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【セントライト記念(G2)回顧~その先へ】血統篇

【セントライト記念の結果】
レースは、中団から脚を伸ばしたレーベンスティール(2人気)が、中団後方から脚を伸ばしたソールオリエンス(1人気)に1.3/4馬身差をつけ優勝。さらに1.1/4馬身差の3着にシャザーン(3人気)が入り、久々の本命決着!!

傾向面からみると、まずは「前走日本ダービー出走馬」が圧倒的に強いレース。[4-5-3-19]複勝率38.7%と出走馬の約3頭に1頭が馬券に絡んでいて、今年は同2着で皐月賞を勝ったソールオリエンス(2着)、同9着シャザーン(3着)、同15着グリューネグリーン(14着)と傾向通り。次に「1~4枠」に入った馬が過去9年で6勝をマークも傾向通りに3枠4番レーベンスティールが優勝。ちなみに、4枠6番シャザーンが3着入線。最後に「田辺裕信騎手」は過去9年で4度の馬券に絡んでいて、今年は前走日本ダービー組のグリューネグリーンに騎乗も14着惨敗でした。

血統面で、トリッキーなコースでスピードよりもスタミナ重視から「パワーと粘着力に富む欧州血脈」に注目。まずは「父欧州型Kingmambo系」を検証すると、出走馬15頭中4頭内1頭(3着シャザーン)が該当。さらに、「母父欧州型」を検討すると、出走馬15頭中5頭内2頭(1着レーベンスティール、2着ソールオリエンス)のワンツー決着でした。

トラックバイアスからみると、芝は内寄りの傷みも少なく、日曜は先行勢の活躍が目立った。時計も標準より速め。過去の傾向で脚質は、4角先頭はわずか2勝。同2~7番手が6勝。同10番手以下は【1・0・2・43】と振るわない。好位で立ち回れる馬が有利。

【血 統 傾 向】
パワーと粘着力に富む欧州血脈が上位を賑わせている!
父か母父にRoberto(ロベルト)系。Danehill(デインヒル)、Kingmambo(キングマンボ)、Lyphard(リファール)、Sadler's Wells(サドラーズウェルズ)の血を持つ馬。

2023年
1着レーベンスティール
父リアルスティール(サンデー系/日)×母父マイバブー系/欧
2着ソールオリエンス
父キタサンブラック(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着シャザーン
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2022年
1着ガイアフォース
父キタサンブラック(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着アスクビクターモア
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
3着ローシャムパーク
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2021年
1着アサマノイタズラ
父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着ソーヴァリアント
父オルフェーヴル(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
3着オーソクレース
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2020年
1着バビット
父ナカヤマフェスタ(サンデー系/日)×母父ヘイロー系/米
2着サトノフラッグ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
3着ガロアクリーク
父キンシャサノキセキ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2019年
1着リオンリオン
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2着サトノルークス
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ザダル
父トーセンラー(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米

【セントライト記念 血統背景】

レーベンスティール(牡3、美浦・田中博康)は、父リアルスティール×母トウカイライフ(母父トウカイテイオー)。ルーチェデラヴィタ(父キズナ)の3/4弟で、母トウカイライフはJRA3勝。母母ファヴォリはJRA3勝。他に近親に目立った活躍馬はいない。母父トウカイテイオーはシンボリルドルフの代表産駒でトウカイポイントなどを輩出。父リアルスティールはラヴズオンリーユーの全兄で初年度からオールパルフェを輩出。本馬は見た目は父似だが母父の独特の柔らかさを受け継いだ大箱に向くタイプ。ラジオNIKKEIは馬群を捌くのに苦しんだが、素質や脚力はここでも全くヒケはとらない。距離延長は課題も、ここを勝てれば今後もかなり面白い存在!?

母の父がトウカイテイオーというオールドファンにはたまらない血統の持ち主。1番人気に推された前走・ラジオNIKKEI賞は3着も、格好はつけた。春は馬体の緩さが目立っただけに、ひと夏を越した成長にも期待したい!?

同馬は、道中中団のインを追走。4角では抜群の手応えで外に持ち出し、デビューから6戦連続でメンバー最速となる上がり3ハロン33秒9を繰り出して1馬身3/4差の完勝。シンボリルドルフ、トウカイテイオー、リアルシャダイという90年代に呼び戻すかのような母系と、21世紀を象徴する無敗の三冠馬ディープインパクトの血が血統表の奥にある同馬には、大きな期待しかない!!

ソールオリエンス(牡3、美浦・手塚貴久)は、父キタサンブラック×母スキア(母父Motivator)。ヴァンドギャルドの3/4同血の弟で、母スキアはフィユドレール賞(仏G3・芝2100m)勝ち馬。英オークスと英1000ギニーのラヴも同牝系。母父モティヴェイターは英ダービー馬でタイトルホルダーの母父でもある。父キタサンブラックは年度代表馬で本馬やイクイノックスを出し成功。重厚で奥深い中距離血統だが機動力も兼備、皐月賞も京成杯も4角膨れながら豪快に差し切った。血統的にはむしろこれから強くなるはずで、ひと夏越しての成長が楽しみ。

半兄は2020年富士Sを優勝したヴァンドギャルド(父ディープインパクト)。本馬は重馬場の皐月賞を快勝し、日本ダービーでは僅差の2着に入った。世代屈指のポテンシャルは疑いようがなく、ここは不動の中心だけに期待したい!?

同馬は、典型的なスローの上がり勝負の展開で、後方追走はそもそも位置取りが厳しいなか追い上げて2着まで。まずは無難に休み明けをクリア、セントライト記念2着から菊花賞制覇は昨年のアスクビクターモアがいるだけに、三冠皆勤で変則二冠制覇か!?

シャザーン(牡3、栗東・友道康夫)は、父ロードカナロア×母クイーンズリング(母父マンハッタンカフェ)。アクアミラビリスの甥で、母クイーンズリングはエリザベス女王杯勝ち。近親に仏1000ギニーのトレストレラなど。父ロードカナロアは世界の短距離王だが、中距離型牝馬との配合でアーモンドアイやパンサラッサを出している。母父がマンハッタンカフェのスタミナでバランスのいい血統で中距離馬。母母にリヴァーマン4×3があり、ナスキロ柔いしなやかな大箱向きストライド。まだ緩さがあるのでカナロア産駒ながら距離はもつが、いずれは1800㍍がベスト。ここは高速馬場で末脚の鋭さ勝負なら??

母クイーンズリングは2016年エリザベス女王杯など重賞4勝に加え、引退レースの2017年有馬記念で2着に好走。本馬は今春に皐月賞6着、日本ダービー9着と食い下がり、存在感を発揮。ここで菊花賞への優先出走権を手にしたい??

同馬は、春後半ゲートで遅れ、競馬に参加できなかったが、今走スタートを決め、流れに乗って3着入線。父ロードカナロアで3000㍍はわからないが、母クイーンズリングは古馬になって結果を出した晩成型だけに、未知の可能性を秘めている!?


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