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【スワンS(G2)回顧~その先へ】血統篇

【スワンSの結果】
レースは、好位から直線で早めに抜け出したウイングレイテスト(10人気)が、中団から直線で脚を伸ばしたララクリスティーヌ(6人気)にクビ差をつけ優勝。さらに3/4馬身差の3着にロータスランド(11人気)が入り、大波乱決着??

傾向面からみると、まずは「前走芝1600m戦出走馬」が過去10年で「前走で芝1600mより長い距離を走っていた馬」が6勝をマークするなか、今年は関屋記念1着アヴェラーレ(7着)、京王杯オータムハンデ2着ウイングレイテスト(1着)などが該当。次に「6・7・8枠」に入った馬が8年で6勝と好成績で今年は2着7枠15番、3着8枠18番と馬券に絡んだ。最後に「岩田康騎手」が過去10年で[2-1-3-2]複勝率75%の好相性レースで今年はロータスランドで3着入線。

血統面で、芝中距離実績のある種牡馬産駒が良い中で注目したのは「Robertoの血を引く馬」。最初に「父ロベルト系」が出走馬18頭内3頭内2頭(1着ウイングレイテスト、3着ロータスランド)が馬券に絡んだ。次に「母父ロベルト系」が出走馬18頭中2頭内1頭(2着ララクリスティーヌ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、前日の雨の影響で湿った状態でスタート。芝は内側の傷みが目立ち、外差しが決まりそうな中で土曜の芝6レースは上がり3F最速の馬が4勝。差し有利の傾向。

【血 統 傾 向】
超主流血統が勝ちきれないレース!!!!
父が欧州型かノーザンダンサー系(大系統)
父がサンデー系(大系統)の場合も、
            母父は欧州型かノーザンダンサー系(大系統)。

2023年
1着ウイングレイテスト
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ナスルーラ系/欧
2着ララクリスティーヌ
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
3着ロータスランド
父Point of Entry(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2022年
1着ダイアトニック
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ララクリスティーヌ
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
3着ルプリュフォール
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着ダノンファンタジー
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2着サウンドキアラ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着ホウオウアマゾン
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2020年
1着カツジ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ステルヴィオ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着アドマイヤマーズ
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2019年
1着ダイアトニック
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着モズアスコット
父Frankel(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
3着マイスタイル
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米

【血 統 背 景】

ウイングレイテスト(牡6、美浦・畠山吉宏)は、父スクリーンヒーロー×母グレートキャティ(母父サクラユタカオー)。ベストメンバーの半弟で、トラストケンシンやフリーフリッカーの叔父。オークス馬チョウカイキャロルも同牝系。父スクリーンヒーローはグラスワンダーの代表産駒でモーリス、ゴールドアクター、ウインマリリンなどを出し成功。デイリー杯2着など2歳時からマイル路線で活躍してきたが、しぶとい先行力に磨きをかけて今年は芝マイル戦では崩れず安定。京成杯AHも離れた番手で絶妙に立ち回ったが、京都外1400で同じ利があるかどうか。

出走馬上位の上がり3ハロンタイム(推定)をマークすることは少ない馬。坂の下りで加速できるうえ、平坦な直線で粘り込みが狙える京都外回りは、重賞2着の実績を持つコースでもある。適性の高い舞台で重賞初制覇を狙う!!

同馬は、トウシンマカオを先に行かせて2番手追走。抜群の手応えで、4角でも引っ張り切りの中、直線で追い出されると手応え通りにしっかり伸び、抜け出して後続を完封!! サクラユタカオーのスピードとスクリーンヒーローの成長力を秘める同馬がついに惜敗続きにピリオドを打った。レース巧者ぶりに磨きがかかり、崩れないタイプだけに、次走も要注意!?

ララクリスティーヌ(牝5、栗東・斉藤崇史)は、父ミッキーアイル×母スーパーマダム(母父タニノギムレット)。オメガファルコンやオメガエクスプレスの姪で、牝祖エリンバード(伊1000ギニー)の子孫にエリンコートやミュゼエイリアン。父ミッキーアイルはマイルGIを2勝したディープインパクト産駒で、メイケイエールやナムラクレアなど牝駒が走る。オープン入り後もオール連対で、前走でついに初重賞制覇と本格化ムード。脚長で東京向きの斬れ味があるが、ミッキーアイル牝駒の平均勝ち距離は1331m。機動力パワー兼備なので京都外よりは阪神内の方が立ち回り易いと思いますが、距離はベストだし、距離短縮で再度期待。

スピード色の強いミッキーアイル産駒。重賞制覇を果たしている1400㍍への距離短縮はプラス材料。京都コースはデビュー勝ちを果たしている舞台。今回は当時と違う外回りコースだが、適性は低くないはず??

同馬は、出たなりにジワッと運んで、3角手前で4番手の外へ付ける。折り合って不利もなく、実にスムーズに4角で促され直線へ。1ハロン標過ぎから先頭との差をジワジワ詰めたものの、僅かに届かず2着。重賞で好位につけ、最後までしっかり走れた点から、やはりベストは1400㍍であり、重賞を勝った舞台で行われる阪神Cに出走してきたら要注目!?

ロータスランド(牝6、栗東・辻野泰之)は、父Point of Entry×母Little Miss Muffet(母父Scat Daddy)。サトノディードやカラビナの近親で、BCジュヴェナイルのブロッコやアメリカンオークス招待S(米G1・芝10F)のゴジップガールなどが出る牝系。父ポイントオブエントリーはマンノウォーS(米G1・芝11F)など北米芝G1を5勝。母父スキャットダディは早逝した名種牡馬で、ミスターメロディの父でユニコーンライオンの父父。この母父が強いが捌きはロベルト的で、急坂小回りの短距離が向く。レースっぷりを見ていても1400mの方が現状は合っていそうで、上手く運べれば上位も可能。

水分を含んだ馬場状態を苦にせず、速い時計の出やすいコンディションは不得手。少し雨で湿ったくらいの馬場が理想。今秋の京都の芝は例年よりも少し時計がかかっている印象だけに、チャンスは十分!?

同馬は、スタート後最後方まで下げて3角辺り内側へ。大外枠のロスはほとんどなく、4角手前で少し行きっぷりが良すぎてゴチャつく場面はあったが、立て直して直線も内側から、鋭脚で追い上げて3着確保。上位2頭とは、位置取りの差?? 鞍上の好プレーもあるが、1200㍍、1600㍍でもそれなりに走るが、重賞勝ちがある1400㍍が適性距離だけに要注目!?


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