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【ターコイズS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【ターコイズSの結果】
レースは、好位追走から直線で抜け出したフィアスプライド(1人気)が、逃げ粘ったフィールシンパシー(8人気)に1.1/4馬身差をつけ優勝。さらにアタマ差の3着にミスニューヨーク(6人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「重賞で連対経験がある3歳馬」の活躍が目立ち、今年は桜花賞2着コナコースト(10着)、紫苑S2着ヒップホップソウル(8着)などが該当も敗退。次に「差し・追い込み」が5勝をマーク。ただ、今年は逃げた馬が2着に残り、4角3番手から抜け出した先行馬2頭が1着・3着だった。最後に「リピーター」に注目。昨年3着フィアスプライドが優勝し、3連覇がかかったミスニューヨークが3着に入った。

血統面で、「父欧州型」に注目すると、出走馬16頭中5頭内2頭(2着フィールシンパシー、3着ミスニューヨーク)が馬券に絡んだ。さらに、「母欧州型」に注目すると、出走馬16頭中8頭内1頭(1着フィアスプライド)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、芝は依然として高速決着だが、決して前有利ではなく、差しも決まる。

【血 統 傾 向】
父も母父も欧州型という馬が良い!!
欧州指向。父欧州型、特に母父も欧州型。
Roberto系、サドラーズウェルズ系の血を持つ馬。

2023年
1着フィアスプライド
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着フィールシンパシー
父ベーカバド(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
3着ミスニューヨーク
父キングズベスト(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2022年
1着ミスニューヨーク
父キングズベスト(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ウインシャーロット
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ナスルーラ系/欧
3着フィアスプライド
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2021年
1着ミスニューヨーク
父キングズベスト(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着アンドラステ
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/米
3着ギルデッドミラー
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父マッチェム系/米
2020年
1着スマイルカナ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着アンドラステ
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/米
3着フェアリーポルカ
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2019年
1着コントラチェック
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着エスポワール
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/米
3着シゲルピンクダイヤ
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米

【ターコイズS 血統背景】

フィアスプライド(牝5、美浦・国枝栄)は、父ディープインパクト×母ストロベリーフェア(母父Kingmambo)。ミッドサマーフェアやソフトフルートの下で、パワーホールの叔母。祖母はBCジュベナイルフィリーズなどを制した全米2歳牝馬チャンピオンのストームソング。オーダーオブセントジョージやアイスストームのイトコにあたる血統。ディープインパクト×キングマンボの配合に母系がストームバードのライン持ちから大箱ベストの構成。前走の府中牝馬Sはスローを後方から追い上げて4着。昨年3着の舞台で、中山自体もそう悪くなく、巻き返しは十分!?

キャリアを重ねるごとに地力をつけ、昨年12月のターコイズSでは3着、前々走の関屋記念では4着に好走。ソフトフルート(秋華賞3着)の全妹で、血統背景は一級品。あっさり勝っても不思議はない。

同馬は、スタートは出負け気味も二の脚で好位で折り合う。直線で進路を確保すると一気に突き抜け優勝。来年、G1ヴィクトリアマイルを目標に要注目の1頭。

フィールシンパシー(牝4、美浦・小島茂之)は、父ベーカバド×母スマートシンパシー(母父ダンスインザダーク)。ウワサノシブコの半妹でインタータイヨウやヴンダーゾンネの姪でアリンナのイトコ。北米G1を3勝コディアックカウボーイも近親。父ベーカバドはパリ大賞(仏G1・芝2400m)に勝ったケープクロス産駒でダブルシャープやタイセイアベニールなどの父。芝マイル戦は[3-2-0-5]と最も良績があり、前走は東京マイルを好時計勝ちでついにオープン入り。力強い走りで中山も勝ち鞍があるが、どちらかというと大箱向きの印象。

同馬は、スタート良くスンナリと先頭へ、マイペースで折り合い直線へ。勝ち馬に決めてで屈したが、最後まで粘り強く伸びて2着。斤量の恩恵もあり、今後もマイペースなら好走する機会は増えそうで、忘れた頃に穴馬として要注意??

ミスニューヨーク(牝6、栗東・杉山晴紀)は、父キングズベスト×母マンハッタンミート(母父マンハッタンカフェ)。母のマンハッタンミートはJRA1勝。メイショウオーパスの半妹で、父のキングズベストはキングマンボ系でエイシンフラッシュの父。母父マンハッタンカフェは有馬記念や菊花賞、天皇賞・春を制したステイヤー。キングズベスト×マンハッタンカフェはトーラスジェミニと同じでスピードよりパワー型。ターコイズS連覇のように中山マイルは庭。混合戦でも3着の前走を見てもここのレースならやはり上位の一角、3連覇も可能??

本レースを2連覇中。その昨年の本レース以来、勝ち星から遠ざかってはいるが、前走は今回と同じ舞台の京成杯オータムHで牡馬相手に勝ち馬から0秒1差の3着と、復調がうかがえた。3連覇も十分視野に入る。

同馬は、スタート良く内ラチ沿いにつけると、向正面辺りで内の絶好位。折り合って内々をロスなく回り、直線を向いて進路が無く最内を突いて3着。相変わらずの中山適性は、流石でした。このレースで引退、イクイノックスも含めて、まだまだ現役で走る姿を見ていたい1頭でした。


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