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【京王杯2歳S(G2)回顧~その先へ】血統篇

【京王杯2歳Sの結果】
レースは、中団から脚を伸ばしたコラソンビート(1人気)が、中団から直線で進路が開くと鋭く伸びたロジリオン(8人気)にクビ差をつけ優勝。さらにハナ差の3着にオーキッドロマンス(9人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、まずは「前走重賞1~3着馬」に注目。今年の出走馬では函館2歳S1着ゼルトザーム(11着)、小倉2歳S1着アスクワンタイム(10着)、同2着ミルテンベルク(5着)が該当。次に過去10年の1~3着馬30頭のうち、21頭が「4コーナー1~4番手」に付けていた。今年の出走馬で前走該当したのは6頭内3頭ワンツースリー決着!! 最後に「浜中騎手」が過去10年で2回の騎乗ながら驚異の連対率100%。今年の騎乗予定馬ゼルトザームは11着惨敗。

血統面で、「父サンデー系」に注目すると、出走馬12頭中2頭内2頭(1着コラソンビート、3着オーキッドロマンス)が馬券に絡んだ。さらに、「父欧州型ミスプロ系」に注目すると、出走馬12頭中4頭内1頭(2着ロジリオン)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、東京の芝は内外フラットの高速決着。ペース次第で逃げ切りから差し切りまであるが、基本的には決め手のある馬を重視で、ジリ脚の馬は割引。

【血 統 傾 向】
父か母父 欧州型ミスプロ系
Pサンデー系

2023年
1着コラソンビート
父スワーヴリチャード(サンデー系/日)×母父サンデー系/日
2着ロジリオン
父リオンディーズ(ミスプロ系/欧)×母父ナスルーラ系/米
3着オーキッドロマンス
父ロジャーバローズ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2022年
1着オオバンブルマイ
父ディスクリートキャット(ノーザンダンサー系/米)×母父サンデー系/日
2着フロムダスク
父Boltd' Oro(ノーザンダンサー系/米)×母父ノーザンダンサー系/米
3着スピードオブライト
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2021年
1着キングエルメス
父ロードカナロア(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着トウシンマカオ
父ビッグアーサー(ナスルーラ系/欧)×母父サンデー系/日
3着ラブリイユアアイズ
父ロゴタイプ(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
2020年
1着モントライゼ
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着ロードマックス
父ディープインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
3着ユングヴィ
父ミュゼスルタン(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2019年
1着タイセイビジョン
父タートルボウル(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
2着ビアンフェ
父キズナ(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
3着ヴァルナ
父エピファネイア(ロベルト系/米)×母父サンデー系/日

【血 統 背 景】

コラソンビート(牝2、美浦・加藤志津)は、父スワーヴリチャード×母ルシェルドール(母父オルフェーヴル)。ウインマーレライやウインマリリンの近親。父のスワーヴリチャードはハーツクライの後継で勝ち上がり率もかなり高い期待の新種牡馬。小柄でまとまりのある牝馬でどちらかというと母父のオルフェーヴルに似たタイプ。長い直線よりは小回りの方がいい感じのフットワークで、東京なら追い出しはなるべく我慢した方が斬れる。

本馬は前走のオープン特別・ダリア賞(新潟・芝1400㍍)で2連勝を達成。そのスピードはここでも上位!?

同馬は、新馬戦の勝ち馬がボンドガール、2着がチェルヴィニアというレースレベルが高いなかでの3着。今回のレースも直線を向いてからのフットワークは見事で、先行する競馬から抜け出して粘り込みを図った2着馬を上手く捕まえ快勝!! 前半の速い流れについていけるスピードと最後に伸びる末脚を持つ同馬の今後に注目。ちなみに、当レースで好走した牝馬にはラブリイユアアイズ、アウィルアウェイ、レーヌミノルがおり、この3頭はG1馬、G1好走馬だけに、同馬も今後の成長に期待できる1頭。

ロジリオン(牡2、美浦・古賀慎明)は、父リオンディーズ×母ビービーバーレル(母父パイロ)。ダブルウェッジの甥で、メイショウレガーロの近親にあたる血統。父リオンディーズに母系がパイロ×シルヴァーホーク×デヴィルズバッグとパワー型の血統構成で、道悪の未勝利戦を快勝。血統だけなら中山に向くタイプも、この条件で勝ってるだけに世代戦なら東京重賞でも十分通用。

母が2016年フェアリーSで優勝したビービーバーレルという良血馬。中距離で活躍するきょうだい2頭とは違い、本馬はやや短距離向き。同舞台で快勝した前走・未勝利(東京・芝1400㍍)からの連勝を目指す!?

同馬は、デビューした頃はスタートの悪い馬も、今は改善されてはいるが、ただテンの脚はそこまで速くなく、今回も中団後方で脚を溜める競馬。勝ち馬の一列後ろから上手く立ち回って、上がり最速33.0はマイラーとしての素質が垣間見えた。ただシッカリと脚を溜めてからの末脚のキレは見事で、距離が伸びて化けるかも??

オーキッドロマンス(牡2、美浦・手塚貴久)は、父ロジャーバローズ×母エキナシア(母父スニッツェル)。ジュニパーベリーの半弟で、母エキナシアはJRA3勝(ダ1000~1200)。母母ニシノマリアはJRA5勝(芝ダ1000~1200)で、ニシノマリアの半妹タシロスプリングはファンタジーSに勝った。父ロジャーバローズはディープインパクト産駒のダービー馬。ジュニパーベリーがゴールドシップ産駒ながら短距離で活躍しているように、本馬もダンジグ4×5・5の母の短距離パワーが強い。中山1200→東京1400に舞台が替るのはプラスとはいえない?? ある程度流れたペースになれば前走の内容は活きてくるしチャンスはある存在!?

本馬は1200㍍に距離を短縮して2連勝中。控える競馬で強かった前走のオープン特別・カンナS(中山・芝1200㍍)を見れば、200㍍の距離延長もこなせそう??

同馬は、スタートが抜群に良く、先行2番手からゴール手前まで粘りこみ3着入線。レースラップの後半600㍍は11.6-11.8-11.5で、最後にひと伸びできるスタミナはなかった。今後、短距離において抜群のスタートから前残り傾向を活かす競馬ができれば今後も面白い存在??


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