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【新潟2歳S(G3)回顧~その先へ】血統篇

【新潟2歳Sの結果】
レースは、中団から脚を伸ばしたアスコリピチェーノ(1人気)が、逃げたショウナンマヌエラ(10人気)に1馬身差をつけ優勝。さらに1馬身差の3着にクリーンエア(4人気)が入り、中波乱決着!?

傾向面からみると、「差し・追い込み」が過去10年で9勝をマークしてるなか、今年は中団から差したアスコリピチェーノ(1人気)が優勝。また、「上がり最速馬」に限定すると[7-2-1-0]馬券率100%と、今年はジューンテイク(9人気)が最速も10着敗退。最後に「ダイワメジャー産駒」が[2-2-1-7]複勝率41.7%と好相性も、今年出走馬12頭中2頭が該当内1頭アスコリピチェーノが優勝。

血統面で、まず傾向面でも取り上げた「ダイワメジャー産駒」。今年出走馬12頭中2頭が該当内1頭アスコリピチェーノが優勝している。また、「父サンデー系×欧州」に注目すると、出走馬12頭中6頭内2頭(1着アスコリピチェーノ、2着ショウナンマヌエラ)が馬券に絡んだ。

トラックバイアスからみると、今年の新潟は異例の猛暑で好天続き。雨がほとんど降っておらず、例年以上にスピードが生きる馬場が継続している状況で、依然として速めの時計が出ている。内外はフラット。

【血 統 傾 向】
短距離適性の高い種牡馬やノーザンテースト産駒!?
父がPサンデー系、プリンスリーギフト系、ダンチヒ系など短距離適性の高い種牡馬。グレイソヴリン系トニービン、ノーザンテーストの血を持つ馬。
昨年はニジンスキー系統持ちが上位を独占。
      デインヒルやノーザンテーストなど仕上がりの早い血を評価。

2023年
1着アスコリピチェーノ
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ショウナンマヌエラ
父ジャスタウェイ(サンデー系/日)×母父ロベルト系/欧
3着クリーンエア
父リアルインパクト(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
2022年
1着キタウイング
父ダノンバラード(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/欧
2着ウインオーディン
父エピファネイア(ロベルト系/米)×母父サンデー系/日
3着シーウィザード
父ビーチパトロール(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日
2021年
1着セリフォス
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ナスルーラ系/欧
2着アライバル
父ハービンジャー(ノーザンダンサー系/欧)×母父サンデー系/日
3着オタルエバー
父リオンディーズ(ミスプロ系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
2020年
1着ショックアクション
父Gleneagles(ノーザンダンサー系/米)×母父ノーザンダンサー系/欧
2着ブルーシンフォニー
父スクリーンヒーロー(ロベルト系/欧)×母父ノーザンダンサー系/欧
3着フラーズダルム
父キズナ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/欧
2019年
1着ウーマンズハート
父ハーツクライ(サンデー系/日)×母父ノーザンダンサー系/米
2着ペールエール
父ダイワメジャー(サンデー系/日)×母父ミスプロ系/米
3着ビッククインバイオ
父キングズベスト(ミスプロ系/米)×母父サンデー系/日

【血 統 背 景】

アスコリピチェーノ(牝2、美浦・黒岩陽一)は、父ダイワメジャー×母アスコルティ(母父Danehill Dancer)。アスコルターレの半妹で、母アスコルティはJRA2勝(芝1200~1400)。母母リッスンはフィリーズマイル(英G1・芝8F)勝ち馬でタッチングスピーチやサトノルークスの母でキングズレインの母母。英2000ギニーのヘンリーザナヴィゲーターなども同牝系。サドラーズウェルズが強い牝系で、本馬もダイワメジャー産駒にしては重厚な走り。母父はデインヒルの後継のデインヒルダンサーだから仕上がり早の牝馬。芝1400で新馬勝ちしたが距離は1800ぐらいあっても!? セリフォスのような鋭さは感じないが地力を秘める。

新馬戦は4コーナー11番手からの差し切り勝ち。見た目からして鮮やかだったうえ、上がり3ハロン33秒3(推定)と、数字上でも非凡さが明確に表れていた。さらに鋭さが増しそうな新潟外回りコースで、重賞初制覇のチャンス!!

同馬は、中団から脚を伸ばし、逃げるショウナンマヌエラ(10人気)をゴール手前で捉え一気に突き抜けて優勝。前進気勢が薄く、気負って走るところがなく、柔軟性があり、しなやかなフットワークにより決め手を活かす競馬、切れ味を兼備した上品なタイプ。桜花賞でも十分期待できる逸材!?
 

ショウナンマヌエラ(牝2、栗東・高野友和)は、父ジャスタウェイ×母ダイアゴナルクロス(母父シンボリクリスエス)。ショウナンパンサーの半妹でツクバホシノオーの姪。牝祖スカーレットリボンはスカーレットブーケやスカーレットローズの全姉で現フィリーズレビューに勝ち、子孫にドライヴナイトやリボントリコロールなどがいる。父ジャスタウェイはハーツクライの代表産駒でダノンザキッド、マスターフェンサー、テオレーマなどの父。母父シンボリクリスエスはテーオーシリウスと同じ。芝マイルの新馬戦を超スローで逃げ切ったが、血統は完全に中距離、フットワークも大きく如何にも大箱に向くタイプだけに、新潟外回りはプラス!?

途中からハナに立って押し切ったデビュー戦は、遅い流れだったとはいえ、稍重の馬場で上がり3ハロン35秒1でまとめた。良馬場ならさらに走れそうなだけに、展開面でも注意したい一頭!?

2着は逃げた同馬が粘った。こちらはスローペースを演出したこともあるが、後半600m11.3-11.2-11.5と残り200mに向けて加速ラップを描き、最後も11.5と失速を抑えた。最後はフラつくなど、まだまだ伸びしろはある。このレースで連対した牝馬は2013年以降、6頭いるが、このうち4頭がその後、牝馬戦線で活躍した。今年は牝馬のワンツーだけに、今後も要注目!?

クリーンエア(牡2、美浦・上原博之)は、父リアルインパクト×母シルヴァンソング(母父Street Cry)。祖母のフォレストエアリスは米GIIIダ6FヴァリーストリームS勝ち馬で、ハーシェルの半弟にあたる血統。父のリアルインパクトはディープの後継種牡馬で現役時代は安田記念を制したマイラー。ラウダシオンやモズメイメイの父。母系のスピード色の強さからも短いところが合う。新馬戦は最後の直線で内から外に出されると一気に加速し豪快に差し切り。精神的な幼さは見受けられても競馬のセンスは高そう。決め手比べになるのであれば面白い存在だけに、新潟マイルは良い!!

同馬のデビュー戦は、直線で前が壁になり、一度は馬群の外へ持ち出すロスがありながらも、残り150㍍付近から追われると、前の馬たちを一気に差し切った。類まれな勝負根性に注目の1頭!?

同馬は、優勝したアスコリピチェーノと同じような位置取りから直線での攻防も、完全に斬れ負け!? ただ、成長ともに伸びしろはあり、今後も要注目!?


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