父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着父ゴールドシップ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米

2020年
1着父キズナ(サンデー系/日)×母父ナスルーラー系/欧
2着父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日

2019年
1着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ロベルト系/米

【血 統 背 景】

エミュー(牝3、美浦・和田正一)は、父ハービンジャー×母スーリール(母父スペシャルウィーク)。父はハービンジャー(Northern Dancer 系デインヒル)。ハービンジャーは欧州で走り、2010年のキングジョージⅥ世&QES(G1)で勝利。母父はスペシャルウィーク(サンデー系/日本ダービー、春天、秋天、ジャパンカップ)。「ハービンジャー×スペシャルウィーク」は英G1ナッソーSを制したディアドラ(全姉)と同じ。インブリード(Northern Dancer 5×5/Nijinsky II 5×5)、底力あふれる芝中距離タイプ。

初勝利に3戦を要したが、初戦は直線で進路が開かず、2戦目は出遅れと、それぞれ力を出し切れない要因があった。初勝利を挙げた3戦目は終始手応えが良く、4コーナー手前から動き始める積極的な競馬で後続を振り切る強い内容。前々走の1勝クラス・菜の花賞(中山・芝1600㍍)は外を回る形で伸び切れなかったが、距離を延ばした前走の1勝クラス・デイジー賞では、中団から初勝利時のような早めの進出で直線へ。最後まで勢いは衰えず、ゴールデンハインド(2着)以下を差し切っての2勝目となった。オープンクラスのレースは初めてだが、今回のメンバーで2勝しているのは本馬だけ。コース適性も示しているだけに、チャンスは十分!?

同馬は、道悪巧者でかつ道悪が得意なデムーロ騎手が引き出したタイム 1分53秒2は、不良馬場ではもっとも速い。今後、良馬場の重賞でどこまでやれるかはわからないが、道悪の場合は当然評価を上げたい一頭!!

ヒップホップソウル(牝3、美浦・木村哲也)は、父キタサンブラック×母ダンスファンタジア(母父ファルブラヴ)。ダノンファストの半妹で、カイザーバルやシャドウダンサーの姪で、バジオウのイトコ。母ダンスファンタジアは2011年のフェアリーS勝ち馬。母母ダンスインザムードはダンスインザダークやダンスパートナーの全妹で桜花賞馬。父キタサンブラックは年度代表馬でイクイノックス、ガイアフォース、ラヴェルなどを輩出。母はフェアリーキングが強く機動力に富むマイラーだったが、本馬は半分キタサンブラックで距離が1800に延びるのは良い。

中山マイルの大外枠から出遅れて、前半は後方。そこから向正面で一気にポジションを上げて、3コーナー過ぎでは3番手に。道中で脚を使った分、ラストで失速しても仕方のないように思えたが、最後まで悠々と伸びて2着馬に4馬身差で快勝。しかもラスト1ハロンのレースラップが11秒2という鋭さ。ポテンシャルはここに入っても明確に上位と言える存在。道中で他馬と接触するシーンがあった前走のフェアリーS(11着)は、参考外に近い敗戦。スムーズな競馬で、変わり身に期待したい!?

同馬は、勝ち馬エミューの一歩前から先に動き、目標にされてしまった感もあり仕方が無い。ただ、前走(11着)から巻き返し、賞金加算。多分桜花賞へ向かうと思うが、スムーズな競馬さえできれば要注意!?

パルクリチュード(牝3、栗東・松永幹夫)は、父Gun Runner×母グローバルビューティ(母父Global Hunter)。父ガンランナーはBCクラシック(G1・アメリカ)を筆頭にダート中距離のG1で6勝の名馬。母グローバルビューティは芝血統で、南米アルゼンチンで芝2000mのG1を勝ちました。2代母Kiwi Girlは、ストラヴィンスキー≒Starlyte Girl1×1といってもいい強度の父母相似配合。したがって、その娘グローバルビューティは繁殖牝馬としてもおもしろい存在で、ダート専用ではなく芝でもそれなりにやれそうです。中距離がベスト。

メイクデビュー福島(ダート1700㍍)は、逃げて2着馬に早めに追い上げられる厳しい展開だったにもかかわらず、0秒5差の快勝。ダートで強さを見せただけに、2戦目での芝起用は驚きをもたれたのか、前走の紅梅S(リステッド)は7番人気の評価だった。レースではスピード負けすることなく、終いもしっかりと脚を伸ばしてきたが、ゴール直前で内から挟まれ、鞍上が立ち上がるほどの不利(4着)。中距離向きの血統。芝2戦目になる今回は重賞制覇の好機!?

同馬は、ダートの新馬戦を勝ち、紅梅S4着。前半が適度に遅く、時計がかかった今回は走りごろだった感があり、パンパンの良馬場よりは、パワータイプの重たい馬場向きか?? 

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