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【レパードS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【レパードSの結果】
レースは、道中2番手でレースを運んだライオットガール(5人気)が、好位から脚を伸ばしたオメガギネス(3人気)にクビ差をつけ優勝。さらに1/2馬身差の3着にルクスフロンティア(8人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、「4コーナー先頭」で回ってきた馬が[2-4-1-3]複勝率70%も逃げたルクスフロンティアが3着。また、「矢作厩舎」が過去2回の出走ながら[1-1-0-0]連対率100%も1人気ミスティックロア14着惨敗。最後に、「戸崎騎手」が[2-1-1-3]複勝率57.1%の好相性も騎乗馬オメガギネスが2着。

血統面で、「シニスターミニスター産駒」が最近のダートで注目を集めている種牡馬。3歳世代では、大井所属のミックファイアがデビューから無傷の6連勝で、羽田盃、東京ダービー、GⅠジャパンダートダービーを勝利。JRAでもスマートフォルスが端午Sを勝っている中、出走馬15頭中1頭(1着ライオットガール)が該当。また、「父と母父がどちらもサンデー系(大系統)ではない馬」に注目すると、出走馬15頭中9頭内1頭(2着オメガギネス)が該当。

トラックバイアスからみると、新潟は土曜と同じく芝ダートともに良。ダートは1週間以上、雨が降っていないのでパサパサ。新潟らしく、好位で運んだ馬の好走が目立つ。

【血 統 傾 向】
父も母父もサンデーではない馬を狙え!?
父と母父がどちらもサンデー系(大系統)ではない馬。

2023年
1着ライオットガール
父シニスターミニスター(ナスルーラ系/米)×母父サンデー系/日
2着オメガギネス
父ロゴタイプ(ノーザンダンサー系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着ルクスフロンティア
父エピファネイア(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2022年
1着カフジオクタゴン
父モーリス(ロベルト系/欧)×母父サンデー系/日
2着タイセイドレフォン
父ドレフォン(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/米
3着ハピ
父キズナ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2021年
1着メイショウムラクモ
父ネオユニヴァース(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着スウィープザボード
父スウェプトオーヴァーボード(ミスプロ系/米)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着レプンカムイ
父キズナ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2020年
1着ケンシンコウ
父パイロ(ナスルーラ系/米)×母父ミスプロ系/米
2着ミヤジコクオウ
父ヴィクトワールピサ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
3着ブランクチェック
父パイロ(ナスルーラ系/米)×母父ミスプロ系/米
2019年
1着ハヤヤッコ
父キンぐカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/米
2着デルマルーヴル
父パイロ(ナスルーラ系/米)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着トイガー
父ヘニーヒューズ(ノーザンダンサー系/米)×母父ミスプロ系/米

【血 統 背 景】

ライオットガール(牝3、栗東・中村直哉)は、父シニスターミニスター×母マリアビスティー(母父ハーツクライ)。母のマリアビスティーはJRA2勝で、キングオブロマネやレジームチェンジなどの姪。父のシニスターミニスターはエーピーインディ系ダート種牡馬でテーオーケインズやミックファイアの父としてブレイク。母父ハーツクライはサンデー直仔の大種牡馬。前捌きが掻き込むイメージなので脚抜きのいいダート向き。競馬も上手でスムーズなら上位争い!?

前走のマレーシアC(3勝クラス)は、外枠からじわっと出して一団になった中団やや前の外8番手で追走。4コーナーで外に出して、直線で伸びて一旦3番手に上がったが、外から差されて0.3秒差4着。今走鞍上を田中健騎手(今年2勝)から岩田望騎手(今年72勝)に強化。使われながらパフォーマンスを上げている成長力も魅力だけに、期待したい!?

同馬は、前走3勝クラスとはいえ4着で、同馬が牝馬だったことも引っかかり5人気。ダートの速い時計への対応がエーピーインディ系シニスターミニスターの武器でもあり、そして新潟ダート1800mの特注種牡馬。母系のヌレイエフからスピードの持続力を強化された同馬は、血統から成長力も見込め、まだまだ上を目指せる器!?

オメガギネス(牡3、美浦・大和田成)は、父ロゴタイプ×母スタートアップ(母父ハービンジャー)。祖母はヴィクトワールピサの全妹なので、近親にはアサクサデンエンやスウィフトカレントがいる血統。父のロゴタイプは朝日杯FSや皐月賞、安田記念勝ち馬のサドラーズウェルズ系。母父ハービンジャーと欧州色が強い中でもスピード血統。馬体を見てもコロッとしてるのでゆくゆくは短い方にシフトも、現状なら1800mでも!? 決め手勝負になれば台頭してくるタイプ。

楽勝だった新馬戦、2戦目の前走でも、これは届かないと思えるところからの差し切り勝ち。非凡な瞬発力を見せつける驚きの快勝。走破時計も翌週の古馬2勝クラスと同タイムの優秀さ。適性的に追い出してからの加速に少し時間がかかるので、直線に坂がある方が勝ちやすい。直線平坦の新潟でも中団より前にいれば、スピードに乗ってからの直線後半の脚で勝てる走りができていい。ただ、ここが3戦目でキャリア不足は否めない??

同馬の父系はノーザンダンサー系サドラーズウェルズの血にミルリーフ、サンデーサイレンス、セクレタリアトとスピードや持続力を支える血がズラリと並ぶ。母系に配されたのはデインヒル、ダンチヒにマキャヴェリアンと、こちらも持続力を注ぐ。ダートのスピード勝負なら、反動さえなければ、次走あっさりかも!?

ルクスフロンティア(牡3、栗東・松永幹夫)は、父エピファネイア×母サトノアイリ(母父ステイゴールド)。ダノングラシアスやトゥルースの甥で、近親にはジャンプ競走で活躍したタイセイドリームのいる血統。父エピファネイアは菊花賞とジャパンCを制したロベルト系名馬で、母父のステイゴールドからもスタミナ志向の強い血統。脚長体型で、如何にも長いところ向き。道悪はこなすタイプなので、先行出来るかどうかが鍵に??

前走は、滑って出遅れてハナ争いの2頭から少し離れた3番手追走。4コーナーで前の2頭の外に並びかけて、直線に入るところで先頭。そこからしっかり粘って、半馬身差で勝利。出遅れはあったが展開にも恵まれて力を出し切った。ただ、今回のメンバーでの1800㍍だと好位を取るのに脚を使うし、そこからの上がりの対応もきつい為、好位で流れに乗って力を出し切っても…。

同馬は、コーナーが急で、差し馬が追い上げにくい新潟ダートの特徴をよく知るベテラン秋山真一郎騎手は、迷わず先手を選んだ。これが好走の最大の要因!! 実際、離れた4着エクロジャイトは控えたことがアダとなった。


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