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【ローズS(G2)回顧~その先へ】血統篇

【ローズSの結果】
レースは、中団から脚を伸ばしたマスクトディーヴァ(7人気)が、後方から馬群を捌いて追い込んだブレイディヴェーグ(1人気舎)に1.1/2馬身差をつけ優勝。さらに1.3/4馬身差の3着にマラキナイア(5人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「前走オークス出走馬」を検証すると、オークス4着ラヴェル(14着)、同8着ソーダズリング(8着)、同10着レミージュ(11着)と惨敗。次に「4コーナー先頭」だったユリーシャ17着最下位。最後に「川田騎手」騎乗マラキナイアは3着に入線。

血統面で、「父ミスプロ系欧州型」に注目すると、出走馬17頭中3頭内2頭(1着マスクトディーヴァ、2着ブレイディヴェーグ)のワンツー決着。さらに、「母父ミスプロ系欧州型」を検証すると、出走馬17頭中2頭内1頭(3着マラキナイア)が該当。

トラックバイアスからみると、土曜(阪神芝)Aコース3日目。終日良馬場で行われ、走破時計は水準からマイナス1秒程度。馬場傾向からあまり決め打ちせず、能力比較や展開から考えるも、上がり3Fの時計が標準より少し速い傾向であったので、脚質関係なく、決め手のある馬が優勢!?

【血 統 傾 向】
クロフネなどのデピュティミニスターの系譜が強い舞台。
大箱向きらしくリファールの血も侮れない。

2023年(阪神開催)
1着マスクトディーヴァ
父ルーラーシップ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ブレイディヴェーグ
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
3着マラキナイア
父ジャスタウェイ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2022年(中京開催)
1着アートハウス
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2着サリエラ
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着エグランタイン
父キズナ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2021年(中京開催)
1着アンドヴァラナウト
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着エイシンヒテン
父エイシンヒカリ(サンデー系/日)×母父ダマスカス系/米
3着アールドヴィーヴル
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2020年(中京開催)
1着リアアメリア
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着ムジカ
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
3着オーマイダーリン
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父スターリング系/欧
2019年(阪神開催)
1着ダノンファンタジー
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/米
2着ビーチサンバ
父クロフネ(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
3着ウィクトーリア
父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米

【ローズステークス 血統背景】

マスクトディーヴァ(牝3、栗東・辻野泰之)は、父ルーラーシップ×母マスクオフ(母父ディープインパクト)。トゥーフェイスの半妹で、祖母のビハインドザマスクはスワンSやセントウルSなどを制すなど短距離戦線で活躍。オメガヴェンデッタの姪でサンライズソアのイトコにあたる血統。父のルーラーシップはキングカメハメハの後継で香港クイーンエリザベスC勝ち馬。母父ディープはキセキやエヒト、ドルチェモアなどと同じでよく走る配合。母系がリファールのクロスを持ち大箱で良く斬れる。牝系がスピードが強いのでマイル辺りがベターも、ただ前走の同舞台での勝ちっぷりは良かっただけに、展開次第で一発の可能性もあり?? 道悪はこなせるので一雨降ったら更に面白い。

祖母にビハインドザマスク(重賞3勝)を持つ良血馬。ここまでの2勝は重と稍重の馬場状態で挙げており、良馬場だった2走前では7着に敗れているだけに、良馬場での瞬発力勝負になった時に対応できるかは鍵になる。

同馬は、中団から鋭く差し切って重賞初制覇。JRAレコードとなる1分43秒0で駆け抜けた。母系に入るビハインドザマスクは現役時を含めてスピード系の印象がかなり強く、この馬に関して言えばむしろフットワークは大きめだけに、距離は今日と同じ1800~2200㍍がベストか?? 本番に向けても見通しが立つ内容だったが、秋華賞まで中3週というローテーションは少々厳しい??

ブレイディヴェーグ(牝3、美浦・宮田敬介)は、父ロードカナロア×母インナーアージ(母父ディープインパクト)。エルバリオやインナリオの半妹で、ミッキークイーンやトーセンマタコイヤの姪で、エピファニーのイトコ。母インナーアージはJRA4勝(芝1600~2500)。母母ミュージカルウェイはドラール賞(仏G2・芝1950m)勝ち。ロードカナロア×ディープインパクトはファンタジスト=ボンボヤージ=アスクワンタイムやレッドモンレーヴなどと同じで短距離重賞級が出ているが、本馬は母似の脚長の中距離馬。

今年の2戦は、条件戦ながら6馬身差、3馬身1/2差の快勝。前走の勝ち時計1分57秒9は、今年ここまでの東京・芝2000㍍戦で3位の好タイム。時計面の裏付けから、重賞でも通用するだけに期待したい!?

堂々の1番人気に推された同馬は、発馬の悪さを出してしまい、道中は後方からの競馬。直線もゴチャゴチャしたところに入り、進路確保までに時間を要したが、最後はさすがと思わせる伸び脚を見せて2着確保。相手が強くなるほど発馬の遅さがネックも、それでもG1を意識できる域にある馬なのは確か。本番も見逃せない1頭も、秋華賞まで中3週というローテーションは少々厳しい??

マラキナイア(牝3、栗東・吉岡辰弥)は、父ジャスタウェイ×母カウアイレーン(母父キングカメハメハ)。ステイフーリッシュやラリュエルの半妹で、ブラックホークやピンクカメオの姪にあたる血統。父のジャスタウェイはハーツクライの後継で、天皇賞・秋や安田記念、ドバイDFなどを制した世界的名馬。母父キングカメハメハはアウィルアウェイと同じ配合。広めのコースで2勝を挙げ、走法的にも小回りで機動力を活かす競馬が合いそうなのは母系のロベルトの影響。距離はもう少しあっても!?

春のチューリップ賞(9着)は前残りの展開に泣いたが、メンバー中最速の上がり3ハロン33秒3(推定)をマークし、勝ち馬に0秒3差まで迫った。2度目のトライアルでGⅠへの優先出走権をつかみ取れるのか、注目!?

同馬は、展開と脚質が噛み合い3着入線。母のカウアイレーンや兄姉のステイフーリッシュ、ラリュエルといった馬達も3歳の夏を越して上昇カーブを描いただけに、本馬もきっかけを掴んだかもしれない。次走が試金石となるが、16~2000㍍辺りで安定勢力になる可能性を秘める。


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