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【シリウスS(G3)回顧~その先へ】血統篇

【シリウスSの結果】
レースは、中団から脚を伸ばしたハギノアレグリアス(1人気)が、好位から4角で先頭に立ったアイコンテーラー(2人気)に1.1/4馬身差をつけ優勝。さらに3.1/2馬身差の3着にヴァンヤール(3人気)が入り、本命決着!!

傾向面からみると、まずは「3歳馬」の活躍が目立つレースも、今年は前走ジャパンダートダービー2着キリンジが12着惨敗。そして、「前走から斤量増馬」に注目すると3頭(1着ハギノアレグリアス、2着アイコンテーラー、8着サンライズホープ)内からワンツー決着!!最後に「幸騎手」が過去10年で7度騎乗して3勝をマーク。今年は前走で3勝クラスを快勝した上がり馬フルヴォートに騎乗も4着まで。

血統面で、「欧州指向のスタミナ血統が有利」から「父欧州型」に注目すると、出走頭数14頭中4頭内2頭(2着アイコンテーラー、3着ヴァンヤール)が馬券に絡んだ。また、「母父欧州型」を検証、出走頭数14頭中7頭内2頭(1着ハギノアレグリアス、3着ヴァンヤール)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、終日良馬場で行われ、走破時計はほぼ水準通り。道中5番手内で競馬をしていた馬の好走率が高く、基本的には先行馬有利な馬場。特に前目につけていた馬が勝負所でじわっと通過順位を上げて逃げ馬に被せる形がハマっており、結果として少し外目にポジションを取れる5〜7枠辺りの好走率がやや高かった。

【血 統 傾 向】
4年ぶりに阪神ダ2000での施行!!
欧州指向のスタミナ血統が有利になりそう!?
デピュティミニスター、ロベルト、オルフェーヴルなどの血が有力

2023年(阪神ダ20)
1着ハギノアレグリアス
父キズナ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着アイコンテーラー
父ドゥラメンテ(ミスプロ系/欧)×母父ミスプロ系/米
3着ヴァンヤール
父タートルボウル(ノーザンダンサー系/欧)×母父ロベルト系/欧
2022年(中京ダ19)
1着ジュンライトボルト
父キングカメハメハ(ミスプロ系/欧)×母父サンデー系/日
2着ハピ
父キズナ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
3着オーヴェルニュ
父スマートファルコン(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
2021年(中京ダ19)
1着サンライズホープ
父マジェスティックウォーリア(ナスルーラ系/米)×母父サンデー系/日
2着ウェスタールンド
父ネオユニヴァース(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着ブルベアイリーデ
父キンシャサノキセキ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2020年(中京ダ19)
1着カフェファラオ
父American Pharoah(ミスプロ系/米)×母父ヘイロー系/米
2着サクラアリュール
父ゴールドアリュール(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着エイコーン
父フリオーソ(ロベルト系/欧)×母父ミスプロ系/欧
2019年(阪神ダ20)
1着ロードゴラッソ
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2着アングライフェン
父ステイゴールド(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
3着メイショウワザシ
父アイルハヴアナザー(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日

【シリウスS 血統背景】

ハギノアレグリアス(牡6、栗東・四位洋文)は、父キズナ×母タニノカリス(母父ジェネラス)。タニノギムレットの甥で、母のタニノカリスはJRA3勝。半兄のタニノエポレットはダイヤモンドS3着。姪のプリュムドールはステイヤーS2着と長距離向きの馬がよく出る血統。父はダービー馬キズナで、ソングラインやアカイイトなどの父。母父は英・愛ダービー馬のジェネラスでニジンスキー由来の切れ味が遺伝。どんな条件でも走れるタイプでも、2000m以上が合うタイプ。本馬自身、阪神のダートでは「2-2-0-0」と連対を外しておらず、芝でもコントレイルに次ぐ上がり3F2位タイの末脚を披露していた。

今回と同じダート2000㍍戦だった3走前の名古屋大賞典(JpnⅢ・名古屋)で重賞初制覇を達成。阪神・ダート2000㍍でも勝ち星を挙げたことがあり、重賞2勝目を狙うレースとしては好条件が整った。

同馬は中団から脚を伸ばし、好位から4角で先頭に立ったアイコンテーラー(2人気)を差し切り優勝。6歳馬でキャリアが15戦(2歳秋と3歳秋に長期休養があり、4歳シーズンは全休。)しかないため、やっと完成の域に入った。参考までに、キズナ産駒の中山ダート1800m【5-1-0-9】が優秀なだけに、次走狙いたい!?

アイコンテーラー(牝5、栗東・河内洋)は、父ドゥラメンテ×母ボイルトウショウ(母父ケイムホーム)。トウショウナイトの姪にあたる血統で、4代母はストームバードを輩出。その他にもビワシンセイキにも繋がる牝系で、父のドゥラメンテはダービー、皐月のクラシック2冠馬。タイトルホルダーやスターズオンアース、リバティアイランドなど活躍馬を輩出。母父ケイムホームは米国ダート中距離で活躍。父系はキングマンボ系だし血統面的にダートに路線を変えたのはプラスに出たのも納得。ベストディスタンスはもう1ハロン短いところも、阪神2000㍍は悪くなく、楽なペースで先行出来れば面白い存在??

前走のBSN賞(リステッド・新潟・ダート1800㍍)は、初めてのダートのレースながら2馬身差の快勝を演じ、高いダート適性を証明。今回は重賞となり、相手も強くなるが、慣れが見込める2戦目でさらにパフォーマンスを上げてきそう!?

同馬は、いい位置でしっかり流れに乗り、4コーナー先頭の形はいかにもダートが合う。今回は最後200㍍13.0と脚が上がってしまい、ハギノアレグリアスに捕まり2着。これは距離の影響だけに、ダート1800㍍以下で狙いたい!?

ヴァンヤール(牡5、栗東・庄野靖志)は、父タートルボウル×母ブライトエルフ(母父ブライアンズタイム)。母ブライトエルフは地方2勝、JRA1勝(ダ1800)。母母スウィートエルフはJRA6勝のオープン馬。牝祖マイエルフは福島記念の勝ち馬で、京王杯AH2着馬エアリアルの母。父タートルボウルはジャンプラ賞(仏G1・芝1600m)勝ち馬でアンデスクイーン、タイセイビジョン、ヴェントヴォーチェなどの父。母父ブライアンズタイムの影響も強いダ中距離馬で、晩成血統らしく使われながら着実に力をつけてきた。アンタレスS2着の内容からも阪神2000は合う!?

競走中止となった今年1月の東海Sを除けば5戦連続で3着以内に好走しているように、抜群の安定感を誇る。舞台を問わずに走れるタイプなので、今回も自身の持つ能力はきっちりと発揮できる!!

同馬は、3月名古屋城Sから【0-2-3-0】と歯がゆい成績が続くなか、今走も3着。あとワンパンチ足りず、今回のようにうまく流れに乗れてもどうしても決め手で見劣ってしまう。ただ、未出走の東京ダート1600㍍に適性があるかも??


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