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【チャレンジカップ(G3)回顧~その先へ】血統篇

【チャレンジカップの結果】
レースは、中団から脚を伸ばした横山和生騎手騎乗のベラジオオペラ(3人気)が、中団から最内を突いて伸びたボッケリーニ(2人気)との大接戦を制し、ハナ差をつけ優勝。さらに1.1/4馬身差の3着にイズジョーノキセキ(9人気)が入り、ほぼ本命決着!?

傾向面からみると、まずは「3歳馬」が[4-0-2-5]複勝率54.5%と圧倒。今年は日本ダービー以来のレースとなる4着ベラジオオペラ(1着)、10着フリームファクシ(8着)が該当から優勝馬。次に「前走G1組」が[1-1-3-5]複勝率50%をマーク。今年は先ほど紹介したベラジオオペラ(1着)、フリームファクシ(8着)や天皇賞・秋5着ガイアフォース(6着)などが該当。最後に「先行馬」が過去6年で5勝。今年は、逃げ・先行馬が崩れて、差し・追込み馬での決着でした。

血統面で、単純に結果を検証すると「父欧州型」に注目!?出走馬13頭中6頭内3頭(1着ベラジオオペラ、2着ボッケリーニ、3着イズジョーノキセキ)のワンツースリー決着。ちなみに、例年馬券に絡んだ「父サンデー系で、1~5人気」からは、6着ガイアフォース(1人気)が最高着順でした。

トラックバイアスからみると、過去6年間で、推定上がりタイム最速馬は【3-1-1-6】。大阪杯などでも使用される阪神競馬場の内回り2000mコースに求められるものは瞬発力というよりも器用さ。

【血 統 傾 向】
NureyevやRobertoのパワー、トニービンの持続力が活きやすく、
上がりがかかればノーザンテーストにも要注意!!
父サンデー系は、1~5人気なら[5-2-2-6]複勝率60%にまで跳ね上がる!?

2023年
1着ベラジオオペラ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ボッケリーニ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着イズジョーノキセキ
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2022年
1着ソーヴァリアント
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2着ルビーカサブランカ
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着エヒト
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着ソーヴァリアント
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2着ヒートオンビート
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ペルシアンナイト
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
2020年
1着レイパパレ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ブラヴァス
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ヒンドゥタイムズ
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
2019年
1着ロードマイウェイ
父ジャスタウェイ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2着トリオンフ
父タートルボウル(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
3着ブレステイキング
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧

【チャレンジカップ 血 統 背 景】

ベラジオオペラ(牡3、栗東・上村洋行)は、父ロードカナロア×母エアルーティーン(母父ハービンジャー)。エアアンセムやサトノヘリオスの甥。牝祖エアデジャヴーはオークス2着で、エアメサイアやエアシェイディの母でエアスピネルやエアウィンザーの母母。父ロードカナロアは世界の短距離王だが、中距離型の繁殖との間にアーモンドアイ、パンサラッサ、サートゥルナーリアと中距離のチャンピオンを出している。本馬も母父ハービンジャーの重厚さが強い中距離馬で、日本ダービーは上がり1位で追い込んで僅差4着。開幕週の阪神内2000は差しにくそうだが…。

秋初戦に予定していた神戸新聞杯は出走態勢が整わずに見送り。本レースに目標を切り替え、仕切り直しの一戦となる。キャリア5戦ながら、戦績からここでも通用する能力を秘めている可能性は高い!?

同馬は、好スタートから、中団馬群に控えて折り合いもスムーズ。直線で労せず進路を確保して、1ハロン標過ぎに抜け出すも内から詰め寄られるも、押し切って優勝。ダービー以降、秋に向けて立ち上げる段階で思うように体調が戻らず、その復帰は12月まで長引いた。現状は適性距離18~2000㍍あたり、瞬発力より持続力勝負に強いタイプだけに、次走(中山金杯、中山記念)も内目の枠が取れた時が狙い目か!?

ボッケリーニ(牡7、栗東・池江泰寿)は、父キングカメハメハ×母ポップコーンジャズ(母父ダンスインザダーク)。宝塚記念や天皇賞秋を制したラブリーデイの全弟。中長距離でコースも大きく問わずGII、GIIIクラスなら崩れず走ってくるタイプ。7歳ですが、前走の京都大賞典の走りからも衰えは全く感じさせず、阪神内回り2000mの鳴尾記念制覇の内容からも特に不安材料は無し!全体的な重厚感からも上がりが掛かった方がいいタイプで、持続力勝負になれば当然ここも勝ち負けに。

今年の6月に、今回と同じ阪神・芝2000㍍で行われた鳴尾記念で重賞3勝目を挙げた。ほかにもアンドロメダS(リステッド)での2着があるように、この条件との相性の良さは疑いようがない。

同馬は、馬群の中で中団後方追走。3~4角は馬が密集してスペースがなく、じっと構えて直線に入り、ラチ沿いの1頭分のスペースを突いて伸びるも2着まで。ペースの緩急がなく、最後の急坂でスタミナを問う流れが好走に繋がった。6歳以降、G2とG3で崩れていないだけに、次走G2・G3なら要チェック!?

イズジョーノキセキ(牝6、栗東・中村 直也)は、父エピファネイア×母キングダンサー(母父キングカメハメハ)。アイスブラストの半妹。エピファネイア×キングカメハメハはデアリングタクトと同じ配合で、大箱の中距離に適性の高い血統構成。前走エリザベス女王杯は形として悪くない展開で直線を迎えましたがジリジリと伸びた8着。地力はありますが使い詰めでデキ落ちは否めない状況で、阪神内回りも今ひとつピンと来ない印象。展開待ちの一発狙いで。

同馬は、枠(2枠2番)なりに内々を立ち回り直線へ入って残り300㍍辺りで前が開くと一気に追い出されて3着入線。昨年の有馬記念も4着まできており、この時期の少し時計のかかる馬場は得意。内枠ならば、侮れない存在だけに次走も要注意??


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