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【北九州記念(G3)回顧~その先へ】血統篇

【北九州記念の結果】
レースは、逃げたジャスパークローネ(5人気)が、中団前方から脚を伸ばしたママコチャ(1人気)に1/2馬身差をつけ優勝。さらにクビ差の3着にストーンリッジ(9人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、「1番人気馬の勝率0%の今年1人気ママコチャ2着。また、「森田厩舎」が[1-1-1-3]複勝率50%の好相性から今年はロードベイリーフが出走も7着惜敗。最後に「藤岡康騎手」は過去10年で7回騎乗して4回も馬券に絡む好成績!今年はトゥラヴェスーラで出走も6着まで。

血統面で、アイビスSDほどではないが牝優勢・前傾ラップで差し優勢!! 「父が米国型のスピードタイプ」に注目すると出走馬18頭中4頭内2頭(1着ジャスパークローネ、2着ママコチャ)のワンツー決着。また、「母父米国型」に注目すると出走馬18頭中5頭内2頭(1着ジャスパークローネ、3着ストーンリッジ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、小倉の芝は超が付くほどではないが、速めの時計が出ている。1200mは前有利。

【血 統 傾 向】
ストームキャット、ダンジグが優秀なレース。
スピードの持続力が問われるのでそれに対応できる血統。

2023年
1着ジャスパークローネ
父Frosted(ナスルーラ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ママコチャ
父クロフネ(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/欧
3着ストーンリッジ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2022年
1着ボンボヤージ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着タイセイビジョン
父タートルボウル(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
3着ナムラクレア
父ミッキーアイル(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2021年
1着ヨカヨカ
父スクワートルスクワート(ミスプロ系/米)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ファストフォース
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラ系/欧
3着モズスーパーフレア
父スパイツタウン(ミスプロ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
2020年
1着レッドアンシェル
父マンハッタンカフェ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着モズスーパーフレア
父スパイツタウン(ミスプロ系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
3着アウィルアウェイ
父ジャスタウェイ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2019年
1 着ダイメイプリンセス
父キングヘイロー(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
2着ディアンドル
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着アンヴァル
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米

【血 統 背 景】

ジャスパークローネ(牡4、栗東・森秀行)は、父Frosted×母Fancy Kitten(母父Kitten’s Joy)。牝祖ステディキャットはアディロンダックS(米G2・ダ6.5F)2着で、産駒にサラトガスペシャルS(米G2・ダ6.5F)のジャンプスタート、孫にキャッシュコールフュチュリティ(米G1・ダ8.5F)のマスタリーがいる。その母ホープスプリングスフォーエヴァーはミスワキの全妹。父フロステッドはウッドメモリアルS(米G1・ダ9F)などに勝ったタピット産駒。

前走は先行勢のなかに積極的に逃げる馬がいない状況を逆手にとり、同馬が前が止まらない開幕週を考慮して押して、押してハナに立つと前半3ハロン33秒7のマイペースで運ぶ。直線に入っても脚色は衰えず、後半3ハロンも33秒5でまとめて半馬身差で押し切り重賞初制覇!? ここもあんな逃げが打てるかだが、高速馬場は歓迎。

同馬(1着)は、全5勝の決まり手は逃げ切りであり、函館SSのように番手だと惨敗もあるモロさがある。今後、G1スプリンターズSでも単騎で行ける状況なら好走の目は十分あるかも??

ママコチャ(牝4、栗東・池江泰寿)は、父クロフネ×母ブチコ(母父キングカメハメハ)。ソダシの全妹で、ユキチャンやシロニイの姪で、ハヤヤッコやダノンハーロックのイトコで、メイケイエールも近親。母ブチコはJRA4勝(全てダ1800)。父クロフネはカレンチャン、アエロリット、ホエールキャプチャなどを出した名フィリーサイアー。血統的にデビュー当初から注目を集めてきたが、ここへきて馬体重が増え3連勝でオープン入りを果たし、前走安土城Sも好時計で楽勝。姉とは少しタイプが違うが、高速戦向きのマイラーには違いない。

本馬自身の毛色は鹿毛だが、ある程度のポジションを取り、スピードの持続力を武器にするレースぶりは姉ソダシに近いものがある。久々の重賞挑戦だった前々走の阪神牝馬S9着から前走・安土城S L1着での巻き返しと勢いはある。GⅠ馬ソダシの全妹としてデビュー時から注目されてきた馬だが、ソダシと比べると成長度合いはゆっくり。陣営も決して無理をさせず、休養期間をしっかりと設けて成長を促してきた。1200㍍を走るのは今回が初めてだが、今後を占う意味でも面白いチャレンジ!?

同馬は、ジャスパークローネに展開を握られてしまったがゆえの2着であり、ここまで強力な逃げ馬がいなければ、スプリント重賞も視野に入った。今後、陣営がマイルなのか?スプリント路線なのか選択に注目!?

ストーンリッジ(牡6、栗東・藤原英昭)は、父ディープインパクト×母クロウキャニオン(母父フレンチデピュティ)。母のクロウキャニオンはボレアス、カミノタサハラ、ヨーホーレイクなどを輩出した名繁殖牝馬で兄弟も本馬も早い時期から活躍。ディープ×フレンチデピュティの機動力とスピードにカーリアンが母系に入るバランスのとれている血統だから本来はもう少し長いところの方が合う構成も、気性的に短いところで走って好走。力のいるタフな馬場の方が合うタイプだけに、湿った馬場になったら侮れない存在。

同馬(3着)は、今年に入って各地の1200㍍戦に5回出走し、3、3、7、3、3着と、結果は残しているが、詰めが甘いところはいかにもクロウキャニオンの血。スプリント戦線での今年後半が正念場か!?


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